日本人の4~5割の人は、脂漏性の素因を持っていると言われ、脂漏性皮膚炎で悩んでいる人はたくさんいらっしゃいます。
脂漏性皮膚炎は、体調が悪化しているときに出やすく、大人ニキビや脱毛をともなうことも多いので、つらい病気のひとつですよね。
今回は、そんな脂漏性皮膚炎の原因を中心に解説していきます。
脂漏性皮膚炎の原因
脂漏性皮膚炎は、肌に常在しているマラセチア菌の数が増えることで発症すると言われています。
皮脂が多くなると、マラセチア菌は数を増やしてしまい、サイトカインと呼ばれるタンパク質の分泌を促すので、炎症が起きやすいと言われています。
マラセチア菌だけじゃない、脂漏性皮膚炎の原因
脂漏性皮膚炎の原因は、じつはいろんな要因が複雑に絡み合って発症し、マラセチア菌の増殖以外に、次のようなものが関係していると言われています。
- バリア機能が低下したところに、化粧品、ほこり、花粉などの刺激物が入り込んだ
- ストレス、生活習慣の乱れ、偏った食生活、間違ったスキンケアなどで肌表面が不健康になった
- 季節の変化、生理などで自律神経やホルモンのバランスが乱れた
- 発汗機能の低下、ビタミン代謝障害、微生物による感染、ホルモンの代謝異常、脂質代謝障害、加齢などがあった。
脂漏性皮膚炎は脂性肌の人に起こると言うよりも、敏感肌の人に起こりやすく、体調の悪化を知らせるサインだとも言われています。
脂漏性皮膚炎ってなに?
脂漏性皮膚炎には、赤ちゃんや幼児のころに発症し、自然に収まる 幼児型と、思春期以降に発症する 成人型があります。
脂漏性皮膚炎は、脂が漏れて発症する皮膚炎ではなく、皮脂分泌の多い箇所である脂漏部位と呼ばれるところにできる慢性的な皮膚炎のことです。
脂漏部位は、頭、顔、うなじ、胸、背中(肩甲骨の間あたり)、わき、おへそのあたり、性器のあたりなどです。
顔では、髪の毛の生え際、Tゾーン、小鼻のわき、耳の中や後ろなどで、ひどくなると頬に出ることもあります。
この辺りは、脂漏性皮膚炎だけでなく、ほかの皮膚炎も起こりやすい箇所だと言われています。
脂漏性皮膚炎の症状は?
脂漏性皮膚炎の症状には、次のようなものがあります。
- 湿疹(膿疱、紅斑、落屑)
- かゆみ
- ジュクジュク
- 皮膚が赤くなり、硬くなる
- 大人ニキビ
- フケ
- 肌荒れ
などです。
脂漏性皮膚炎に似た皮膚疾患
脂漏性皮膚炎に似た皮膚炎には次のようなものがあります。
接触皮膚炎(せっしょくひふえん)
一般的に「かぶれ」と言われるもので、何かに触れたことで、触れた部位が急に発症する皮膚炎で、強いかゆみや湿疹をともないます。
皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)
高齢者に多く見られ、ひじやひざ周辺などに、網目状の亀裂などが生じます。
手湿疹(てしっしん)
手のひらや指にできる湿疹です。
単純性痒疹(たんじゅんせいようしん)
湿疹などができない、痒みの症状が出るものです。
汗疹(かんしん)
一般的に「あせも」と呼ばれるもので、小さな水ぶくれや、小さなぶつぶつが出ることがあります。
疥癬(かいせん)
ヒゼンダニの感染により発症し、赤いぶつぶつや強いかゆみを伴うことがあります。
魚鱗癬(ぎょりんせん)
乾燥の激しい皮膚が、魚のうろこのように硬くなり、剥がれ落ちる病気です。
まとめ
脂漏性皮膚炎は、肌が何らかの原因で、敏感になってしまったために起こると考えられています。
脂漏性皮膚炎を改善するためには、肌の健康を保つことが大切ですね。肌の健康は、体全体の健康の現れですから、体を健康に保つことが肌にとっていい、ということになります。
食生活や睡眠などを見直してみることが大切ですね。
また、次のようなこともチェックしてみてくださいね。
●肌をゴシゴシ洗いすぎていないか。
●刺激の強い洗顔フォームを使っていないか
●熱いお湯を顔にかけていないか
●タオルで肌をこすっていいないか
●保湿は十分か
●紫外線をあびていたりしないか。
肌のタイプが知りたいときは、こちらを参考にしてください。
お腹がたまらなくかゆい、と言うことがありますね。
乾燥からお肌を守る!
お肌は健康のバロメーターですね ^^)