薄毛の発生は、本来、髪の毛がはえて成長する過程に異常が起こっているからで、その原因には病気やホルモン、栄養の問題が関わっています。
薄毛の原因にはまた、精神的な背景があることも少なくなりません。
今回は、薄毛の原因を解説していきます。
この記事の目次
薄毛の原因はなに?
薄毛の原因には、次のようなことがあると言われています。
- ダイエットなどによる食事制限・体重の減少
- ビタミンサプリメントの過剰摂取
- 甲状腺(こうじょうせん)の病気
- ストレス
- 妊娠などによるホルモンの変化
- 男性ホルモンの変化
- 目の疲れ・ドライアイ
髪の毛には、誰にでもヘアサイクルというものがあり、生えて抜けて、また生える、ということが同じ毛穴で繰り返されています。
正常なヘアサイクルでは、生えてから抜けるまでおよそ5年かかり、1日に90本くらいの髪の毛が抜けていると言われています。
先ほど上げた原因によって、ヘアサイクルが乱れると、頭全体の髪の毛が徐々に薄くなってくる、というわけなのです。
薄毛の原因をさらに詳しく解説していきます。
薄毛の原因、休止期脱毛症ってなに?
生えてから抜けていくまでには、次の3つの段階があります。
- 毎日伸びる成長期
- 伸びるのをやめて、髪の毛の根元が少しずつ表面に近づく退行期(移行期)
- 髪の毛が表面近くにとどまっていると同時に、新しい髪の毛が誕生する休止期
今回解説する薄毛の原因は、成長期にあるはずの髪の毛が、十分に成長せず、いきなり休止期に入ってしまう、というものです。まるで、小学生がいきなり老人になるようなものなのです。
これを休止期脱毛症(きゅうしきだつもうしょう)と言います。
薄毛の原因、休止期脱毛症の特徴
休止期脱毛症には、次のような特徴があります。
- シャンプーの時にまとまって抜ける
- 朝起きたら、枕にたくさんの抜け毛がついている
- 根元から抜けている
- 頭全体で脱毛が起こっている
などです。
先ほど上げた薄毛の原因を、ひとつずつ解説していきます。
ダイエットが薄毛の原因?
毛髪や皮膚の角質、爪などは、硫黄を含んだケラチンというタンパク質などでできています。
毛髪の原料である栄養成分を、ダイエットなどをして、摂らなくなると、毛髪がうまく作られなくなるのは、当然ですね。
サプリメントが薄毛の原因?
ビタミンAをサプリメントで過剰に摂取すると、脱毛が起こりやすくなると言われています。
サプリメントのほかに一部の薬にも、薄毛の原因になるものがあります。
甲状腺(こうじょうせん)の病気が薄毛の原因?
甲状腺と呼ばれる、のどぼとけの下にある臓器の機能が低下すると、休止期脱毛症のほか、円形脱毛症の原因になると言われています。
甲状腺の機能低下で起こる症状や原因などについて、詳しいことはこちらで解説しています。
ストレスが薄毛の原因?
社会的責任を強く感じている男性や、家庭内の問題、子育てにストレスを抱えている女性などに、薄毛で悩む人が多いとされています。
円形脱毛症では、うつ病との併発が多いことがわかっています。
円形脱毛症については、こちらで詳しく解説しています。
女性ホルモンの変化が薄毛の原因?
妊娠中は、女性ホルモンの変化により、抜け毛が減る方もいますが、ホルモンのバランスが崩れることによって、ヘアサイクルが乱れ、薄毛になることもあります。
男性ホルモンの変化が薄毛の原因?
通常の男性ホルモンが、くせのある男性ホルモンに変化すると、髪の毛を作る機能を阻害するので、薄毛になることがあります。
男性ホルモンの変化による薄毛は、こちらで詳しく解説しています。
目の疲れ・ドライアイが薄毛の原因
じつは、目の疲れが頭皮に影響して、薄毛を発症させることもあります。角膜の原料が髪の毛の原料と同じだという理由からなのです。
髪の毛は、体の健康のバロメーターの役割もしていますね。
目の疲れによる薄毛の原因については、こちらで詳しく解説しています。
正しいヘアサイクル
ヘアサイクルのそれぞれの段階を詳しく見ていきましょう。
分裂を繰り返す成長期
図にあるように、髪の毛の根元にある毛母細胞(もうぼさいぼう)が、刺激を受けて分裂を繰り返し、髪の毛を成長させるのが「成長期」です。
男性で3~5年、女性で4~6年がこの成長期だと言われています。
女性の方が成長期が長いのは、女性ホルモンに髪の毛の成長を促す作用があるためです。
成長期には、毛母細胞のタンパク質が変化して、硬くてハリのある髪の毛が作られ伸びていきます。
根元が移動する退行期
成長期が終わると、髪の毛の根元である毛球部が硬く小さくなり、髪の毛が収まっていたところから少しずつ離れていきます。
3週間ほどかけて、頭皮の表面近くへと移行するのが、「退行期」(移行期)です。
新しい髪の毛が誕生する休止期
頭皮の表面近くにとどまっている期間が「休止期」で、約3ケ月のあいだ成長はなく、やがて抜けていきますが、毛穴の奥では新しい髪の毛が誕生しています。
頭皮にも栄養や良い環境が必要です。
髪の毛が生えて成長するためには、毛母細胞がきちんと分裂を繰り返す必要があります。
そのためには、体を成長させ、健康を維持することと同じように、頭皮にも栄養や良い環境が必要です。気になる体の不調には、きちんと対処し、身体的なストレスはなるべく取り除きましょう。
薄毛が気になると、それだけで精神的なストレスにもなりますから、早めに皮膚科などを受診し、医師に相談するのもいいでしょう。
まとめ
薄毛の原因やヘアサイクルについて解説してきましたが、いかがでしたか。
薄毛に気づいたら、進行させないためにも、改善するためにもなるべく早く対処するのがいいですね。日ごろの生活を見直して、栄養不足になっていないかなど、良くないことは変えていきましょう。
薄毛の原因に、病気が隠れていることもありますので、気になる時は医師の診察を受けることをおすすめします。
適度な運動や正しい頭皮のマッサージは、頭皮の健康を維持するのによい方法です ^^)