膝の関節が痛くなるのは、骨が傷ついていたり、細菌が入り込んでいたり、免疫機能の乱れが原因であったりと、様々な原因があります。
痛風(つうふう)と同じ理由で、膝に痛みがあることもあるのです。
今回は、膝の関節が痛い原因について解説していきます。
この記事の目次
膝の関節が痛い!原因はなに?
膝の関節が痛くなる原因は、大きく分けて次の4つがあると言われています。
- 膝の関節にある骨や軟骨が傷ついたり、 壊死(えし:細胞が死滅すること)するために、膝の関節に炎症が起こって痛い。
- 血液中の尿酸が増えたことによる痛み。
- 細菌や結核菌に感染したために、炎症を起こして痛い。
- 免疫細胞が異常行動を起こし、膝の関節を攻撃したために痛い。
これらの原因を、さらに詳しく解説していきます。
膝の関節にある骨や軟骨が傷つく
膝の骨や軟骨が傷ついて起きる疾患には、次のようなものがあります。
- 関節水腫(かんせつすいしゅ)
- 変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
- 滑膜骨軟骨腫症(かつまくこつなんこつしゅしょう)
- 半月板損傷(はんげつばんそんしょう)
- 離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)
- 膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)
- 棚障害(たなしょうがい)
それぞれについて簡単に説明していきます。
関節水腫(かんせつすいしゅ)
「膝に水がたまってる」なんて、聞いたことがあると思います。それが「関節水腫」(かんせつすいしゅ)と呼ばれるものです。
膝には、膝の動きを滑らかにするための関節液(かんせつえき)というものが滑膜(かつまく)から分泌されていますが、その関節液の分泌が異常に増えてしまうことで起きるのが、関節水腫です。
関節水腫の症状は?
関節水腫は、痛みのほかに、膝を押してブヨブヨしていたり、膝の動きがいつもと違う、といった症状などがでると言われています。
関節水腫の原因は?
膝の関節にある骨や、軟骨のはがれたものやかけらが、関節液を分泌している滑膜(かつまく)を刺激するために起こると考えられています。
変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
膝の軟骨がすり減ったり、骨が変形してしまう疾患が、 変形性膝関節症です。
変形性膝関節症の原因は?
膝の使い過ぎやけが、栄養不足、運動不足、加齢、肥満、歩き方が悪い、などが原因で発症すると言われています。
変形性膝関節症の症状は?
変形性膝関節症の症状には、痛みのほかに、腫れたり、骨のかけらが骨と骨の間に挟まって、足がしっかり伸ばせなかったり、コツコツという音がしたり、といったことがあります。
動いているときに痛みがあり、休んでいるときには痛みがましになる、というのが特徴です。
滑膜骨軟骨腫症(かつまくこつなんこつしゅしょう)
関節液を分泌する滑膜(かつまく)に腫瘍ができる病気が、滑膜骨軟骨腫症です。発生頻度は多くなく、発症する原因も、はっきりとはわかっていません。
滑膜骨軟骨腫症を発症すると、滑膜(かつまく)から分離した腫瘍が、膝の関節内で骨と骨の間に挟まり、しっかり膝を伸ばすことができなかったり、激しく痛むこともあります。
そのほかに
膝の関節にある骨や、軟骨が傷つく疾患にはそのほかに、
- 骨と骨の間にある半月板が傷つく、半月板損傷(はんげつばんそんしょう)
- 軟骨の細胞が死滅してしまう離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)
- 膝にあるお皿と呼ばれる骨傷つく膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)
- お皿の内側になるひだが傷ついてしまう棚障害(たなしょうがい)
などがあります。
これらの疾患については、こちらで詳しく解説していますので、参照していただければと思います。
膝の関節に尿酸がたまって痛い
痛風(つうふう)
痛風は、膝の関節に痛みを起こすこともあります。
痛風の原因は?
痛風の痛みの原因は、 血液中の尿酸が関節に過剰にたまってしまうために起こります。
痛風のおもな症状は?
痛風になると、膝が激しく痛むほかに、赤くはれたり、熱をもつようになることもある、と言われています。
体の尿酸値を下げる方法や原因については、こちらで解説していますので、参考にしていただければと思います。
膝の関節が細菌や結核菌に感染
化膿性関節炎(かのうせいかんせつえん)
細菌が膝の関節内に侵入して、炎症を起こすのが、化膿性関節炎です。
化膿性関節炎の原因は?
けがや、注射による感染が考えられています。
化膿性関節炎の症状は?
細菌による感染ですので、膝の痛みのほかに、熱がでたり、寒気がしたり、食欲がでなかったりといった、 風邪の初期症状に似た症状をともなうと言われています。
結核性関節炎(けっかくせいかんせつえん)
結核菌が膝の関節に炎症を起こすのが、結核性関節炎です。
現在結核にかかっている、という場合ばかりでなく、過去にかかったことがある、という場合にも、発症することがあると言われています。
結核性関節炎の症状は?
結核性関節炎の症状は、痛みのほかに、膝の関節に水がたまったり、熱をもったり、腫れる、などです。
免疫細胞の異常行動
関節リウマチ
関節リウマチは膝にとどまらず、全身の多くの関節に痛みが出ることが多い疾患で、進行すると血管に炎症を起こすこともあります。
関節リウマチは、免疫機能の乱れが原因になっていると言われ、風邪に似た症状がでることもあります。
関節リウマチについては、こちらで詳しく解説していますので、参考にしていただければと思います。。
まとめ
膝の関節が痛いときに考えられる原因を見てきましたが、いかがでしたか。
痛みの原因には、
骨や軟骨が傷ついている場合や、
尿酸がたまって痛風を起こしている場合、
細菌が炎症を起こしている場合、
免疫細胞の異常による場合
など、色々あります。
いずれにしても、悪化する前に医師の診察を受けられる方がいいですね。
受診には、まずは整形外科や膝関節外科などがいいでしょう。
膝の関節はかなめですから、いつまでも大切にしたいですね ^^