「対象」と「対照」と「対称」はどれも「たいしょう」と読むので、ややこしいですよね。
でも、この3つの言葉には、明確な違いがあるのです。
今回は、「対象」と「対照」と「対称」の意味や違いについて、解説していきます。
二字熟語を、バラバラにすると、わかりやすいかもしれません。
この記事の目次
「対象」と「対照」と「対称」の意味と違い
「対象」と「対照」と「対称」の違いを理解するために、それぞれの意味について見ていきましょう。
「対象」の意味は?
「対象」には、
『目標や、 目当てとなるもの』
という意味があります。
対象の「象」の字には、 かたちや、様子、といった意味があるのです。
自然の様子は「気象」、
現れたかたちが「現象」、
そして、今回の
目標となるかたち、という意味を表わしたのが「対象」です。
「対照」の意味は?
「対照」には、次の2つの意味があります。
- 照らし合わせる、 見くらべる、
- 対立する二者が、きわだったコントラスト(対比)を見せること、
どちらの意味も、 2つのものを比べている、というところが、先ほどの「対象」の意味と違うところですね。
「照」には、 お互いに光を当てて(照らして)、見比べる、という意味があります。
「対照」の意味を憶えるときの手掛かりにしていただければ、と思います。
「対称」の意味は?
「対称」には、
『お互いにつりあっていること』
という意味があります。
「対称」の「称」の字には、つりあう、名づける、という意味があります。
左右で同じ構図をしていることを「左右対称」といいますよね。
意味の違いは明確になりましたか。例文を見れば、さらに意味の違いがはっきりするでしょう。
「対象」と「対照」と「対称」の例文
「対象」の例文
「対象」の意味は、 目標や、 目当てとなるもの、でしたね。
「対象」を使った例文には、次のようなものがあります。
- 研究の対象に、心理学を選ぶ
- 男性を対象とした市場調査
- 批判の対象になる
- 恋愛の対象
- 社員を対象にした意識調査
などです。
「対照」の例文
「対照」の意味は、照らし合わせる、 見くらべる、対立する二者が、きわだったコントラスト(対比)を見せること、でしたね。
「対照」を使った例文には、次のようなものがあります。
- 色彩の対照があざやか
- きわだった対照が見られる
- 比較対照
- 対照的な性格
- 好対照をなす(お互いの相違点がきわだっている)
などです。
「対称」の例文
「対称」の意味は、つりあっていること、でしたね。
「対称」を使った例文には、次のようなものがあります。
- 対称図形
- 対称軸
などです。
まとめ
いかがでしたか。
「対象」と「対照」と「対称」の違いは、明確になりましたか。
もう一度おさらいすると、
「対象」には、「研究の対象」のように、目標や 目当てとなるもの、という意味があります。
「対照」には、「好対照」のように、見くらべる、コントラスト(対比)を見せる、という意味があります。
「対称」には、「対称図形」のように、お互いにつりあっていること、という意味があります。
「形」と「型」は漢字も似ています。どんな違いがあるのでしょう。
「ひとりずつ」と「ひとりづつ」の違いは?
「充分」と「十分」の違いは?
日本語は複雑ですけど、意味わまると楽しいですよね ^^