10代や20代といった若い世代の男性を悩ませる、抜け毛の原因が徐々にわかってきました。抜け毛を起こす物質が、活発に行われるはずの頭皮の細胞分裂を阻害している、というのです。
また、うつ病と同時に発症することや、体のある部分の疲れが原因になることもあると言われています。
今回は、抜け毛の原因について解説していきます。
対策(ヘアケア)も参考にしていただければと思います。
この記事の目次
抜け毛の原因はなに?
男性に最も多くみられる脱毛症が「男性型脱毛症」です。「AGA」(androgenetic alopecia)とも呼ばれるこのタイプの抜け毛の原因は、男性ホルモンがあるものに変化するためだと言われています。
毛髪タンパク質が作られない!?
男性ホルモンには、「テストステロン」という、モテホルモンなどと呼ばれ、活力や元気の元にもなっているホルモンがあります。
そのテストステロンが、「ジヒドロテストステロン」(DHT)というホルモンに変化すると、ブドウ糖の代謝がうまくできないために、毛髪タンパク質が作られず、抜け毛の原因になってしまうのです。
ジヒドロテストステロンはエネルギー不足を起こす!?
少し詳しく説明すると、体内にあるテストステロンに、5α‐リダクターゼ( ごあるふぁりだくたーぜ)Ⅱという酵素が結合することで、「ジヒドロテストステロン」(DHT[Dihydrotestosterone])に変化します。
「ジヒドロテストステロン」は人間がエネルギーを生み出すために必要な、アデニル酸シクラーゼという酵素の活性を低下させることが分かっています。
アデニル酸シクラーゼが低下すると、エネルギーを作り出すATP(アデノシン三リン酸)という物質が少なくなり、、毛髪タンパク質がエネルギー不足のため作られない、ということになるのです。
ヘアサイクルが3~6カ月!?
その結果、頭髪の細胞分裂が行われなくなり、すでにある髪はだんだん細くなり、やがて抜け落ちてしまいます。
通常なら、生えてから抜けるまで、5年前後かかるヘアサイクルが、最終的に3~6カ月くらいになり、うぶ毛のような短く細い髪の毛しか、作られなくなるのです。
頭皮もテカる!?
皮脂の分泌も多くなりますので、頭皮が光って目立つ原因にもなります。
5α‐リダクターゼⅡを多く持っている人が
テストステロンがジヒドロテストステロンに変化するきっかけとなる5α‐リダクターゼⅡという酵素を、体質的に多く持っている人や、活性の高い人が男性型脱毛症になりやすいと考えられています。
10代、20代の抜け毛の原因はほかにも
全体に抜ける円形脱毛症!?
10代や20代の若い世代では、円形脱毛症をうつ病と併発することも多く、髪の毛が抜けるのは、精神的な背景が強い、ということも言われています。
円形脱毛症といっても、一か所にできるものばかりではありません。全体に抜けるものや、眉毛が抜けるものもあります。
円形脱毛症については、こちらで詳しく解説していますので、参考にしていただければと思います。
抜け毛の原因に目の疲れ!?
目が疲れると、髪の主原料が減少して抜け毛につながることもあります。髪の毛と、目の角膜の主原料が同じであるために起こる現象です。
目の疲れによる抜け毛の原因については、こちらで詳しく解説しています。
男性型脱毛症(AGA)の特徴・症状
「男性型脱毛症」(AGA)の脱け毛には、次のような特徴や症状があると言われています。
- 家族に薄毛の人がいる
- 徐々に髪が薄くなってきた
- 髪の生え際が後退してきた
- 頭頂部が薄くなってきた
- 側頭部が薄くなってきた
- シャンプーやブラッシングの時に多く抜ける
- 朝起きたときに枕に抜け毛がある
- 思春期の後に抜け始めた
- うぶ毛のような細くて短い髪の毛が多くなり、ハリやコシがなくなった
- 頭皮が脂っぽくなってきた
- あごひげや胸毛、手足の毛が濃くなってきた
などです。
抜け毛を抑える対策(ヘアケア)
抜け毛の進行を抑える方法を解説していきます。
シャンプーで頭皮を清潔に
まずは、頭皮を清潔に保つことが大切です。
男性型脱毛症の場合、男性ホルモンの影響で皮脂腺が活発に働き、皮脂の分泌が増えてきます。皮脂の分泌が増えると、肌にいる常在菌が、過酸化脂質などの化学物質をたくさん発生させ、抜け毛の原因になる炎症を起こすこともあります。
フケを防ぐことも大切
また、増えた皮脂をそのままにしておくと、真菌(カビの一種)が頭皮を刺激して、表面にある角質のはがれを招きます。これがフケとなって、抜け毛を進行させる原因になります。
シャンプーはできるだけ毎日することが大切になってきます。
頭皮の血行を促進する
次に大切なのが、頭皮の血行を良くすることです。
血行を良くして、 毛乳頭から毛母細胞にしっかりと栄養が行き届くようにすることが大切なのです。
そのためには、偏食をやめて、バランスの良い食事を摂るなどを基本とし、育毛剤の使用や、マッサージ、毛先を丸めたブラシで刺激を与えるバッティングなどが有効です。
内服薬の服用も
医師の診察を受けて、薬を処方してもらうのもいいでしょう。
ただし、自由診療となり保険は適用されないこともありますので、確認してくださいね。
まとめ
抜け毛の原因や対策について見てきましたが、いかがでしたか。
多くの方が悩んでいる割に、命に関わらないということで、遅れがちになっていた日本での抜け毛に関する研究ですが、今では世界のトップレベルにまで進んでいると言われています。
治療法なども、日々研究・開発されています。
糖分・脂肪分・アルコール・コーヒーの摂取は、なるべく控えたほうがいいですよ ^^)