お腹がかゆくなる原因には、実にさまざまなことがあります。
お腹は、体の中で特に肌がやわらかいですので、からだの不調が現れやすいところでもあるのです。
また、身につけているものが原因で、かゆみを引き起こすことも珍しくありません。
お腹は、かいてしまうと、かゆいところが広がってしまうこともありますので、注意が必要なんです。
今回は、お腹がかゆい原因について解説していきます。
この記事の目次
お腹がかゆい原因はなに?
お腹がかゆい、という症状で考えられることには、次のようなものがあります。
- 金属アレルギー
- たくさんの赤いぶつぶつが出る、バラ色粃糠疹(ひこうしん)
- ダニ
- マダニに刺される、ライム病
- 帯状にぶつぶつが出る、帯状疱疹(たいじょうほうしん)
- 妊娠によるホルモンの変化で起きる、妊娠性掻痒(にんしんせいそうよう)
- かゆみが全身におよぶ恐れのある、妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)
- おもに下腹部がかゆい、PUPPP(パップ)
それぞれについて詳しく解説していきますね。
金属アレルギーでお腹がかゆい!?
金属アレルギーは、金属が原因で、かゆみや湿疹などの症状が出ることですよね。分かりやすいのはピアスによるもので、ピアスが当たっている部分がかぶれます。
分かりにくいのが、ベルトのバックルによってお腹がかゆくなる金属アレルギーです。
金属アレルギーであることを自覚している人でも、お腹のかゆみや赤み、ぶつぶつといった症状が、ベルトのバックルによるものだということに気づかないことが多いのです。
ベルトのバックルだけじゃない!?
ジーンズなどのウエスト部分にあるボタンの裏側のわずかな金属でも、アレルギーを発症することがあります。お腹に当たっているような当たっていないような微妙な接触で、金属アレルギーは起こってしまうことがあります。
汗で金属が溶け出す
金属アレルギーは夏に悪化します。汗が、金属を溶かしやすくするからなのです。
それが金属アレルギーを見落としやすい原因でもあります。今までつけていたベルトが急にかゆみの原因になるとは、思いにくいからです。
あせもと勘違いすることもあるでしょう。
直接、肌に触れない金属アレルギー!?
金属アレルギーには、じつは2種類あって、先ほどご説明したような、直接肌に金属が触れて発症するタイプと、体内に入ってしまった金属が原因で体がかゆくなっているタイプです。
体内に入った金属は、血液に乗って体をめぐりますので、色んなところでかゆみや湿疹、水ぶくれを起こすことがあります。
お腹にかゆみとして症状が出るものには、
- 多発性痒疹結節(たはつせいようしんけっせつ)
- 多形紅斑(たけいこうはん)
などがあります。
多発性痒疹結節(たはつせいようしんけっせつ)ってなに?
お腹や胴体、足などに、一見虫刺されのように見える湿疹が出ることがあります。これを多発性痒疹結節(たはつせいようしんけっせつ)と言い、金属アレルギーの一種で、進行すると顔に湿疹ができることもあると言われています。
多形紅斑(たけいこうはん)ってなに?
お腹や背中、太ももなどに直径1cm~5cmくらいの、かゆみをともなう紅斑(こうはん:ひふが赤くなること)ができるのが、多形紅斑です。形は様々で、時間がたつと黒くなる傾向があります。
年配の方に出やすい症状だと言われています。
体内に入る金属には、歯の治療に使う銀歯や、骨を固定するためのボルトなどがあります。また、水銀の体温計が壊れて、気化した水銀が肌から入ることもあります。
金属アレルギーが疑われる場合は、まず金属アレルギーに詳しい皮膚科の医師の診察を受けられることをおすすめします。
バラ色粃糠疹(ひこうしん)って何?
お腹にかゆみをもたらすことがあるバラ色粃糠疹(ひこうしん)とは、お腹を中心に現れるたくさんの赤い湿疹のことで、ウイルスによる感染が原因ではないか、と考えられています。
かゆみをともなう場合と、そうでない場合があり、背中にクリスマスツリーのような形で症状が現れることもあります。
見た目ほど厄介なものではなく、自然治癒することが多い病気だと言われています。
ダニでお腹がかゆいの?
寝ているときなど、いつの間にかダニに刺されている、ということがあります。ダニはお腹などの比較的やわらかいところを刺す傾向があり、赤く腫れて、かゆみが強いです。
ライム病ってなに?
家にいるダニよりも大きく、刺した皮膚に1~2週間とどまるマダニというダニに刺されると、 ライム病を発症することがあります。
ライム病とは、マダニが運ぶボレリアという細菌の感染により発症する感染症です。噛まれたところが赤く盛り上がって、数センチから十数センチくらいにまで紅斑(赤み)が広がることがあると言われています。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは?
帯状疱疹とは、神経に沿って帯状にできる赤みやぶつぶつのことです。子供のころにかかった水ぼうそうを発症させたウイルスが体内に残っていて、免疫力が低下した時などに帯状疱疹を発症させる、と考えられています。
帯状疱疹は、お腹や胸、背中、顔などにかゆみや水ぶくれを生じさせることが多いです。
妊娠でお腹がかゆい!?
妊娠の影響でお腹がかゆくなったり、赤いぶつぶつができたりすることがあります。
妊娠によるホルモン分泌の変化が、肌表面にも影響しているためですが、妊娠中のかゆみがすべて妊娠によるものとも限りません。
かゆみがでたら、医師には告げておくのがいいでしょう。
妊娠中にお腹などにかゆみが起こる病気には、次のようなものがあります。
● おもにかゆみだけが起こる「妊娠性掻痒(にんしんせいそうよう)」
● 第二子以降に現れやすいといわれ、かゆみと赤いぶつぶつが全身にも広がる「妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)」
● 妊娠後期に多く、おもに下腹部に強いかゆみと赤い発疹をともなう「PUPPP(Pruritic urticarial papules and plaques of pregnancy:パップ)」
妊娠中のこれらのかゆみは、産後にはおさまると言われています。
自己判断で対処しないことが大切です。
今回は、特にお腹にかゆみをもたらすものを見てきましたが、かゆみをもたらす病気は実は500以上あると言われています。内臓の病気で体がかゆくなることも知られていますが、ストレスが原因でお腹がかゆくなる、ということもあります。
いつまでもかゆみが続いたり、どうも気になるという時は、早めに医師の診察を受けてくださいね。
まとめ
お腹にかゆみをもたらす様々な原因を見てきましたがいかがでしたか。
金属アレルギーをいつの間にか発症している、というケースも少なくないようです。ピアスを開けたことのある人なら特に、ピアスの金属が、開けた穴から体内に入ったことで発症するケースが多い、と言われています。
お腹はとても柔らかいところなので、ダニなどに刺されやすいところでもあります。
かゆみを悪化させないためには、かくことは厳禁ですので、早めに皮膚科を受診して適切に処置してもらうのがいいでしょう。
金属アレルギーの場合は、金属が肌に触れないようにしていると、かゆみは 自然におさまることもありますよ。
体がかゆい原因には様々なものがあります。
肌がかゆくなる原因にはストレスもありますね。
食物アレルギーにはどんなものがあるの?
かゆみを起こす原因になるものが、いろいろ増えてきていますので、注意したいですね ^^)