便が細くなる原因には、いろんなことがあって、腸が狭くなっている場合や、出口が狭くなっている場合など、さまざまです。
便の状態は、お腹の中を知る、大切な手がかりでもあります。
今回は、便が細くなる原因について解説していきます。
便がどれくらいの細さなのかも、気になりますよね。
この記事の目次
便が細い原因はなに?
便が細いってどれくらい?
便が細い!? といっても、どれくらいのものを細いと思うかは、個人個人で違いますよね。ここでは、「鉛筆か細めのマジックのような細さ」、または、「リボンのように平らな便」について、原因として考えられることを見ていきます。
そこまで細くないけど前より明らかに細くなった、という場合も参考にしていただければと思います。
便が細くなる原因には、次のようなことが考えられています。
- 大腸の中が狭くなっている
- 肛門に異常がある
- 過敏性腸症候群である
それぞれについてさらに解説していきますね。
大腸の中が細くなる原因は?
腸の中が細くなる原因には、次のようなことがあります。
- 直腸狭窄型虚血性大腸炎(ちょくちょうきょうさくがたきょけつせいだいちょうえん)
- 大腸癌(だいちょうがん)
直腸狭窄型虚血性大腸炎ってなに?
直腸狭窄型虚血性大腸炎の虚血性大腸炎(きょけつせいだいちょうえん)とは、大腸のまわりの血流が悪くなって起こる炎症のことです。本来大腸は血流がいいはずなので、虚血性大腸炎はまれな病気で、中高年の女性に多いといわれています。
虚血性大腸炎の中で、腸が狭くなるという 狭窄型(きょうさくがた)は、虚血性大腸炎のうちの10%~20%ほどだと言われています。
直腸は、図にあるように腸の最後の部分で、肛門につながっています。
直腸狭窄型虚血性大腸炎になると、下腹部に痛みがあったり、下痢、血便が出ることもあるといわれています。時に、激しく痛む場合もあります。
大腸癌(だいちょうがん)
結腸(けっちょう)にできる結腸癌と、直腸(ちょくちょう)にできる直腸がんを合わせて大腸癌と言い、日本人の男女ともに増えている癌のひとつです。
食事の欧米化(動物性脂肪の摂取増加など)の影響が大きいと、考えられています。
大腸がんができやすい場所に、直腸、S状結腸があり、大腸がんの半分以上を占めています。
大腸がんの初期には、症状はあまりありませんが、進行とともに血便、 排便異常、細い便、腹痛、腹部膨満(おなかの中が充満している感覚)、 腹部腫瘤(ふくぶしゅりゅう)などの症状が出てくると言われています。
排便異常には、便が硬い、便の回数が少ないなどの便秘のほかに、残便感や便意を感じない、便量が少ない、などがあります。
腹部腫瘤とは、細胞の異常増殖が起こることで、お腹が腫れたり、不快感があったり、体重増加などといった症状が現れます。
肛門の異常って?
便が細くなる原因のひとつ、肛門の異常について見ていきましょう。
排便などが原因で、肛門がさけて傷ができてしまうことを肛門裂傷(れっしょう)といい、「きれじ」や「さけじ」と言われることもあります。
肛門裂傷が繰り返されると、傷口に腫瘍(しゅよう:組織のかたまり)ができるので、便が細くなることがあると言われています。
肛門裂傷はおもに、便秘が原因で発症しますが、排便時に痛みが出ますので、便を我慢することで、さらに便秘が悪化して、結果的に肛門裂傷を繰り返すことになったりすると言われています。
肛門裂傷を繰り返さないためには、肛門に軟膏やベビーオイルを塗ったりして、排便時の痛みをやわらげるとともに、便秘を解消することが大切です。
いきみが原因でいぼ痔になってしまうこともあります。
関連記事⇒「いぼ痔の原因は?」
過敏性腸症候群とは?
過敏性腸症候群によって、便が細くなることがあります。
過敏性腸症候群は、便秘や下痢が繰り返されるものや、慢性の下痢になるもの、粘液が出るもの、ガスの異常など、いろいろな症状がでます。
原因については、こちら「過敏性腸症候群の原因は?」を参考にしていただければと思いますが、過敏性腸症候群になることによって、排便の時に肛門がゆるまず、しまった状態であることが、便を細くする原因になることがあるといわれています。
自己判断で対処しないことが大切です。
便が細くなる原因と考えられるものは、いろいろありますね。
心配なものから、ちょっと心配なものまでありますが、便の異常が続くときは、なるべく早く医師の診察を受けられることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか。
便の変化って気になりますよね。
便を作る腸は「第二の脳」と言われたりして、神経がたくさん通って、敏感なところです。心の変化がとっても現れやすいところでもありますし、便はそれを教えてくれる大切なサインでもあります。
気になることがある時は、しっかり診てもらってくださいね。^^)