汗が臭い、と感じる原因には、様々なものがあり、わりと簡単に改善することもあれば、病気が隠れていることもあれば、思い過ごしということもあります。
汗が出る場所によって、汗の種類が異なったり、皮膚の感染が原因で臭いを発していることもあります。
今回は、汗の臭いについて解説していきます。
汗の臭いを抑える対策方法も、よかったら参考にしてくださいね。
この記事の目次
汗が臭いと感じる原因は?
「汗が臭い」と感じる原因には次のようなことがあります。
- 汗に含まれる成分が臭いを発する
- 肌にいる細菌が汗を分解したときに臭いを発する
- 汗に含まれる成分が、皮脂や肌の角化(ターンオーバー)でできた腐敗産物を分解したときに臭いを発する
- 臭いがないにも関わらず、臭いと思い込んでいる
- 内臓の病気などをわずらっていて、体内の成分を分解する能力が下がって臭いを発する
それぞれについて、詳しく解説していきます。
汗にはどんな成分が含まれているの?
塩化ナトリウム(塩分)
汗とともに塩化ナトリウム(塩分)が多くでてしまうと、臭いが強くなることがあります。
塩化ナトリウムが多く出てしまうのは、汗の出口である汗腺の、「水分と塩化ナトリウムを分ける」、という能力が低下しているためなのです。
食べ物や飲み物に含まれるもの
食べ物によっては、汗と共に強い臭いを発するものがあります。
最近では、食べ物の欧米化が進んだことが、汗の臭いを気にする人が増えた原因だとも言われています。汗が臭くなりやすい食べ物は、動物性のタンパク質や脂肪を多く含む食べ物です。
また、にんにくや薬剤、食べ物や飲み物に含まれるヒ素も臭いの原因になることがあると考えられています。
アンモニアや不飽和脂肪酸
汗の中にあって、臭いの原因になっている物質はほかにもあります。
アンモニアやメチルアミン、トリメチルアミン、酢酸(さくさん)や蟻酸(ぎさん)、プロピオン酸などの不飽和脂肪酸が臭いの原因だと考えられています。
肌にはどんな細菌がいるの?
皮膚表面にいる細菌、特にブドウ球菌が、汗から出る物質を分解することで臭いが発生する、と考えられています。
足などに多くの汗をかいて、そのままにしておくと細菌による感染症を引き起こし、強い臭いを発することもあります。
足に発生する感染症については、こちらで詳しく解説しています。
皮脂や肌の腐敗産物が臭うの?
脂腺(しせん)から出る皮脂や、肌の角化(ターンオーバー)に伴いできてしまう老廃物などが、たくさんの汗をかいたときに強い臭いを出す、と言われています。
本当は臭くないってほんと?
実際には臭わないのに、汗や体が臭いと思い込んでいる人が少なくないと言われています。
単に「気のせいです」、で片付けられないくらい、医学的疾患である場合もあります。対人関係や社会的・職業的なストレスが関係していることもあり、うつ的傾向がある場合や、不安傾向がある場合は、抗うつ薬や抗不安薬などが用いられることもあります。
どんな病気で汗が臭うの?
病気が原因で、体内の成分を分解する能力が下がってしまい、 汗が臭くなることもあります。
糖尿病で汗が臭い?
糖尿病になると、糖分の分解が進まなくなるため、甘酸っぱい臭いがすることがある、と言われています。
脂漏性皮膚炎で汗が臭い?
頭皮などに、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)ができると、汗が出たときに、あぶらの臭いがすることがあると言われています。
甲状腺機能亢進症で汗が臭い?
甲状腺機能亢進症(こうじょせんきのうこうしんしょう)という、甲状腺からホルモンを過剰に出す病気になると、汗の量が増えるだけでなく、独特の臭いがすることがある、と言われています。
疲労・腎機能低下で汗が臭い?
疲労や腎機能の低下では、汗にアンモニア臭がすることがあると言われています。
汗の臭い、対策はあるの?
ここからは、汗の臭い対策について解説していきます。
汗腺の機能を復活させる
汗腺の機能が低下すると、汗に塩化ナトリウムが混ざって臭いを発する、という話をしましたが、汗腺の機能は、運動や半身浴などで復活させることができる、ということが知られています。
汗腺の機能を上げるやり方については、こちらでもご紹介しています。
日本食がGOOD
汗の臭いが気になる方は、食べるものを変えてみるのも効果的です。昔からの日本食には、臭いを消す働きのあるものもあります。
海藻類や梅干し、大豆製品やこんにゃく、食物繊維を多く含む食品などが有効ですよ。
食物繊維を多く含む食品はこちらでご紹介しています。
⇒「食物繊維はいいですね」
かき始めの汗は臭い!
そろそろ汗の季節、という頃の汗は臭くなりがちです。使われていなかった汗腺に汚れや細菌などが、詰まっていることがあるからです。
そんなときは、一人でいるときにたくさんの汗をかいておく、というのも一つの方法です。汗をかく前と後に、水分をよくとっておくことを忘れないでくださいね。
まとめ
いかがでしたか。
汗の臭いは気になりますよね。改善するためには、活動していない汗腺を、復活させることが大切ですし、 食べ物に気を付けて、水分をしっかりとり、汗の成分を改善するのも、臭いを抑えるためのいい方法です。
汗の臭いが何か変だと感じたときは、体のどこかに不調があるのかもしれません。
疲れをためないようにして、十分な睡眠をとって、気になることがある時は、医師の診察を受けてくださいね。
汗の臭いは、健康のバロメーターとも言えますね ^^)