紫外線に過剰反応を起こして皮膚炎を起こす、という人が増えています。
その中で、免疫システムに関係のある反応を紫外線アレルギーと言いますが、原因には、元々体に紫外線に反応する要因がある場合や、アレルゲンを起こすものに触れた場合など、さまざまなものがあります。
今回は紫外線アレルギーについて解説していきます。
この記事の目次
紫外線アレルギーの原因は?
紫外線アレルギーなど、紫外線による皮膚疾患の総称を光線過敏症(こうせんかびんしょう)といい、次のようなものがあります。
- 光接触皮膚炎(ひかりせっしょくひふえん)
- 光線過敏型薬疹(こうせんかびんがたやくしん)
- 日光じんましん
- 多形日光疹(たけいにっこうしん)
- 慢性光線性皮膚炎(まんせいこうせんせいひふえん)
- 種痘様水疱症(しゅとうようすいほうしょう)
- その他(色素性乾皮症、コケイン症候群など)
この中で、アレルギー性反応によるものを 紫外線アレルギーと言います。
アレルギー反応以外で紫外線による皮膚疾患を起こす原因に、 光毒性物質による光毒性反応があります。
光毒性物質には、ソラレン・アントラセン・タールなどのほか、イチジク・モクレン・パセリ・セロリなどに含まれる植物由来物質などがあります。
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光接触皮膚炎(ひかりせっしょくひふえん)
原因となる物質が皮膚に接触したあと、その部分に紫外線が当たり、皮膚炎を起こすものを 光接触皮膚炎(ひかりせっしょくひふえん)と言います。
原因物質には、化粧品や日焼け止め、シップや外用薬などがあると考えられています。
光線過敏型薬疹(こうせんかびんがたやくしん)
薬をのんだあと、紫外線が当たった皮膚になんらかの症状を発するものを、 光線過敏型薬疹(こうせんかびんがたやくしん)と言います。
光線過敏型薬疹がアレルギーによるものの場合は、2日から2週間の潜伏期間を経て発症することもあると考えられていて、原因としてよく知られている薬剤には次のようなものがあります。
- ピロキシカム(解熱鎮痛薬)
- メキタジン(第二世代抗ヒスタミン薬)
- クロルプロマジン(精神神経用剤)
- フロセミド(利尿薬)
- カルバマゼピン(抗てんかん薬)
- ジルチアゼム(降圧薬)
- ヒドロクロロチアジド(高圧利尿薬)
- ビタミンB6(ビタミン薬)
- プロメタジン(抗ヒスタミン薬)
などです。
日光じんましん
紫外線を浴びて、数分から数十分以内に、紫外線が当たった部分にじんましんが出るものを、日光じんましんと言います。
日光じんましんは、紫外線を避けてしばらくたつと、消えていくのが特徴です。
多形日光疹(たけいにっこうしん)
思春期から青年期の女性に多く見られる光線過敏症で、3月~7月にかけて多く発症する、と言われているのが多形日光疹(たけいにっこうしん)です。
紫外線に当たった皮膚が、数時間たったころに、赤く盛り上がる、という症状が多数みられるのが特徴です。
慢性光線性皮膚炎(まんせいこうせんせいひふえん)
中年以降の男性に多く発症すると言われ、原因不明の皮膚炎が続く 慢性光線性皮膚炎(まんせいこうせんせいひふえん)は、ぶつぶつなどの症状とともに、激しいかゆみが出ると言われています。
かきむしることで、皮膚が硬く乾燥したり、色素沈着や色素脱失、ぶつぶつをともなうことがあります。
種痘様水疱症(しゅとうようすいほうしょう)
紫外線を浴びたことによって、唇や耳、顔、手などに水ぶくれのような ぶつぶつができる皮膚疾患を 種痘様水疱症(しゅとうようすいほうしょう)と言い、悪化するとかさぶたができて、跡が残ることもあると言われています。
口内炎ができたり、結膜炎など、目に症状がでることもありますので、特に注意が必要です。
そのほかの光線過敏症
紫外線による皮膚の疾患はこのほかにも、DNAの修復障害でおこる色素性乾皮症(しきそせいかんぴしょう)やコケイン症候群、ブルーム症候群のほか、メラニンの減少で起こる白皮症(はくひしょう)、フェニルケトン尿症、代謝異常で起こるポルフィリン症、ペラグラ、ハルトナップ病などがあると言われています。
紫外線アレルギーの検査
紫外線に対して、アレルギー性反応があるかどうかを知るために、次のような3つの検査が用いられることがあります。
- 最少紅斑量(こうはんりょう)の測定
- 光パッチテスト
- 内服照射テスト
最少紅斑量(こうはんりょう)の測定
最少紅斑量とは、紫外線を浴びた後に赤くなる、最小の紫外線量のことです。
UVB(中波長紫外線)の量をみる測定には、サンランプと呼ばれるランプなどが用いられ、照射24時間後を観察し、UVB(長波長紫外線)の量をみる測定にはブラックライトと呼ばれるランプなどが用いられ、照射48時間~72時間後を肉眼で観察します。
健康な日本人では、UVBを約50~150mJ/㎠、UVBを約18J/㎠まで照射しても皮膚に反応が見られない、といわれています。
それよりも少ない量で皮膚に異常がみられる場合に、紫外線アレルギーなどの光線過敏症が疑われます。
光パッチテスト(光貼付試験)
検査するためのパッチ絆(ばん)を2つ、背中に2日間はり、はがした後、一方だけに最少紅斑量以下のUVAを照射して24~48時間後の皮膚状態を観察します。
このテストは、光接触皮膚炎や薬剤性光線過敏症などの判定に用いられます。
内服照射テスト
おもに薬剤性光線過敏症などの判定に用いられる方法で、原因と思われる薬剤を服用した後に紫外線を照射し、服用の前と後とで、最少紅斑量に変化があるかどうかをみるテストです。
最少紅斑量が低下していれば、薬剤による光線過敏症が疑われます。
紫外線アレルギーを起こさないために
紫外線アレルギーは、気づかないうちに日光にあたり、起こっている、ということもあります。
症状を悪化させないため、また予防するためにはなるべく紫外線に当たらないようにすることが肝心で、次のような対策があります。
- 長袖の服やパンツ、スカートを着用する。
- スカーフやストールなどを巻き、首や肩、胸を隠す
- 広めのつばがついている帽子を着用する
- 日傘をさす
- ベランダや庭で洗濯物を干したり、花に水をやるときは、太陽の出ていない時間帯にする
- 刺激の少ない日焼け止めをたっぷり塗る
- 日焼け止めは、2,3時間たったら重ねつけをする
- 肌に刺激を与えるようなこと(マッサージ、ピーリング、パックなど)はしないようにする。
- 大きめのサングラスをする
などです。
また、最近はUVカット用の頬まで隠れる マスクもありますので、活用してみるのもいいと思います。
これはスーパーでゲットしました ^^)
まとめ
いかがでしたか。
紫外線で皮膚炎が起きる、なんてということが、誰にでも起こりうるようになってしまいましたね。
紫外線アレルギーを起こさないためには、紫外線をなるべく避けることとともに、体質を改善することも有効です。
果物や野菜の中には、紫外線から身を守るための成分を持っているものが多く、そのようなものをまめに食べることによって私たちの皮膚を強くすることも不可能ではありません。
また、免疫システムを乱す原因になっているものを避けることも大切ですね。
食べ物にはなるべく添加物が入っていないものを選ぶことをおすすめします。
紫外線アレルギーが改善されますように。