花粉症は突然発症しますし、アレルギーを引き起こす花粉も、春に飛ぶスギやヒノキだけではありません。
花粉症の症状も人によってまちまちで、なんとなくだらだら続く嫌な症状が、じつは花粉症によるものだった、ということも珍しいことではありません。
花粉症の症状は、私たちの生活の質を落としますので、しっかりケアしたいですね。今回は、花粉症の症状や、花粉の種類などについて解説していきます。
花粉症は、意外な症状として現れることがあります。また、子供の症状は、大人とは違ったりしますので、見逃しやすく、注意が必要です。
この記事の目次
花粉症の症状にはどんなものがあるの?
花粉症の症状はおもに次の部位に、現れます。
- 口・皮膚
- 鼻
- 喉
- 目
- 全身(子供は微熱をだすこともあります)
それぞれについて見ていきましょう。
口・皮膚に出る症状
花粉症の症状が 口に出ることがあります。 りんごやさくらんぼ、桃、柿、キウイなどを食べたあとに、口の中がかゆくなったり、腫れたりするのです。
これらの果物に含まれるタンパク質の構造が、花粉症を起こす元となるもの(アレルゲン)と似ているからなのです。そのような症状を起こすのは、 ヒノキやシラカバといった、カバノキ科の植物に反応する花粉症の人に起こりやすいと言えます。
小さな子供の場合は、皮膚の免疫力がまだ弱いので、 皮膚炎をおこすことがあります。鼻の下が荒れて赤くなったり、全身にかゆみがでることもあります。かゆみが出やすい場所は、目のまわりや頬、あごから首のかけてのあたりです。
花粉による皮膚炎は「 花粉症皮膚炎」と呼ばれています。
鼻に出る症状
鼻に出る症状には、 くしゃみ、鼻水、鼻の粘膜の腫れ(鼻づまり)などがあります。鼻は、体内への入り口ですので、異物を中に入れないための免疫の仕組みがあるために症状が出やすいと言えます。
免疫の仕組みはまず、大きいものを鼻毛でガードします。花粉などの小さいものは、鼻の粘膜が刺激を感じ取り、くしゃみで吹き飛ばそうとします。次に鼻水で流そうとして、最後に鼻の粘膜を腫らして、入り口を封鎖する、つまり、鼻づまりを起こして外敵に対処しています。
鼻の粘膜の下には、たくさんの毛細血管があり、血管の収縮をコントロールする神経も発達しています。
花粉症と間違いやすいものに、
- 血管運動性鼻炎(けっかんうんどうせいびえん)
- 乾燥性鼻炎
- 冷気吸入性鼻炎
- 味覚性鼻炎
- 寒冷性鼻炎
- 薬物性鼻炎
- 好酸球増多性鼻炎(こうさんきゅうぞうたせいびえん)
- 刺激物によるもの
などがあります。
●血管運動性鼻炎とは、自律神経の異常で鼻粘膜が過剰に反応すると考えられている鼻炎です。
●乾燥は、唇や肌と同じで、鼻の粘膜も傷つけやすくしてしまいます。 乾燥性鼻炎は、ほかの原因で起こる鼻炎症状も悪化させてしまいやすいです。
●急に冷たい空気を吸い込んだことで起きるのが、 冷気吸入性鼻炎です。
●辛いものや熱いものが刺激となって、起きるのが 味覚性鼻炎です。
●寒さのために、鼻の粘膜の血行が悪くなり、鼻水や鼻づまりが起きるのが、 寒冷性鼻炎です。
●好酸球増多性鼻炎とは、何らかの原因で白血球の一種である好酸球が増えることで、鼻の粘膜を過敏にしている、と考えられているものです。
●鼻の点鼻薬を長期にわたり使用することで、 薬物性鼻炎を引き起こすことがあります。
●鼻の粘膜を 刺激するものには、ガソリン・ヘアスプレー・セメダイン・接着剤・松ヤニの煙・メッキ・そのた、工場などで使われる刺激性化学薬品などがあります。
喉(のど)に出る症状
花粉の大きさはたいてい 30㎛(マイクロメートル:0.03mm)以上ありますので、ほとんどが鼻か目の粘膜でとらえられ、そのまま喉の奥(気管支)に入っていき、のどに症状が出る、ということはあまりありません。
ですが、まれに気管支喘息を患っている人が、砕けた花粉を吸い込んで、咳が悪化するということがあります。
また、 花粉の飛び散りがとても多い年には、喉の粘膜にアレルギー反応がでて、強いのどの痛みやかゆみ、咳を引き起こすこともあります。
気管支(のど)にも症状が出る、というものは、 ハウスダストやダニなどが原因のアレルギーである場合が多いです。ハウスダストやダニは鼻を通り抜ける 10㎛以下の小さなものがあるからなのです。
ハウスダストやダニがアレルギーの原因になっている場合でも、気管支には症状が出ない、ということもあります。
目に出る症状
花粉が、目をおおっている透明の膜である 結膜(けつまく)から入ってくると、鼻と同じような反応が起きます。目のまわりの血管が拡張されたり、神経が刺激されたりすることで、 目のかゆみ、涙、充血などが起こります。
また、目の神経がむくむことで、一時的に 視力が低下したり、 頭痛、吐き気、嘔吐といった症状を引き起こすこともあります。
全身に出る症状
子供の場合は、微熱がでて、ぼーっとしたりすることがあります。
花粉を回避する方法は?
花粉症を引き起こす、花粉になるべく接触しないための方法は、次の9つです。
- 花粉情報に注意する。
- 花粉が飛び回る時期の外出は控え、外出時はマスクやメガネ、帽子、上着を使う
- 表面が、けば立った毛織物などのコートの使用を控える
- 髪型は、まとめるか短くする。
- 家に帰ったら、服や髪の毛をよく払ってから、家に入る。
- 上着は、玄関にかけておく
- 帰ったら、顔を洗い、うがいをし、鼻をかみ、入浴する。
- 花粉が飛び回る時期は窓や戸を閉めておく
- 換気をするときは、窓を少しだけ開けて、短時間にする
- 花粉が飛び回る時期は、洗濯物や布団を外に干すのはやめる
- 掃除をまめに行い、窓際や玄関、床などは特に念入りに行う。
- 空気清浄器を使う
先ほども述べましたが、花粉は、ハウスダストやウイルスに比べて大きいですので、フィルタに引っかかりやすく、 空気清浄器の利用は有効だと言われています。
室内で、花粉がもっとも多く存在しているのが、 床だと言われています。朝起きたらすぐに、床や家具をぬれた布なので拭くと効果があります。
花粉が飛び散る前に、点鼻薬などを使うことも有効だと言われています。
また、キク科の植物である 「オナモニ」が花粉症にいいと言われています。オナモニは「引っ付き虫」と言われたりもします。漢方では慢性副鼻腔炎の薬にするもので、蒼耳子(そうじし)という生薬名で売られています。
花粉にはどんなものがあるの?
花粉症を引き起こすものは、スギ(2月~4月)やヒノキ(3月~5月)が有名ですが、そのほかには次のようなものがあります。
- ハンノキ(1月~4月)
- オオアワガエリ、ナガハグサ、ホソムギ(3月~10月)
- シラカバ(4月~5月)
- カモガヤ(5月~6月)
- ブタクサ(8月~10月)
- ヨモギ、セイタカアワダチソウ(8月~10月)
- カナムグラ(8月~10月)
花粉が飛び散る時期や種類についてはこちらで詳しく解説しています。
まとめ
花粉症の特徴や症状について見てきましたが、いかがですか。花粉症が元で、果物にも反応するようになるなんて意外だったかもしれません。また、花粉症を発症すると、 ハウスダストなどにも敏感になるケースが多いのです。
空気が乾燥していたり、常に汚染された空気を吸っていると、粘膜を傷つけ、アレルギー反応が引き起こされやすくなりますので、注意したいですね。また、 ビタミンB6が不足すると、アレルギー症状が出やすいと言われています。
免疫機能を正常に保ったり、アレルギー症状を緩和するものには、 ビタミンCや、 しそ・海藻に多く含まれている α‐リノレン酸があります。
これらを毎日の生活で上手に摂ることと、 免疫システムが乱れないように、余計なものが入った食べ物はなるべく摂らないようにすることが大切です。
花粉の飛び散る時期は、スギが生息していない、沖縄に行きたくなりませんか^^)