ドライアイに用いられる目薬は、ドライアイのタイプにより使い分けが必要で、間違った使い方をすると、ドライアイを悪化させてしまうことがあります。
目薬には様々な種類があり、目的によって成分や使い方が異なるのです。
今回は、ドライアイに使用する目薬について解説していきます。
この記事の目次
ドライアイの目薬、目的と種類
ドライアイに使用する目薬には、大きく分けて次の2種類があります。
- 水分補給の目的で使用する目薬
- 涙の蒸発を防ぐ目的で使用する目薬
それぞれについて詳しく解説していきます。
水分補給の目的で使用する目薬
水分補給を目的として使用する目薬には、次の3つがあります。
- 水分と電解質を補給する、人工涙液(じんこうるいえき)
- 保水性に優れた、ヒアルロン酸点眼液
- 重度のドライアイに使用する、血清点眼液(けっせいてんがんえき)
人工涙液(じんこうるいえき)ってなに?
人工涙液は、水分の補給、乾燥の防止、目の洗浄を目的とした目薬です。
人工涙液には、電解質と水分が含まれており、水分を補給するとともに、目の表面についた異物や目やになどを洗い流します。
ドライアイの程度により、使い分けが必要
人工涙液には、防腐剤が含まれているものと、含まれていないものがあり、軽症のドライアイでは防腐剤が含まれているものを使うのが一般的です。
ドライアイが進行して、目の表面をおおっている涙の量が少ない場合には、防腐剤で目の表面に傷ができてしまうことがありますので、 防腐剤の含まれていない目薬を使う必要があります。
防腐剤には何があるの?
防腐剤には次のような名称のものがあります。
- クロルヘキシジングルコン酸塩
- ソルビン酸
- ベンザルコニウム塩化物
など。
ヒアルロン酸点眼液
ドライアイに水分補給を目的として使用する2つ目の目薬は、ヒアルロン酸点眼液で、今のところ医師の処方が必要な医療用医薬品がおもになります。
ヒアルロン酸点眼液は、ヒアルロン酸ナトリウムが主成分で保水性に優れているため、人工涙液と一緒に使うことが望ましいと言われています。
ヒアルロン酸点眼液にも、防腐剤の含まれているものと、含まれていないものがあります。
血清点眼液(けっせいてんがんえき)
ドライアイに水分補給を目的として使用する3つ目の目薬は、血清点眼液です。
血清点眼液は、患者本人の血清を使用するもので、重度のドライアイ患者に用いられます。
血清には、涙に含まれていて、目の表面の角膜をなめらかに保つ働きのある上皮成長因子(じょうひせいちょういんし)や、トランスフォーミング増殖因子(ぞうしょくいんし)、サイトカイン、フィブロネクチン、ビタミンAなどが含まれています。
涙の蒸発を防ぐ目的で使用する目薬
涙の蒸発を防ぐ目的で使用される目薬には、
- 油性点眼液
- 眼軟膏(がんなんこう)
などがあります。
ドライアイの中には、涙に油分をプラスするマイボーム腺がうまく働かず、涙が通常より多く蒸発してしまう、というタイプのものがあります。
このようなタイプのドライアイでは、水分補給だけでは不十分で、油分を補う必要がありますので、油性点眼液や眼軟膏(がんなんこう)が用いられることがあります。
使用には注意が必要です。
市販されている油性点眼液や眼軟膏は濃度が高く、つけると視界がぼやけてしまいますので、通常は寝る前につけるなど、使用が限られています。
油性点眼液や眼軟膏を、防腐剤の含まれていない人工涙液などと混ぜて使われることもあります。
ドライアイ用の目薬は、医師に処方してもらいましょう
お伝えしてきたように、ドライアイにはいろんなタイプや状態があります。軽い場合も重度の場合も、コンタクトを使用している場合もありますよね。
また、ドライアイのようで、別の眼の疾患ということも当然あるわけなので、目薬を安易に選んで使うことはさけたいところです。
きちんと病院などで医師の診察を受け、適切な目薬を使うようにしましょう。
まとめ
ドライアイの目薬について見てきましたがいかがでしたか。
忙しいとついつい市販の目薬を買って、とりあえずつけておきたい、ということがあるかもしれませんね。でも、お伝えしたように、目の症状にあったものを使用しないと、思わぬ方向に悪化させてしまう恐れがあります。
また、コンタクトを変更した方がいい場合もでてくるかもしれません。
目の状態をきちんと診断してもらって、適切な治療を受けるようにしてくださいね。
ドライアイは、空気の乾燥に注意が必要ですね ^^)