喉には、入ってくる外敵を食い止める働きがありますので、異物に対し敏感に反応し、炎症が起こりやすいところといえます。
喉の炎症を起こす原因や病気には色々なものがあって、喉の痛みのほかに、さまざまな症状をもたらします。
また、体内の異常が喉に痛みをもたらすこともあるのです。
今回は、「喉が痛い」という症状について、原因などを解説していきます。
この記事の目次
喉が痛い!原因はなに?
あなたの「喉が痛い」は、次のようなほかの症状をともないますか。
- 熱も出て、喉が痛い
- 鼻水が出て、喉が痛い
- 唾(つば)を飲み込むだけで喉が痛い
- 耳と喉の両方が痛い
- 喉が赤くなり、膿(うみ)ができて痛い
- 胸やけがしたり、夜に咳がでて、喉が痛い
- 首が腫れて喉が痛い
喉が痛くなる原因には、さまざまなものがあります。詳しくみていきましょう。
熱も出て、喉が痛い
喉が痛い、という場合に考えられる原因として最も多いのが、風邪をひいたときに起きる「急性咽頭炎(きゅうせいいんとうえん)」です。
夏風邪で多い症状と言えます。
急性咽頭炎(きゅうせいいんとうえん)の症状は?
急性咽頭炎では、喉が痛い、というほかに、熱が出たり、喉が乾燥したり、喉に異物がある感じがしたり、ものを飲み込むときに痛かったり、耳が痛いということもあります。
通常は、1~2週間で症状がおさまると言われています。
鼻水が出て、喉が痛い
喉の痛みが長引いているという慢性咽頭炎は、慢性的に喉に刺激が与えられているために起きる喉の炎症です。
慢性的な刺激には、喫煙、飲酒、汚染大気の吸入、後鼻漏(こうびろう)などがあります。
後鼻漏とは、鼻の奥に流れる鼻水のことで、詳しいことはこちらで解説しています。
「後鼻漏って何?」
唾(つば)を飲み込むだけで喉が痛い
唾を飲み込むだけで痛い、という場合に考えられるものの一つに、急性扁桃炎(きゅうせいへんとうえん)があります。「扁桃腺(へんとうせん)が腫れた!」、というあれです。
喉ぼとけのまわりにある扁桃に、細菌やウイルスといった病原菌が感染することで、炎症が起きてはれるために、喉が痛くなります。
扁桃(へんとう)は、喉のまわりをぐるりと囲むようにいくつもある、リンパ組織の集まったもので、外部から侵入してくる病原体を防ぐ働きをしています。
扁桃にはくぼみがたくさんあり、多くの病原体をとらえることができるようになっていますが、それゆえ炎症をおこしやすく、はれると大きくなるのです。
急性扁桃炎(きゅうせいへんとうえん)の症状は?
急性扁桃炎を発症すると、喉が痛い、というほかに、高熱をともなうことが多く、食欲不振、全身の疲れ、関節痛などを感じることもあります。
白いぶつぶつが扁桃部にたくさんできるのが特徴です。
性感染症のこともある!?
急性扁桃炎の原因になる病原菌は、風邪やインフルエンザを引き起こすウイルスが多いのですが、細菌であることもあります。
耳と喉の両方が痛い
喉が痛くて耳も痛い、という場合は、特殊な細菌が原因になっていることがあります。
先ほどの急性扁桃炎の原因が、細菌の「A群溶血性連鎖球菌」(Aぐんようけつせいれんさきゅうきん)という菌である場合は、特に「扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)」と言い、膿(うみ)がたまって、長引くと耳まで痛くなることがあります。
扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)の症状は?
扁桃周囲膿瘍は、 喉の痛みが強く、高熱や口臭、よだれをともなうことがあります。話す言葉が不明瞭になったり、口を開けるのも困難になることがあると言われています。
扁桃周囲膿瘍の特徴
扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)は、集団発生することが知られており、20代~30代に多く見られると言われています。
喉が赤くなり、膿(うみ)ができて痛い
急性扁桃炎を繰り返しているうちに、慢性の扁桃炎である「習慣性扁桃炎(しゅうかんせんへんとうえん)」別名アンギーナに移行してしまうことがあります。
アンギーナの症状は?
アンギーナは、関節が痛くなったり、熱が出たり、心臓から雑音が聞こえてくる心内膜炎(しんないまくえん)を引き起こすこともあると言われています。
また、喉が痛い、というほかに、喉が赤くなるったり、膿(うみ)のかたまりができたり、けがのあとのような皮膚の変性が起きたりすることがあります。
アンギーナの特徴
アンギーナは、腎臓に炎症が現れることがありますが、これは扁桃と腎臓の組織がよく似ているために、一種の免疫反応としておこっているのでは、と考えられています。
胸やけがしたり、夜に咳がでて喉が痛い
喉の痛みの原因が胃酸であることもあります。強い酸性である胃酸が喉の方に逆流することを「胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)」と言い、喉に炎症を起こすことがあります。
胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)の症状は?
胃食道逆流症は、喉が痛いというほかに、 胸やけや胃酸過多、夜間の咳などを起こすことがあります。
胃食道逆流症についてはこちらで詳しく解説しています。
首が腫れて喉が痛い
喉ぼとけのすぐ下にある甲状腺(こうじょうせん)は、代謝をつかさどる縦が4cmほどの臓器で、炎症を起こすと「甲状腺炎」を引き起こします。
甲状腺炎の症状は?
甲状腺炎の症状は、喉が痛いというほかに、首が腫れたりします。
甲状腺炎の原因は、ウイルスではないか、と考えられています。
甲状腺炎の特徴
甲状腺炎は女性に多く見られ、1~2カ月で自然に治っていくことが多いですが、甲状腺の機能低下が続くこともあると言われています。
まとめ
突然、喉が痛くなった、という場合の原因は、細菌やウイルスのほかに、胃酸などがあります。
慢性的に痛い、という場合には、たばこやお酒、大気、鼻水などが原因になっていることもあります。
喉は外敵の侵入を防ぐためにリンパ組織がたくさんありますので、色んな刺激に敏感で炎症を起こしやすいと言えます。
風邪の引き初めを、いち早く教えてくれている、ということもありますよね。風邪かなぁと思ったときは、症状を悪化させないために、栄養のあるものや殺菌作用のあるしょうがなどが入った食べ物、飲み物をとって、できるだけ安静にする、睡眠をしっかりとる、ということが大切になってきますね。
医師の診察を早めに受けられることもおすすめします ^^)