唇は、他の皮膚と違って、表面にある角層(かくそう)が非常に薄いですから、とても敏感で、ヒリヒリした痛みや腫れなどの症状が出やすいところです。
唇は、感染やアレルギーなども起こりやすいところなのです。
唇に起きた症状は、早めにケアしたいですね。
今回は、唇が痛くなる原因や、痛くなる病気などについて解説していきます。
この記事の目次
唇が痛い原因はなに?
唇が痛い場合に考えられるものには、次のようなことがあります。
- 唇に刺激性のあるものが接触して起こる、接触皮膚炎
- 唇が乾燥している
- 白い線状に腫れる扁平苔癬(へんぺいたいせん)
- 唇に細菌が感染している
- 唇の遺伝性の病気
- 入れ歯が合っていない
などです。
それぞれについて、解説していきます。
唇に起きる接触皮膚炎ってなに?
唇は敏感なところですので、色んなものが刺激となって炎症を起こすことがあり、痛みや腫れなどの症状となって現れることがあります。
唇に刺激を与えるものには、次のようなものがあると言われています。
- 食べ物
- 飲み物
- 口紅やリップクリームなどの化粧品
- 歯磨き粉
- 金属類
- ある種の薬
- 空気中に含まれる刺激物質
- 紫外線
などです。
いつも同じ刺激物によって唇が荒れたり痛くなったりする場合は、アレルギー反応が引き起こされている、ということもあります。
紫外線によるアレルギーにもいろんな種類があります。こちらでくわしく解説しています。
唇が栄養不足で痛い!?
唇を健康に保つ栄養成分が不足していると、刺激物に対してさらに敏感に反応し、炎症などが起こりやすくなることもあります。
唇は、ビタミンB2やビタミンB6などが不足していると、ヒリヒリした痛みやひび割れ、赤くなる、皮がめくれる、口の端が痛い、などの症状が出やすくなると言われています。
唇が乾燥して痛い!?
体の乾燥が、もっとも現れやすい場所のひとつが唇です。
唇が乾燥すると表面が固くなり、損傷しやすくなりますので、ヒリヒリした痛みがでたり、赤い小さな斑点ができたり、白くなったりすることがあります。
乾燥の原因は、冬の気候だけでなく、夏の冷房や、日光などもあります。
なめまわし皮膚炎!?
子供に多いのですが、唇や唇のまわりの皮膚をなめまわすことで乾燥を起こし、痛みや腫れといった皮膚炎をおこすこともあります。
「なめまわし皮膚炎」と呼ばれています。
扁平苔癬(へんぺいたいせん)ってなに?
扁平苔癬(へんぺいたいせん)とは、唇や頬の内側などに、白く線状に腫れて痛みが出たりする病気です。
扁平苔癬の原因は、アレルギーや代謝異常などと言われていますが、はっきりとはわかっていません。
感染症が原因で唇が痛い?
唇がウイルスや細菌などに感染して、痛みが生じることもあり、次のようなものがあります。
- 単純ヘルペスウイルス感染症
- カンジダ性口唇炎
- 川崎病
などです。
単純ヘルペスウイルス感染症
単純ヘルペスウイルス感染症とは、ヘルペスというウイルスの感染が原因で発症する病気で、唇に症状があらわれるものを特に、 口唇(こうしん)ヘルペスといいます。
症状は、痛みのほかに、小さな水ぶくれができるのが特徴です。
口唇ヘルペスは、風邪で熱がでたり、ストレスや疲れがたまったりしているときに、症状が出やすいと言われています。
カンジダ性口唇炎
カンジダ性口唇炎とは、カンジダという真菌(カビ)が増えて起こる病気です。
カンジダ菌は、誰でも持っている菌なのですが、免疫力が落ちたときなどに増えて、炎症を起こすことが多いと言われています。
カンジダ性口唇炎では、唇に痛みが出たり、腫れたり、赤くなったりすることがあります。
川崎病
川崎病は、生後1か月から、8歳までの子供に多く発症する病気です。
症状は、発熱にはじまり、唇が乾燥し、ひび割れたり赤くなったり、腫れて痛みがでたりします。
目の充血や、喉の腫れをともなうこともあります。
川崎病は、なんらかの感染生物に感染したことがきっかけで、免疫反応が異常を起こすために発症する、と考えられています。
遺伝性の病気で唇が痛い?
唇が痛くなる遺伝性の病気に、遺伝性血管性浮腫(いでんせいけっかんせいふしゅ)というものがあります。症状は唇の腫れなどで、唇以外の血管にも出ることがあると言われています。
子供時代に最初の症状が現れることが多く、1カ月に1回や、それ以上の頻度で、繰り返し発症するのが特徴です。
心理的、身体的なストレスがきっかけで、発症することが多い、と考えられています。
入れ歯が原因になることも
唇に炎症を起こす原因には、サイズの合っていない入れ歯などもあります。
サイズが合っていないせいで、口の周りにしわができ、それが原因で炎症をおこして唇がヒリヒリする、と考えられています。
唇の痛みは、体調不良のサインかも
唇は、体の状態が現れやすいところでもあります。
唇には直接関係ない体調の変化が、唇の痛みなどとなって現れることもあると考えられているのです。
唇が痛いときは、何科を受診すればいいの?
唇の痛みを放っておくと悪化することもありますので、気になるときは早めに医師の診察を受けられることをおすすめします。
何科に行けばいいかわからない時は、まずは皮膚科を受診して、いつから症状が出ているのか、どんな症状が出ているのか、どんな時に痛いかなどを伝えられるといいでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
唇を痛くさせる原因には、様々なことがありますね。
唇は見てのとおり、表皮が薄く血管の赤い色が見えている、デリケートなところです。
毛穴もありませんので、皮脂の分泌がなく、保護が弱い部分です。
他の皮膚以上に、ケアが必要かもしれませんね。唇に必要な栄養分の摂取はもちろんですが、全体的にバランスのいい食事も大切ですね。
ビタミンB2は、牛や豚、鶏などのレバー、うなぎのかば焼き、納豆、きのこ、ナッツ類などに多く含まれていますよ。
乾燥を避けるために、リップクリームを塗ったり、直射日光が唇に当たらないように帽子や傘などを活用したりするのもいいですね ^^)