子供には、自信を持って人生を歩んでほしい、と思うのは親の願いですよね。
子供は親に褒められることで、自信をつけることができますが、なんでも褒めればいい、というのでもないんです。
また、自信がない子供に自信をつけさせるのは、難しいと感じているかもしれませんが、そうでもないですよ。
今回は、子供が自信をつけるために、親ができること、やってはいけないことなどをご紹介します。
この記事の目次
子供が自信をつける時とは?
がんばったことを褒められたときに、子供は自信をつける!?
何かに挑戦して、「がんばったこと」を褒められた子供は、自信を持ってさらに上を目指すようになります。
「がんばったこと」を褒められることであって、能力や頭の良さではない、ということがポイントです。
コロンビア大学での実験でわかったこと
コロンビア大学で行われた実験で、とても興味深いものがあります。
それは、「頭がいい」と褒められた子供の成績は下がっていく、というものです。
詳しくはこちら(天才の遺伝子スイッチをONにする子育て。親たちの6つの共通点とは?)でご紹介していますが、頑張ったことを褒められた子供は、次のことに挑戦するのですが、「頭がいい」と褒められた子供は、挑戦することも、成績が上がることもなく、むしろ成績は下がっていった、というのです。
子供が何かに挑戦した時、宿題をやり終えた時、いやいやながらでも、勉強をしたときなどは、「がんばったこと」を褒めてあげてください。
もし、何かに失敗したり、うまくいかなかったとしても、結果をあれこれ言わずに、「がんばったこと」を褒めてあげてくださいね。
子供が自信をつけるときは、頑張っている自分を認められたときなんですね。
子供が自信をつけるために、やる気・勇気を引き出す
子供が自信を失っている時や緊張している時、落ち込んでいる時は、どうしましょう。
どんな子供でも、人前で何かをする時や、新しい何かに挑戦するときは緊張します。
怖じ気(おじけ)づいて、やめてしまうかもしれません。
「失敗するかも」、なんて思うかも知れませんよね。
親の言葉は最強
そんな時は「こんなことに挑戦するなんて勇気があるよね。」なんて大いに励まして、自信をつけさせてあげてください。
「〇〇君ならきっとできる!」
「いつも、よく出来ているから、今日も大丈夫だね。」、
「この間のシュート、よく決まったよね。」なんて、言ってあげて下さい。
なるべく、いいイメージが持てる言葉をかけて、自己イメージを上げてあげてください。
お母さんやお父さんの言葉は、子供にとって何よりの勇気の種、自信になりますよ。
ありがとう
子供が自信をつけるときは、褒められた時だけではありません。
子供にとって、自信になるのは、親からの感謝の言葉を聞いたときです。
ちょっとしたことでもいいのです。
何かしてくれた時、手伝ってくれた時、そんなときは
「ありがとう。」
って言ってあげてください。
お父さんやお母さんから、ありがとうと言われる事は、子供にとって大きな喜びです。
自分を誇らしく思うでしょう。
充実感も感じ、自信をつけるでしょう。
いつも自信のない子供は、特にこんな時に自信をつけるものです。
しっかり目を見て、笑顔で「ありがとう」って言ってあげてくださいね。
たっぷりの、思いを込めて、心から。
自分のことを好きになる
ありがとうの効果は、強力ですよ。
自分のことを、しっかり好きになることができます。
自分を好きになる、ということは自信をつける、ということでもあります。
子どもの行為をしっかり認めて、見逃さずにいてあげてくださいね。
ありがとうを言う時がない?
子どもがただ元気でいてくれる時、親にとっては何より幸せなことですよね。
お母さんやお父さんの素直な気持ちを、「ありがとう」で表現してくださいね。
ピグマリオン効果
ピグマリオン効果とは、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールが実験により導き出した心理的行動の1つで、親や教師の期待によって学習者の成績が向上するというものです。
どういうことかと言うと、親や教師の勘違いでも、自信をつけて勉強のできる子になる、と言うことなんです。
サンフランシスコの実験
サンフランシスコの小学校で、ある教師に名簿を見せて、
「テストの結果、この名簿に名前が書かれている児童たちは、今後数ヶ月の間に成績が伸びる。」と教えました。
実際は何の根拠もないことだったのですが、そのように伝えられていた児童の成績が伸びました。
どんな風に子供を見ていますか
成績が伸びた原因は、教師が期待を込めた眼差しを子どもに向けていたことと、児童たちも期待されていることを意識したためだろう、ということなんです。
子供のことを、親や周囲の大人たちがどのように見ているのか、ということが子供の自信を左右する、ということですね。
「才能があって伸びる子」とか「この子は素晴らしい」と見るか
「勉強も運動もイマイチ。」なんて見るかで、子どもの自信・成長にかなりの違いが出てくる、ということです。
褒めてはいけない!?
子どもが夢中で自分の好きなことをやっている時、そんな時はただ純粋に、好きだからやっていますよね。
決して誰かに言われたから、しているのではありませんし、誰かのためにしているのでもありません。
こんな時は「褒めてはいけない。」とおっしゃっているのは脳に関する数多くの本を出版しておられる、東京大学大学院の池谷裕二(いけがやゆうじ)先生です。
池谷先生によりますと、
絵が好きな子は、始めはただ好きで描いているだけなのに、上手だと褒められると、褒められたくて自分は描いているんじゃないかと、自分で自分を疑いだすのです。そして多くの場合、絵に対する興味を急速に失ってしまいます。
引用:berd.benesse.jp/berd/center…
ということなんです。
認知的不協和
これは、認知的不協和という現象で、アメリカの心理学者であるレオン・フェスティンガーが提唱した、社会心理学用語です。
認知的不協和というのは、自分の中に生じた矛盾のことで、それが起こると強いストレスを感じることになります
だから、それを避けるための行動をとり、ストレスを少しでも軽減しようとします。
この場合ですと、絵を描くのをやめてしまう、という行動をとって、自分の中の矛盾を取り払おうとする、と考えられます。
子供を褒めたら急に次からやらなくなった、なんていう経験はありませんか。
よく観察してみると、そんなことって結構あるかもしれませんよ。
また、池谷先生がおっしゃるには、
「もともと勉強がよくできる子に対しても、同じように接するのがいい。」ということです。
すでに意欲があってやっているときは、放っておけばいい、ということです。
褒めてあげたくなりますけどね。
褒めたい時はさりげなく褒める、がコツだそうです。
まとめ
いかがでしたか。
子供が自信をつけるためには、
● 頑張ったことは褒める、
● 好きな事をやっている時は黙って見つめる、
● 感謝の気持ちを素直に表現する、
● 自信がなさそうな時は、自己イメージを上げてあげる、
などが、効果的ということです。
また、子どもは親の見方で変わる、ということもご紹介しました。
天才を育てた親の共通点
イチロー選手や松坂大輔選手など、トップアスリートを育てた親には共通点がありました。詳しくはこちらでご紹介しています。
「天才の遺伝子スイッチをONにする子育て。親たちの6つの共通点とは?」
子供が勉強をやる気になる方法
「勉強しなさい!」って言わなくても、子どもが勉強する親の行動はこちらでご紹介しています。
「子どもに「勉強しなさい!」と言うより効果があるやる気を出させる方法。」
自信のつけ方
子育てにも使える、こんな方法で自信をつけるのはいかがですか。
子育てって、楽しくて幸せなことですよね(^^)