耳の垢(あか)や、耳の垢を掃除したことが原因で、耳が聞こえにくくなったり、耳に炎症が起きてしまったり、黒いものが出てくることがあります。
耳の中はとてもデリケートだし、湿っぽい場所なので、病気が発生しやすく、治りにくいところなのです。
今回は、耳の垢や、耳の垢が原因で起こる耳の病気などについて、解説していきます。
くさい臭いがしていると、要注意ですよ。
この記事の目次
耳の垢が原因で起こる病気って？
耳の垢(あか)や、耳の垢を取るための掃除などが原因で、起こってしまう症状には次のようなものがあります。
- 耳の垢が詰まる
- 耳に炎症が起きて痛い
- 耳に湿疹ができる
- 耳にカビが発生する
- 耳に異物が入ってしまう
- 鼓膜が破れる
それぞれについて詳しく解説していきます。
耳の垢が詰まる病気？
耳の垢には2つのタイプがあって、水あめ状の 湿ったタイプ(アメミミ)と、乾燥しているタイプ(コナミミ)です。
湿ったタイプの耳垢は耳がふさがりやすく、耳がふさがってしまう疾患を耳垢栓塞(じこうせんそく)と言います。コルク状に硬く固着して、難聴を引き起こしたり、鼓膜に接して、雑音を発することがあります。
乾燥タイプの耳垢でも、 耳の穴に水が入ったときに耳垢が膨張し、耳垢栓塞が引き起こされることもあります。
耳垢のタイプは、遺伝性と人種性で違いがあり、日本人は80％が乾燥タイプ、20％が湿ったタイプだと言われています。耳に炎症が起きる病気
耳垢の掃除などをしているときに、あやまって皮膚を傷ついてしまうと、そこに細菌などが感染し、炎症が起きてしまうことがあります。
耳の入り口から鼓膜までの部分に炎症が起きることを外耳炎(がいじえん)といい、痛みをともなうことが多いです。
耳を引っ張ると痛みが増したりします。
外耳炎が悪化すると、悪性外耳炎を引き起こすことがありますので、糖尿病などを患っている高齢者などは特に注意が必要です。耳に湿疹ができる
耳の垢を掃除したり、化粧品や薬剤の刺激が原因で、ニキビのような湿疹ができてしまうことがあります。
かゆみが主な症状で、湿気の多い時期には、次々と広がる伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)、またの名をとびひを引き起こすこともあります。
かゆみのほかには、ズキズキした痛みや、熱くヒリヒリするような痛み、耳の入り口が赤くなったり、小さな水ぶくれ、透明の耳だれ、かさぶたなどができることがあると言われています。
耳にカビが発生する！？
カビの一種である真菌が、耳の中を傷つけてしまうことで繁殖し、炎症を起こすことがあります。
これを外耳道真菌症(がいじどうしんきんしょう)といい、耳の疾患としては治りにくいもののひとつで、くさい臭いのする耳だれや黒いかたまりがでたりします。
外耳道真菌症に関しては、こちらで詳しく解説していますので、参考にしていただければと思います。
耳に異物が入ってしまう！？
耳の中に入る異物で多いのが、耳かき棒の先や昆虫です。子供では、球形のものをふざけて入れることもあります。
耳かき棒は耳の奥にある、中耳や内耳に障害を起こすことがありますので注意が必要です。
虫が入った場合には、激痛をともなうことがあると言われています。
鼓膜が破れる！？
竹ぐしを使って耳掃除をするのは、日本人特有の習慣ですが、竹ぐしが原因で鼓膜が破れたり、傷つくことが多いと言われています。
鼓膜が損傷すると、次のような症状が出ると言われています。
- 耳が痛い
- 耳が聞こえにくい
- 耳が詰まった感じがする
などです。
これに感染が合併すると、耳だれが出てくることもあります。
こんな場面では要注意
鼓膜が破れたり、傷つくことが多いのは次のような時だと言われています。
- 竹ぐしなどの耳かき棒や綿棒を使って耳掃除をしているとき、子供がぶつかってきた、
- 耳かき棒などを耳にいれたまま寝てしまい、寝返りをした
などです。
正しい耳垢掃除の方法は？
耳の垢は、耳の中の皮膚がはがれたものに、耳の中で出る分泌物と、チリ・ホコリが混ざったものでできています。
耳から出る分泌物には、2種類ありそれぞれに働きがあります。
皮脂腺(ひしせん)：耳の中を適度に潤し、傷つきにくくする
耳垢腺(ひこうせん)：耳に入ってきたゴミなどをからめて、奥への侵入を防ぐ。
耳には、耳垢をまとめて奥に入れないための仕組みがありますし、耳の中の皮膚は、入り口に向かって毎日少しずつ移動して、入り口まで来たときにはがれる仕組みになっています。
本来耳掃除は、耳の入り口にできた垢を、クルリと拭きとるだけでOKだと言われています。
もし、奥の方にある耳垢が気になる、という方は、 耳鼻咽喉科でとってもらうことができますよ。
まとめ
いかがでしたか。
耳の垢って、必要以上にとりたくなってしまう、という方も多いでしょう。でも、傷つけてしまうことが多いので、気をつけてくださいね。
耳は本来、音を聞いたり、からだのバランスをとる繊細な器官です。小さくて狭いところにたくさんの装置もありますので、炎症などをおこさないようにしたいですね。
耳のことで気になることがあるときは、早めに医師の診察を受けられることをおすすめします。
耳の中にある石が、めまいを引き起こすことがあります。
耳が痛い時に考えられること。
耳にはたくさんのツボもあります。
子供さんの耳垢を、むきになって取ったりしないでくださいね ^^)
