体の中を検査するものに「CT」と「MRI」があります。
「CT」と「MRI」は、体に当てるものや用いるもの、検査したい目的となる病気など、いろんな違いがあります。
また、検査を受ける側にとっても大きな違いがあるのです。
今回は、「CT」と「MRI」について解説していきます。
料金の違いも気になりますよね。
この記事の目次
CTとMRIの違いって何?
「CT」と「MRI」の検査方法の違い
「CT」と「MRI」はいずれもコンピューターを利用して、体内を撮影するものですが、その違いは、体内にX線を当てるのか、磁気を共鳴させるのか、ということになります。
「CT」と「MRI」の検査時間の違い
そして、受ける側にとっての大きな違いは、じっとしていなければならない時間です。
「CT」は5分~15分で、「MRI」は、20分~40分です。
「CT」が始まる前に、「じっとして動かないでください。」と言われるのは、せいぜい1、2回でしょう。
それに対して「MRI」はというと、それは何度も言われます。20分~40分ですから、長いですよね。
「なにかあれば、これを押してください。」なんて言われて、小さなゴムの風船みたいなものを手の中に持たされることもあるでしょう。
「CT」はどんな検査?
「CT」は、「Computed Tomography」の略で、日本語で言うと「コンピューター断層撮影」と言います。
体を輪切りにするようにⅩ線を当て、通り抜けたⅩ線の量を測定し、その情報をコンピューターで処理して人体の断層画像を作り、体内の様子を調べる検査です。
上の画像が「CT」の装置です。
Ⅹ線と被ばく量
Ⅹ線とは、レントゲン線と呼ばれることもある電磁波で、放射線の一種です。
「CT」検査での放射線の被ばくは、体格や検査部位によっても異なりますが、腹部ですと10~20mGy程度です。
これは、私たちが普通に生活しているだけで浴びている「自然放射線」の約4倍~8倍の量だと言われています。
造影剤を用いることも
血管を検査する場合や、炎症や腫瘍(しゅよう)の存在が疑われる場合などに、造影剤が使われることがあります。
ほとんどが経静脈的に注射されますが、飲んだりすることもあるようです。
「MRI」はどんな検査?
「MRI」は、「Magnetic Resonance Imaging」の略で、日本語に直すと、「磁気共鳴映像法」です。
上の画像が「MRI」の装置です。
「MRI」の検査は、簡単に言うと、体内の水分に磁気を反応させて、断面画像を作る、というものです。
磁気波は、水分を含まない骨部にほとんど影響されませんので、 「CT」検査で骨に隠れて映らなかった臓器も「MRI」では撮影できると言われています。
造影剤が使われることもあり、通常は、静脈に注射して体内に入れられます。
「MRI」の特徴は音
「MRI」はずっとではありませんが、キンコンカンコンという大きな音が出ますので、ヘッドホンなどを耳につけてくれることがあります。
「CT」と「MRI」の目的となる病気
「CT」と「MRI」検査の、目的となる主な病気を見てみましょう。
「CT」
「CT」を使う目的となる病気には、
頭部では、くも膜下出血・脳梗塞・脳出血・脳腫瘍などがあります。
体部では、肺がん・肝臓がん・腎臓がん・リンパ腫などがあります。
そのほかに、骨や軟骨を調べるときにも用いられます。
「MRI」
「MRI」はというと
頭部では、脳梗塞・脳出血・脳腫瘍・くも膜下出血・脳動脈瘤などです。
体部では、肺がん・肝臓がん・すい臓がん・腎臓がん・肝血管腫・大動脈瘤などです。
そのほかに、骨や軟骨を調べるときにも用いられます。
検査前の注意
検査を受ける前に、注意しなければならないことを見てみましょう。
「CT」
「CT」検査を受ける前の注意には、次のようなことがあります。
- 妊娠している可能性のある方は、検査を避けます。
- 造影剤を使う場合、ヨード系薬剤でアレルギー反応を起こしたことのある方は、医師に告げます。
- 金属のついたものは、外します。
などです。
「MRI」
「MRI」検査を受ける前の注意には、次のようなことがあります。
- 心臓のペースメーカーを付けている方は受けられません。
- 人工弁や動脈瘤を止めるためのクリップが体内にある方は、医師に告げます。
- ヘアピンから入れ歯まで、すべての金属製のものを外します。
- クレジットカードなど、磁気の影響をうけるものは検査室に持ち込めません。
- 妊娠中の方、重い心疾患のある方、検査中じっとできない方は、検査を受けられません。
- 腹部の検査の場合は、お腹が動くといけませんので、当日の食事は抜きです。
などです。
他の検査も行います
「CT」も「MRI」も、通常は超音波検査や血管造影検査など、ほかの画像検査も行って、組み合わせで診断されることが多いです。
費用について
気になる費用のことですが、撮影する範囲や造影剤の有無によって、かなりの違いがあります。
「CT」
筆者が以前受けたときは、「CT」が2万円前後でした。
保険の適用が1割負担の場合は2000円になり、3割負担では6000円になりますね。
ただし、これは造影剤を使わなかった場合です。
造影剤を使った場合の目安は、保険適用を考慮に入れない場合、35000円くらいになります。
「MRI」
一方の「MRI」は、「CT」より少し高かったです。
保険適用を考慮に入れない場合、26000円くらいで、造影剤を使ったら、40000円前後でした。
1割負担の場合は2600円~4000円、3割負担で7800円~12000円ということになりますね。
まとめ
いかがでしたか。
「CT」も「MRI」も受ける側にとって、それぞれに長所、短所と感じることがあるかもしれませんね。
参考になったとしたら、幸いです。
お腹が出ていて硬いと心配になりますよね。
腸が痛い原因にはいろんなものがあります。
血圧は低くても心配ですよね。
検査を受けるのは不安ですけど、きちんと受けたほうがいいかもしれませんね(^^)