ノロウイルスに感染する恐れがあるのは、口からウイルスが入り込んでしまった場合です。
ノロウイルスを取り込んでいる食べ物を食べたときや、ノロウイルスのついた手を知らず知らずのうちに口元にもっていったときなどに、口から入ってしまうことがあります。
今回は、ノロウイルスの感染について解説していきます。
感染した時の対処の仕方や、注意すること、流行時期なども参考にしていただければと思います。
この記事の目次
ノロウイルスの感染経路
ノロウイルスに感染するのは、ノロウイルスが口から入ってくる経口感染(けいこうかんせん)の場合で、感染経路には、大きく分けて次の2つがあります。
- 人から人へと感染する
- 食べ物を介して感染する
それぞれの感染の仕方や注意点について、詳しく解説していきます。
人から人へ感染する場合
ノロウイルスが人に感染するのは、基本的に感染者の吐物や排泄物に含まれているウイルスが、何らかの形でほかの人の口に入ってしまう場合で、次のような経路をたどることが多いと言われています。
- ノロウイルスに感染している人が、手を十分に洗わず調理をした場合に、食品や食器にウイルスがつく場合
- ノロウイルスに感染した人の吐物や排泄物を処理した人の手にウイルスが付き、手洗いが不十分で、手に残ってしまった場合。
- ノロウイルスに感染した人とキスをする、または、せきなどをしたときのしぶきが口から入る場合(飛沫感染)
- ノロウイルスがついた手で、ドアノブやタオルなどを触り、次にドアノブやタオルを触った人に付く場合
- 吐物が床やカーペットなどについて、その処理が不十分だったために、乾燥したあとウイルスが舞い上がり、それを空気とともに吸い込んだ場合。(空気感染)
などです。
食べ物を介して感染する場合
ノロウイルスに感染している人の排泄物1グラムには約100万個以上、吐物1グラムには約1000~1000万個という膨大な数のノロウイルスが含まれていると言われています。
それが河川に入り、水中をただようあいだにプランクトンに取り込まれ、海へと流れつき、やがて貝類などの中へと吸い込まれていきます。
感染経路は牡蠣だけじゃない!?
「牡蠣(かき)」を生で食べた場合に、ノロウイルスに感染することがある、ということはよく知られていますが、じつはアサリやハマグリ、しじみなどの貝類の中にもノロウイルスは吸い込まれています。
ただ、アサリやハマグリ、しじみなどは生で食べることがほとんどないため、発症するにはいたっていない、というのが現状です。
新鮮な食品でも注意が必要です。
ノロウイルスに感染するかしないかは、その食品が新鮮か、新鮮でないかには関係ないと言われています。
ノロウイルスは貝の中で増殖するのではなく、人の小腸の一部、空腸の表面の細胞で増殖し、発症することがわかっており、ノロウイルスに感染するのは、数十個から数百個のノロウイルスが体内に入った場合だと、考えられています。
ノロウイルスの感染は、血液型の違いによる!?
ノロウイルスに関する研究が進むにつれ、ノロウイルスには多くの型があることがわかってきました。
それぞれの型には、独自の性質があり、私たちの血液型とも関係があるようで、ある型のノロウイルスは、A型の人には感染しやすいが、B型の人にはまったく感染しない、などということがあると言われています。
その理由は、血液型の違いによって、空腸の細胞表面が異なるためで、同じものを食べても、感染する人としない人がいるのは、こんなことが理由のひとつになっているかもしれないと考えられています。
ノロウイルスに感染しやすい時期は?
ノロウイルスによる急性胃腸炎が、赤ちゃんや高齢者の間で流行するのが、毎年11月頃から2月頃にかけてです。
この時期の赤ちゃんや高齢者の下痢便や吐物には、ノロウイルスが大量に含まれているおそれがありますので、おむつ等の処理には、十分注意する必要があります。
ノロウイルスの潜伏期間は?
ノロウイルスに感染して発症するまでの潜伏期間は、1日~2日だと言われています。
感染し発症するとどうなるの?
ノロウイルスに感染し発症すると、下痢や嘔吐の症状がでます。
詳しくは「ノロウイルス感染による症状」で解説していますが、ノロウイルスに感染しても発症しない人や軽い風邪のような症状が出る人もいます。
感染したかもしれないと思ったときは?
ノロウイルスに感染したかもしれないと思った方は、近くの保健所や医療機関で相談、受診されることをおすすめします。
施設等で発生した場合は、それぞれに定められた手順に沿って、必要な場合は保健所や市町村へ報告することが望ましいようです。
まとめ
ノロウイルスの感染経路には、人から人への感染と、食品を介しての感染があります。
いずれにしても、経口感染がノロウイルスの感染の仕方で、小腸にはいり、その数を増やすことが特徴です。
口に入るまでの具体的な経路には、ドアノブやタオルなど共同で使うものを介する場合や、調理する人の手から食品を介する場合などがあります。
感染者の吐物や排泄物の処理の際に、感染してしまうことも多いと言われています。
2次感染を予防するためには、感染経路を知っておくことが大切で、適切な処置をする必要がありますね。
手洗いは大切ですね ^^)