肝臓に疲れが生じ、機能低下を起こしていても、私たちはそれを自覚することが少ないと言われています。
でも、もしちょってでも肝臓の疲れを感じていたり、血液検査の結果により肝臓の機能低下が疑われるようなら、早めに対処するに越したことはありませんね。
今回は、肝臓の疲れを取る方法や食事、肝臓が機能低下を起こす原因や症状などについて解説していきます。
この記事の目次
◯◯が食べたくなる時は肝臓疲れのサイン!?
肝臓が疲れているときに、自然に食べたくなる食事があることをご存知ですか。
実はカレーを食べたくなる時は、「肝臓が疲れているのかも」と言われているのです。
カレーに含まれる成分が肝臓疲れを癒す!?
カレーに含まれる香辛料の中に、「ターメリック」という成分があります。
ターメリックとは、インド原産のしょうが科の植物で、別名を「ウコン」と言います。
ターメリックに含まれる「クルクミン」という黄色い色素成分には、肝臓の疲れを取る効果があるとされているのです。
クルクミンの働きってなに?
クルクミンには、からだに入ってくる有毒なものを処理したり、胆汁の分泌を促進したりする作用がありますので、肝臓が行っている働きを助け、肝臓の機能を向上させる高い効果があると言われています。
クルクミンは、古くから中国やインドで黄疸(おうだん)に効く薬として、また日本でも肝臓や胃腸の薬として用いられています。
クルクミンを含むウコンが二日酔いの予防薬として用いられているのは、ご存知の方も多いですね。クルクミンには、アルコールを飲んだ時に発生する、有毒物質のアセトアルデヒドの分解を促進する効果があるのです。
クルクミンは、疲れている肝臓にとって、頼もしい助っ人というわけなのです。
肝臓が疲れると風邪をひきやすくなる!?
肝臓の機能が低下すると、有毒物質を処理する働きが鈍くなりますので、免疫力が落ち、風邪をひきやすくなりますので、風邪のひきはじめにも、カレーが食べたくなると言われています。
肝臓の疲れを回復させるクルクミンが含まれる食べ物
クルクミンは、あざやかな黄色をしているため、天然の着色料としても用いられています。栗やりんごのシロップ付け、
たくあんなどの漬物、練り製品などに使われていることがあります。
肝臓の疲れを回復させるためには
肝臓が疲れたら2~3倍のビタミンが必要!?
疲れた肝臓を元気にするためには、多くのビタミンが必要になるにもかかわらず、肝臓の機能低下により、ビタミンを活性化させたり、ビタミンを蓄えたりする能力が減少しています。
そのため、何らかの肝臓病をわずらっている人は通常の2~3倍のビタミンが必要と考えられています。
食後は横になることで肝臓を助ける
肝臓の負担を減らし働きやすい状態にするためには、肝臓に流れる血液量を増やすことも大切です。そのためには食後30分~1時間程度、横になるのがいいとされています。
立っているときの肝臓に流れる血流量は、横になっているときの血流量の70~80%だと言われています。
1日の睡眠時間は7~8時間必要!?
寝ている間に疲れた肝臓の回復が行われます。十分に回復されるためには1日に7~8時間の睡眠時間が必要とされています。
肝臓の疲れを改善するツボ
背中には肝臓の血流を促し、肝機能を向上させる効果のある「肝兪」(かんゆ)と呼ばれるツボがあります。
「肝兪」の位置
「肝兪」(かんゆ)は、図のように肩甲骨の下を結ぶラインから、親指の巾1.5本分下で、背骨から左右に親指の巾1.5本分外側にあります。
適度な運動も大切です
適度な運動は血流を改善し、肝臓を含め体の各機能を活性化させる効果があります。
特に多くの酸素をとりいれながら行うウォーキングなどの有酸素運動は効果的です。
ただし、肝臓の病気が発覚している場合や、血液検査で異常が見つかっている場合は、運動を控えた方がいいこともあります。
肝臓が疲れる要因ってあるの?
肝臓を疲れさせる食べ物
脂肪分が多く、消化に時間がかかる肉類や揚げ物などは、肝臓を長時間働かせることになり負担を強いてしまいます。
肉類なら脂身の少ない赤み、魚なら白身などを選ぶのがいいとされています。脂肪分の少ない肉の部位は、牛や豚の肩肉、ヒレ肉、もも肉などで、鶏では胸肉、ささみなどです。
タンパク質の摂取は、動物性と植物性をバランスよくとることが大切ですので、肉類などのほかに、納豆や豆腐などの大豆製品も摂るようにしましょう。
脂質も体には大切な栄養素ですので、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす働きのある不飽和脂肪酸を中心に摂るようにしましょう。
食品添加物で肝臓が疲れる!
食品添加物は肝臓を疲れさせるとされています。
食品添加物は体にとっては異物ですので、肝臓で解毒作用が行われますが、かなりの負担になっていると考えられています。
食品添加物の多い食品は、インスタント食品、レトルト食品などです。
カフェインやアルコールは肝臓を疲れさせる?
肝臓のためには、カフェインの多く含まれているコーヒーやコーラなどの飲み物も控えた方がいいと言われています。
アルコールもなるべく飲まない方がいいですが、難しいという方は、量を減らしましょう。1週間に2日はアルコールをまったく飲まない日を作ることが大切だとされています。
肝臓がアルコールを分解するときには、多くのビタミンとミネラルが消費されてしまいます。
入浴は肝臓を疲れさせる!?
熱いお湯に長く浸かる入浴法は、体の表面近くに血液が集まり、肝臓への血流量が減ってしまうため、肝臓に負担がかかるとされています。
運動直後や食前食後、飲酒後の入浴も避けた方がいいと言われています。
ストレスを減らしましょう
ストレスは、自律神経の交感神経を活発にし、肝臓への血流量を減らしてしまいます。
ストレスはためないようにして、自律神経のバランスを整えることが大切です。
自律神経の整え方はこちらで色々とご紹介しています。
肝臓が疲れて機能低下をおこす原因
肝臓に疲れが出て機能が低下する、または病気になってしまう原因には次のようなことがあると言われています。
- ウイルスの感染→ウイルス性肝炎、肝硬変などに
- 免疫機能の異常→自己免疫性肝炎などに
- 細菌の感染や寄生虫→肝膿瘍(かんのうよう)など
- 薬剤の服用→薬剤性肝障害、薬剤性肝炎、脂肪肝などに
- アルコールの摂取→肝障害、脂肪肝、肝硬変、アルコール性肝炎などに
- 太り過ぎ・肥満→脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎など
◯ウイルスは食べ物や血液などを介して肝臓で感染を起こします。肝炎の80%がウイルスによるものとされています。
◯肝臓に異常を引き起こす薬剤には、医療機関で処方される薬や市販薬、健康食品、漢方薬、ビタミン剤なども含まれ、体質に合わない場合などにみられると言われています。
肝臓の疲れをチェック!
肝臓が機能低下を起こしていたり、病気になっていたりする時は、次のような症状が出ると言われています。
- 全身の疲れ・倦怠感
- 食欲不振・吐き気
- 微熱・発熱
- 頭痛
- お酒を飲む量が減った、おいしく感じなくなった
- 皮膚がかゆい
- 便が白っぽい
- 尿が茶色
- 白目が黄色い、または皮膚が黄色い
- お腹が張っている
- 月経異常
肝臓に異常が起きていても、自覚症状のないことが多いと言われています。
肝臓の疲れを知るためには、1年に1度の血液検査が大切だと言われています。
肝臓が疲れている人は便秘に注意!?
便秘がちになると、腸内細菌の悪玉菌が増えて、アンモニアが発生しやすくなります。
アンモニアは、肝臓に運ばれ分解されますが、肝臓の機能が低下していると、アンモニアが脳に入り、肝性脳症(かんせいのうしょう)を引き起こすことがあると言われています。
肝臓が疲れている場合は特に、便秘にならないように注意が必要です。
自己判断で対処しないことが肝心です。
肝臓が疲れていると感じる場合は、まずは医療機関を受診されることをおすすめします。
食事療法や運動療法などは、肝臓の状態によりやり方が異なります。肝臓の状態が悪くなるといけませんので、自己判断で対処しないようにしましょう。
まとめ
肝臓の疲れについて見てきましたが、いかがでしたか。
カレーを食べたくなったのは、肝臓が疲れていたからかも、ということでしたね。
心当たりのある方は、いつも以上に睡眠時間をしっかりとったり、バランスのよい食事を心がけたり、アルコールなどを控えて、肝臓をいたわってくださいね。
血液検査の結果で、肝臓に関わる数値が異常値を示している場合は、はやめに医師の診察を受けるようにしてくださいね(^^)