耳の中には小さな石があって、それがコロコロ転がるだけで、人間にめまいを起こさせる、こんな嘘のような本当の話しがあります。
めまいがおきると、連動するように吐き気をともなうこともしばしばです。
それは、突然やってくるので、発症した方にとっては、恐怖や不安をともなうでしょう。
今回は耳の石やめまいの原因、メニエール病との違いなどについて解説していきます。
この記事の目次
耳の石ってなに?転がる原因は?
耳の石はバランスをとるため!?
耳の中の石は、そのまま 「耳石(じせき)」といって、 体の傾きに関するバランスをとるための大切な感覚装置である、耳石器(じせきき)の一部で、炭酸カルシウムの結晶(石灰粒子)です。
水平方向と垂直方向のそれぞれを感知するために、2か所に耳石があって、私たちが体を傾けたときに、この耳石も一緒に動くことで、脳に信号が送られ、体が傾いたことを知らせています。
耳の石がはがれたら…
耳の石が耳石器からはがれてしまうことがあり、はがれた砂のようなかけらが、 回転などのバランスをとるための感覚装置である三半規管に紛れ込んでしまうと、「めまい」が起こってしまいます。
三半規管の中は、リンパ液で満たされていますので、実際にはコロコロ転がるというよりは、浮いているという感じです。
耳の石がはがれる原因は?
耳石がはがれる原因は、過去に発症した内耳の病気の影響や、内耳の変化、外傷、加齢などが考えられています。
めまいには色々な種類があって、耳の石とは関係ないものもあります。
耳の石が起こすめまいの特徴
耳の石が原因で起こるめまいには、次のような特徴があると言われています。
- 急に発症する
- 回転性のめまい
- やっていることを中断しなければならない
- 数秒~1分ほどでおさまる
- 再発する
- 寝返りをうつと症状がひどくなる
- 腰を曲げたり伸ばしたり、首を後ろにたおしたりしたときにも起こることがある。
- 眼振(がんしん:眼球のゆれ)が起こる
耳の石が起こすめまいのことを、良性発作性頭位(りょうせいほっさせいとうい)めまい症と言います。
良性発作性頭位めまい症と他のめまいの違い
良性発作性頭位性めまいは、 末梢性(まっしょうせい)のめまいといって、脳が関係する中枢系のめまいとは異なり、頭痛や手足のしびれ、口のもつれなどはないのが普通です。
良性発作性頭位性めまい症は、吐き気・嘔吐・冷感・動悸などの自律神経症状が見られることがあります。
メニエール病との違い
耳の中の障害が原因でめまいを発症するものに、メニエール病があります。
メニエール病の特徴は、
- 耳が遠くなる
- キーンという耳鳴りがする
- 耳が詰まった感じがする
などです。
良性発作性頭位性めまい症では、耳鳴りや難聴が一緒におこることはない、と言われています。
メニエール病って何?
メニエール病は、 体の回転や平衡バランスを感知している三半規管に、リンパ液がたまってしまうことで、めまいなどを発症するものです。
メニエール病については、こちらで詳しく解説していますので、参考にしていただければと思います。
耳の石のはがれ、治し方は?
良性発作性頭位めまい症は、自然治癒しやすい疾患だと言われていますが、長期にわたり持続する場合は、浮遊している耳石を三半規官内から耳石器に移動させる、 「浮遊耳石置換法」(エブリー法)というものを行って、めまいを消失させるようです。
まとめ
いかがでしたか。
私たちの体の傾きバランスを、小さな石の装置で行っているなんて、おどろきですよね。
小さな石だけど、はがれたかけらでめまいが起こるなんて、さらにおどろきです。
耳の石が引き起こすめまいは重症なものではないと言われていますが、めまいを起こす、ということ自体、とても心配ですよね。
また、めまいを起こす原因には、ほかにも色々あって、別の病気が隠れているかもしれませんので、早めに医師の診察を受けられることをおすすめします。
耳が痛い場合に考えられる病気とは?
めまいと吐き気を起こす、ほかの耳の病気
耳のツボを図解でご紹介しています。
耳の中って神秘的ですよね^^)