アレルギーの症状には、アレルギーを起こす原因になるものや、年齢の違いなどによって、さまざまなものがあります。中にはとても危険なものもあり、早急な対応が必要なこともあります。
今回は、アレルギーによって引き起こされる症状を中心に解説していきます。
最後に、アレルギーの症状を緩和するための方法も載せていますので、よかったら参考にしてくださいね。
この記事の目次
アレルギーの症状にはどんなものがあるの?
アレルギーの種類には、次のようなものがあり、でる症状にも違いがあります。
- 食物アレルギー
- 薬剤アレルギー
- 職業アレルギー
- 気管支ぜんそく
- アトピー性皮膚炎
- 花粉症
それぞれについて症状などを見ていきましょう。
食物アレルギー
食物アレルギーの症状には、部位別に次のようなものがあります。
●全身:発熱・ショック症状
●鼻:鼻水・くしゃみ・鼻づまり・鼻血・鼻こすり
●耳:耳だれ
●口:唇のはれ、口のまわりが赤くなる・口の中のかゆみ・違和感・地図舌(地図のように見える変色など)
●目:まぶたのはれ、かゆみ・粘膜のはれ・涙
●呼吸器:せき・喘鳴(ゼーゼー)・呼吸困難・嗄声(させい:かすれ声)
●消化器:吐き気・嘔吐・腹痛・下痢・血便・肛門周囲の赤み
●皮膚:かゆみ・湿疹・じんましん
●腎・泌尿科:むくみ・タンパク尿・血尿・頻尿(トイレが近い)
●神経系:頭痛・めまい・性格変化・精神神経症
これらの症状は、食べ物を食べてから15分以内にでるものと、時間がたってから出るものとがあります。
重症になると、急速に末梢血管が拡張するためにおこる循環不全(血液が全身にいきわたらない)、血圧の急激な低下、気管の筋肉が収縮するために起こる呼吸困難、意識障害などが起こることもあります。これら重症の場合を 「アナフィラキシーショック」と言います。
また、小麦粉やそばを扱う 職業の人に、大気中に浮遊しているアレルゲンにより、ぜんそくや鼻症状といったアレルギー症状がみられることもあります。
アレルギーを起こす食べ物には、卵、小麦、米、大豆、ナッツ類、魚、えび・かになどの甲殻類(こうかくるい)、肉類、果物、野菜、たね、牛乳、そばなど、さまざまなものがあります。
食物アレルギーを引き起こす原因のうち、全体のおよそ40%が卵で、20%が乳製品、12%が小麦となっていて、全体の70%を占めています。
肌に接触してアレルギー症状を起こすものは、山芋、たけのこ、ぎんなん、パイナップル、しょうが、うになどがあります。
食物アレルギーによく似た疾患に、 非アレルギー性の食物過敏症や 食中毒があります。
食中毒では、古い食べ物を食べたときなどにでるじんましんがあり、細菌の出す毒素が原因になります。また、食中毒から、アレルギーに特有の症状である食物過敏症に移行する場合もあり、 食物アレルギーなのか、そうでないのかの判断はとてもむつかしいと言われています。心因性の場合も少なくありません。
食物過敏症には、牛乳を飲んで下痢を起こす乳糖不耐症などがあります。
★一般的にアレルギーを起こすと言われているものを、アレルギーが起きていないうちから避けることは、好ましいことではない、ということが「日本小児アレルギー学会」や厚生労働省で言われるようになりました。
薬剤アレルギー
適正な医薬品を、適正な量、服用したにも関わらず異常な反応がでてしまうものを 薬剤アレルギーといいます。
お薬を処方してもらう時や、初診のときなどに、よく尋ねられますよね。
「薬でアレルギーを起こしたことはありませんか」と。
薬剤によるアレルギー症状には、特有のものがありません。ほかのアレルギーにより発症するもの全般的に現れる、というのが特徴です。
アレルギー症状は、例外を除いて、原因となった薬剤の投与を中止すれば、比較的短時間に症状がおさまる傾向にあります。
職業アレルギー
職業アレルギーの症状には、急性のもので発熱、吐き気、嘔吐、筋肉痛、咳、たん、息切れ、呼吸困難、胸痛などがあります。
多種多様な物質がアレルゲン(原因物質)になるのが、職業アレルギーです。植物性・動物性の食材、薬剤、金属、天然ゴムの樹液(ラテックス)などなどあらゆるものがアレルゲンになりえます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の特徴は、皮膚のかゆみが強いこと、特定の部位に湿疹がでること、慢性的であることです。
特定部位については、
●乳幼児では頭、顔
●幼児では、ひじやひざの裏
●思春期以降では、顔、首のまわり、上半身
などで、左右対称に現れることが多いです。
慢性となる期間についての目安は、乳幼児では、2カ月以上、幼児以降では6カ月以上となります。
アトピー性皮膚炎の原因は、皮膚のバリア機能が弱いところにダニが侵入したり、かゆみの元となる、毒素を出す黄色ブドウ球菌の数が増えていることなどがあります。
バリア機能が弱い原因のひとつには、細胞と細胞のすきまにある セラミドという脂質が少ない、ということがあります。セラミドが少ないと、内部からは水分が蒸発して肌を乾燥させます。外からは外敵が体内に侵入しやすくなる、というわけなのです。
私たちの体の一番外側である肌の健康は、体を守るためにとっても大切です。 バリア機能が弱いと、食べ物のカスや花粉なども肌から侵入し、アレルギー症状を引き起こす原因となってしまいます。皮膚の乾燥を防ぎ、 保湿を心がけることが大切です。
セラミドを増やす食べ物をこちらでご紹介しています。
気管支ぜんそく
ぜんそくによる症状は、 ひどい咳、痰(たん)、喘鳴(ぜんめい:ゼーゼーヒューヒューという) などで、咳は夜間や明け方に出やすいと言われています。
現在日本では、500万人が気管支ぜんそくと診断されています。大人になってから気管支喘息を発症する場合、アレルギーの原因を特定できない、というケースが増えていると言います。
アレルギーの原因になるものは、 チリダニが多く、ほかにはハウスダストやペットの毛、ふんなどがあります。
ぜんそくを発症する多くの場合で、 気道の粘膜が損傷している、ということがあります。気道の粘膜が損傷していると、ダニが侵入しやすい、ということなのです。風邪による咳で気道が炎症を起こしてしまっていたり、冷たい空気、激しい運動、大気汚染、過度のストレスによるホルモン分泌の乱れなどが、気道を損傷する要因になっています。
花粉症
花粉症もアレルギー疾患の一種ですよね。花粉症の症状についてはこちらで詳しく解説していますので、参考にしていただければと思います。
アレルギーの症状を緩和するために
アレルギーの原因が食べ物である場合には、症状を起こす食べ物を食べないようにすることはもちろんですが、 亜鉛と ビタミンAをまめにとることも大切です。
亜鉛とビタミンAは、アレルゲンを無毒にする働きのある IgAにとって欠かせない栄養素で、IgAが少なくなると、食物アレルギーを起こしやすくなる、と言われています。
関連記事⇒「亜鉛を含む食べ物」
関連記事⇒「ビタミンAを含む食べ物」
また、大腸が健康であることも重要で、 十分消化されていない食べ物の破片が血液に入ってしまうと、アレルギーを起こしやすくなります。
大腸を健康にするためには、 便秘体質を改善する、時々お腹を休める、といったことが有効です。
断食などはお腹の環境を改善する、とてもいい方法なんですよ。断食の効果や方法などについてはこちらで詳しく解説していますので、参考にしてくださいね。
断食がきびしいなぁ、という方には、1日を、または1食だけでも 寒天だけで過ごす、という方法をおすすめします。寒天は80%が 食物繊維ですし、お腹の中で善玉菌を増やす オリゴ糖を作り出すから、お腹にとってとてもいい食材です。
寒天以外の食物繊維は、こちらでご紹介しています。
また、 着色料は多くの人にとってアレルギーの原因になるものです。着色料が使われていない食べ物・飲み物を選ぶことも大切になってきます。
まとめ
アレルギーを引き起こすものはたくさんあって、さらにどんどん増えているという状況になっています。これらの背景には、 免疫システムの乱れが大いに関係していると言えます。
私たちの体にとって、良いものと悪いものの情報が、ごちゃごちゃになってしまっている、といった感じですよね。体に良くないと知りつつも食べたり飲んだり、つけたりしているものが、たくさんあるからなのかもしれませんね。
そういうところもしっかり改善していきたいですね。
強い体にすることが、本当に大切ですよね ^^)