顔は皮膚がとてもデリケートなうえに、刺激を受けやすい場所ですので、さまざまなことが原因でかゆくなることがあります。
また、顔に直接刺激を受けてなくても、アレルギーなどでかゆくなることもあります。
今回は、顔がかゆい原因や対処法などについて解説していきます。
この記事の目次
顔がかゆい原因はなに?
顔がかゆい原因として考えられるものには、次のようなことがあると言われています。
- 顔に触れたものが原因で起こる、接触皮膚炎(せっしょくひふえん)
- 紫外線アレルギーと言われる、光線過敏症(こうせんかびんしょう)
- セラミドが不足して起こる、アトピー性皮膚炎
- 皮脂がでやすいところに多くみられる、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
- ニキビ
- ストレスが原因のストレス性皮膚炎
などです。
それぞれについて解説していきますね。
接触皮膚炎(せっしょくひふえん)で顔がかゆい?
接触皮膚炎は、何かに接触したことでかゆくなったり、皮膚が赤くなったりする皮膚の病気です。「かぶれ」と呼ばれることもあります。
顔に生じる接触皮膚炎には、皮脂の多い鼻には症状がほとんどでない、という特徴があります。
身の回りにある、あらゆるものが、かゆみを起こす原因になりえます。
たとえば以下のようなものです。
などです。
接触皮膚炎は、原因や症状によってさらに次のように分類されます。
アレルギー性接触皮膚炎
何かに接触したことが原因で、アレルギー反応を起こしてしまうのが、アレルギー性接触皮膚炎です。
アレルギー性接触皮膚炎は、花粉症のように、今まで大丈夫だったのに、ある日突然症状がでる、ということがありますので、原因となるものを特定しにくいということがあります。
また、アレルギー性の接触皮膚炎の場合、 1日~2日たってから強いかゆみやぶつぶつ(湿疹)などの症状がでることも多い、と言われています。
光接触皮膚炎(ひかりせっしょくひふえん)
光接触皮膚炎は、原因となる物質が接触したところに、紫外線が当たったことで発症します。
顔に光接触皮膚炎を起こす原因物質で多いのが、化粧品や日焼け止め、ヘアケア剤、外用薬などです。
刺激性接触皮膚炎(しげきせいせっしょくひふえん)
原因となるものに接触した後すぐに発症する、と言われているのが、刺激性接触皮膚炎です。
刺激が軽くても、何度も同じ場所に接触することで、発症することもあります。
皮膚のバリア機能が弱くなったことで発症することが多く、かゆみのほかに赤みや、ヒリヒリする痛みを引き起こすことがあります。
接触蕁麻疹(せっしょくじんましん)
物質が接触して、15分から30分経過した後に肌表面のむくみの一種である、蕁麻疹(じんましん)が生じるものを接触蕁麻疹(せっしょくじんましん)と言います。
蕁麻疹については、こちらで詳しく解説していますので、参考にしていただければと思います。
接触皮膚炎症候群(せっしょくひふえんしょうこうぐん)
接触皮膚炎症候群とは、原因となる成分が肌から侵入し、血液にのって全身に運ばれ 体のいろんなところで症状を引き起こすというものです。
顔に直接接触していなくても、顔がかゆくなったりすることがある、ということです。
光線過敏症(紫外線アレルギー)で顔がかゆい!?
紫外線が原因となって、顔などにかゆみやぶつぶつなどを引き起こす皮膚疾患を、光線過敏症(こうせんかびんしょう)、または紫外線アレルギーと言います。
光線過敏症には、先ほどご説明した光接触皮膚炎のほか、春から夏にかけて多く見られる多形日光疹(たけいにっこうしん)などがあります。
光線過敏症についてはこちらで詳しく解説していますので、参考にしていただければと思います。
アトピー性皮膚炎で顔がかゆい!?
アトピー性皮膚炎は、セラミドが不足しているために肌が弱くなっていると考えられており、強いかゆみや炎症が繰り返し起こってしまいます。
成人のアトピー性皮膚炎が顔に出る場合は、髪の毛の生え際や目の周り、口の周り、首などに症状が出やすいと言われています。
アトピー性皮膚炎を引き起こすきっかけになる物質には、接触皮膚炎のところであげた身近なあやゆるもののほかに、乾燥や汗、髪の毛、衣類、石けんなどもあります。
セラミドを多く含む食べ物は、こちらでご紹介しています。
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)で顔がかゆい!?
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂の分泌が多いTゾーンや、小鼻の脇などにかゆみを引き起こすことが多い皮膚炎です。肌荒れや赤み、ぶつぶつなどをともなうこともあります。
脂漏性皮膚炎は肌表面の免疫システムの乱れが原因で、マラセチアというカビの一種が増えることで発症すると考えられています。
脂漏性皮膚炎については、こちらでくわしく解説しています。
ニキビで顔がかゆい!?
思春期のニキビは、皮脂の分泌が多い脂性肌の人にできやすいのですが、思春期を過ぎた場合では、乾燥肌や混合肌の人に多いと言われています。
最近、ニキビの原因に、活性酸素が関係しているのではないか、とも言われています。
また、ダニなどが原因になっていることもありますね。
ニキビの原因などについては、こちらでくわしく解説しています。
ニキビ用のスキンケア用品を選ぶときには、どんなタイプの肌用に作られたものかをきちんとチェックしてくださいね。
ストレス性皮膚炎で顔がかゆい!?
ストレスが原因で肌にかゆみを引き起こすこともあります。
ストレスが自律神経のバランスをくずし、免疫細胞の働きを悪くして、肌のバリア機能を弱くしてしまうためです。
また、肌をおおっている膜がストレスにより薄くなり、刺激に敏感になることもあります。
ストレス性のかゆみについてはこちらで詳しく解説しています。
顔がかゆいときの対処法は?
かゆくても肌は絶対にかかない方がいいですね。かいて気持ちいい、と感じる場合は特に注意が必要です。
それでは、かゆい時の対処法について見ていきましょう。
顔に刺激を与えているものは、思い切って避けましょう。
「最近使いだしたこれが原因かなぁ」と思うものがあったら、一度きっぱりと使うのをやめてみましょう。
「高いお金を出してせっかく買ったから...」
と使い続けているとかゆみを通り越して炎症を引き起こしてしまうかもしれません。
やめてみて、かゆみがおさまったら、
「原因はやっぱりこれか!」
ということになりますし、かゆみがおさまらなかったら、原因はほかのもの、ということがわかるでしょう。
生活を改善しましょう
肌にいい食べ物を積極的に摂りつつ、 バランスの良い食事を心がけましょう。
また、最近忙しくて、洗顔の時のすすぎが十分にできていなかった、ということがあるかもしれませんね。
生活を見直してみてくださいね。
保湿で肌のバリアを保ちましょう
接触皮膚炎のところでも少し触れましたが、肌の表面を覆っている膜がしっかりしている部分は、刺激に対し抵抗力が強いといえます。
バリアである膜を強化するために、ミネラルウォーターなどで水分をしっかり摂りつつ、保湿は十分に行いましょう。
脂漏性皮膚炎が心配な方は、体からでる汗や皮脂の質をよくするために、食べ物に注意することも大切です。脂肪分の多いものや甘いものはなるべく控えてくださいね。
皮脂を取りすぎない、肌質にあった丁寧な洗顔も大切です。
飲み物を見直してみましょう
アトピー性皮膚炎の方で、飲み水を変えたら綺麗に治った、という方がいらっしゃいます。年齢により異なりますが、人間の体は70%前後が水分だと言われています。その水分が体に合っていないとしたら、いろんなところにトラブルがでても不思議ではありませんよね。
飲んでいるものを見直してみることも、してみてくださいね。
まとめ
顔は一番きれいにしておきたいところですが、同時にとてもデリケートな場所でもありますね。体の状態がすぐに現れてしまうこともあります。
かゆみを起こす原因に対処するより、体や肌自体を強くする方が早く解決することもありますね。もし、悪いと思いつつ、続けているような習慣があれば、やめてみることをおすすめします。
紫外線の害も強くなってきていますから、気を付けてくださいね^^)