鼻から喉(のど)に向かって流れ落ちる痰のようなかたまりが、気持ち悪い!ということがありますよね。
口から出してみたときに、血が混じっていることもありますし、朝起きたときに、咳と共にでてくることもあるでしょう。
今回は、鼻の痰の正体や原因について解説していきます。
改善方法も参考にしていただければ、と思います。
この記事の目次
鼻に痰!?これはなに?
鼻の奥を流れ落ちる気持ち悪い物の正体は、鼻の 粘液(ねんえき)とホコリなどが混ざった鼻水のかたまりです。
喉の方に流れ落ちる鼻水のことを 後鼻漏(こうびろう)といい、誰にでもあるもので、気付かないうちに落ちているうちは問題ありませんが、痰のようにかたまりとなって落ちてしまうことがあります。
鼻の痰ができる原因はなに?
鼻の中にできる鼻水が、痰のようなかたまりを作る原因には、次のようなことが考えられます。
- 鼻の粘膜に 炎症が起きている場合
- 鼻の粘膜(ねんまく)が 変性してしまった場合
- アレルギーによるものです。
それぞれについて解説していきます。
鼻の炎症によるもの
副鼻腔炎(ふくびくうえん)
鼻の奥に炎症が起きる病気のひとつに、 副鼻腔炎(ふくびくうえん)があります。副鼻腔炎が慢性化したものを、 蓄膿症(ちくのうしょう)といったりもします。
急性の副鼻腔炎は、鼻水が水様性をしていますが、慢性化してくると、ネバネバした粘液性の鼻水になります。
さらに、粘膜が細菌や風邪のウイルスに感染すると、黄色や黄緑色をした膿性(のうせい)の鼻水のかたまりになってしまうのです。
副鼻腔内は粘膜で覆われていて、外から入ってきた異物を粘液とからめて、鼻腔(通常私たちが鼻の穴というところで、喉につながっている部分)へ排出する働きがあります。
副鼻腔の働き
副鼻腔には、次のような働きがあります。
- 鼻から入ってきた空気を温めたり冷やしたり、加湿したりして、肺を守る(ラーメンを食べたときに鼻水がでるのはこのためです。)
- 外敵から体を守るための免疫システムがある
- 頭の衝撃を緩和させる
- 頭を軽くする
- 声を共鳴させる
などで、とても重要な器官と言えます。
上咽頭炎(じょういんとうえん)
鼻の炎症には副鼻腔炎以外にも、上咽頭炎(じょういんとうえん) などがあります。
上咽頭炎は喉の上にできる炎症で、やはり鼻水の塊ができることがあり、原因も副鼻腔炎と共通するところがあります。
鼻の粘膜の変性によるもの
鼻の粘膜が変性してしまう原因には、長引く鼻の炎症が考えられます。
鼻水がでたり、咳が出たりするのは、細菌や風邪のウイルスが体内に入ってくるのを防ぐ 免疫システムの働きのひとつですが、それが長引いたり、鼻の炎症が長引いたりすることで、鼻の粘膜の 性質が変わってしまうことがあります。
鼻の粘膜の中にある粘液を分泌する鼻腺(びせん)が増えてしまうのです。鼻水を大量に作ってしまうことが癖になる、というようなことが起きてしまうのです。
アレルギーによるもの
アレルギー反応のひとつとして、鼻に痰状のものができることがあります。
アレルギー反応も免疫システムのひとつで、異物と見なしたものを排除するためにおこります。異物と見なしたものが、生活の身近にあるホコリやダニなどである場合に、常にこの反応が起きてしまうことになります。
アレルギー反応による場合は、水様性の鼻水が続く、と言われています。
鼻の痰に血が混じっているのはなぜ?
鼻の中にできた痰状のものを、口から出すことができたとき、中に血が混ざっているのを見ることがあると思います。
この血がどこから来ているのかというと、鼻の粘膜にある、たくさんの 毛細血管です。鼻の粘膜は傷つきやすい上に、毛細血管がたくさん集まっていますので、血が出やすいところなのです。
片側の鼻から悪臭があり、血の混じった鼻水が続く時には、上顎(じょうがく)がんなどの悪性腫瘍(あくせいしゅよう)である場合もあります。
悪臭が発生する場合はほかに、 萎縮性鼻炎(いしゅくせいびえん)や 進行性鼻壊疽(しんこうせいびえそ)などがあります。
萎縮性鼻炎(いしゅくせいびえん)とは、鼻の粘膜や鼻の中にある骨が萎縮して、鼻の奥が広くなる病気です。
進行性鼻壊疽(しんこうせいびえそ)とは、細胞が死滅して腐敗することで、発熱をともない、悪化すると、病変が全身におよぶと言われています。
咳と共に痰を出すのは良いこと?
咳をするときに、痰状のものがでるのは、喉にたまった鼻水のかたまりを外に出す、自然な行為ですので、安易に咳止めなどを服用することはおすすめできません。
口から吐き出すのも、気持ち悪いことですよね。私たちにとって、この鼻の痰は非常にストレスになります。
ここからは、鼻の痰が出ないようにするための方法を見ていきましょう。
鼻の痰を改善する方法
鼻の痰予防には、部屋の乾燥を防ぐ
手や唇が乾燥すると、割れて血が出てくることがありますよね。鼻の中も同じなのです。
鼻の中も乾燥することによって、 粘膜が傷つきやす状態になります。 毛細血管も多く集まっていますから、ちょっとしたことで血が出てしまいます。
血が出るときに、免疫システムの働きにより、鼻水も大量に作られます。
温かい飲み物を飲んだときに、鼻水の症状が和らいだ、という経験がある方も多いでしょう。
湯気により、鼻の中の乾燥が改善されたと考えられます。
大切なことは、乾燥させないことなのです。部屋の乾燥を防ぎ、鼻の粘膜を傷つけないようにしましょう。
部屋の温めすぎは乾燥をまねくことがありますので、注意が必要です。
関連記事⇒「乾燥を防ぐための工夫は?」
鼻の痰予防に水分補給
乾燥や外敵から鼻の中を守っているのは、 粘膜です。粘膜は、水や食べ物の栄養素で作られます。
寒い冬は、 水分不足が起こりやすいと言えます。脱水症も、冬に起こりやすいと言われています。
水分不足に気をつけましょう。
ミネラルウォーターを常温か少し温めて飲むといいですね。
粘膜を強くする食べ物
ビタミンA
栄養素で大切なのは、 ビタミンAです。
ビタミンAは、皮脂の内部にある、真皮を活性化し、 皮脂細胞の働きを正常に保つ働きがあります。
またビタミンAは、 粘膜を作っている、材料でもあるのです。鼻の乾燥を防ぎ、外敵から鼻の中を守る粘膜を良好に保つために、ビタミンAはまめに摂るようにしましょう。
ビタミンAを多く含む食べ物には、にんじん、かぼちゃ、春菊、たまごなど色いろあります。こちらで詳しくご紹介したいます。
コラーゲン
コラーゲンも大切です。コラーゲンは皮膚を強くして、鼻の乾燥を防ぎます。
コラーゲンは、鳥のモモ肉やうなぎなどに多く含まれています。
そのほかのコラーゲンを多く含む食べ物は、こちらを参考にしていただければと思います。
関連記事⇒「乾燥する肌の原因と対処法」
まとめ
いかがでしたか。
鼻の奥を流れる鼻水のかたまりは、早く何とかしたいですよね。
ご紹介した、栄養のあるものをしっかり摂ることや、水分補給に合わせて、早めに受診されることもおすすめします。
長引くと、悪化してしまうことがあります。
乾燥は大きな原因になっています。しっかり対策してくださいね。
また、ご紹介した栄養素はそれ単体で働くわけではありません。栄養はバランスよく摂ることで、有効に働いてくれますよ。
鼻毛も大切ですよ(^^)