ウコンといえば、二日酔いを予防する効果のあるものとして有名ですが、お酒を飲まない人にも、さまざまな効能が期待され、利用されています。
アーユルベーダやジャムーといった伝統的医療法や、漢方薬にも広く用いられているのですよ。
今回は、ウコンの様々な効果・効能について解説していきます。
副作用についても気になりますね。
この記事の目次
ウコンの効果・効能
ウコンと言っても、秋ウコンや春ウコンなどがあり、その成分や働きには大きな違いがあります。ここでは秋ウコンの次のような効果・効能について解説していきます。ちなみにウコンはターメリックとも呼ばれています。
- 活性酸素を無毒化する効果
- 体内の解毒酵素を活発にする効果
- 体内の抗酸化酵素を活発にする効果
- 炎症を抑える効果
- LDLコレステロールの酸化を防ぐ効果
- 肥満を予防する効果
秋ウコンの主成分であるクルクミンは、ほかにはないメカニズムで、このような効果を発揮する、と考えられています。
活性酸素を無毒化する効果
ウコンには、体の中で発生した活性酸素やフリーラジカルに直接働きかけて、無毒化する働きがあると言われています。
クルクミンの抗酸化力は、免疫細胞の酸化によるダメージも防ぐので、免疫力が低下するのを予防する効果もあります。
体内の解毒酵素を活発にする効果
体の中に様々な毒性のある物質が入ってしまうことがあります。たとえば、食べ物についてくるカビ毒であったり、魚の焦げの成分であるヘテロサイクリックアミンや、排ガスに含まれるベンゾピレンなどです。
クルクミンはこれら毒性の強い物質を、体内に備わっている解毒作用のある酵素(グルタチオン‐S₋トランスフェラーゼやキノン還元酵素)で抑えることができるように、誘導して活性化する作用がある、ということが、動物実験で確認されています。
体内の抗酸化酵素を活発にする効果
クルクミンはまた、体内に元から備わっている抗酸化酵素であるカタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼなどを活性化する効果がある、とも言われています。
抗酸化酵素は一般に、50歳を過ぎたころからその力が低下してくると言われていますので、そのような働きのある成分は、非常に助かるものだと言えます。
炎症を抑える効果
私たちの体に炎症が起こるのは、体に入ってきた異物や死んでしまった細胞を排除しようとする免疫細胞の働きによるもの、と言われています。
炎症が必要最小限にとどまってくれるといいのですが、免疫細胞が過剰に働くことで、正常な細胞までも傷つけてしまい、炎症が大きくなってしまうことがあります。
クルクミンは、そんな炎症を抑える効果がある、ということが愛知学院大学 教授 / 名古屋大学 名誉教授でいらっしゃる大澤 俊彦教授らが行った実験で明らかにされています。
これにより皮膚がんや大腸がんなどの 炎症性のがんの予防効果が大変期待されています。
アメリカのニュージャージー州立大学で行われたマウスを使った実験では、大腸がんに対する抑制があった、という結果が出ています。
また、大澤教授らは、乳がんや腎臓がんを予防する作用が期待できるデータを発表されています。
LDLコレステロールの酸化を防ぐ
悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールは、増えすぎると血管内で固まってしまい動脈硬化を招く恐れがあります。クルクミンはLDLコレステロールが酸化して固まるのを防ぐ効果がある、ということが世界的な研究で確認されています。
肥満を予防する効果
クルクミンには、「脂肪を合成して蓄積する」酵素を抑える効果と、「脂肪を分解する」酵素を促進する効果がある、ということも動物実験で明らかにされています。
ウコンの副作用
ウコンの効果・効能について解説してきましたが、副作用についても気になりますよね。
一般的にウコンには副作用がない、と言われています。厚生労働省の「海外情報」を発信するサイト(2012年4月)でもこのように記されています。
●副作用と注意事項
ほとんどの成人に対してウコンは安全であると考えられます。
ですがまた、このような記載もあります。
ウコンを高用量摂取したり長期間摂取したりすると、消化不良、嘔気、下痢がおこる可能性があります。
動物では、高用量のウコン投与により肝機能障害が認められました。ヒトでは肝機能障害の報告はありません。
胆嚢疾患患者は、症状を悪化させるおそれがあるため、ウコンのサプリメントを摂取すべきではありません。
ウコンの大量、長期間の摂取は、副作用の心配がある、ということですね。そして、胆のうに病気がある人は、サプリメントでの摂取はやめた方がいい、とも書いています。
ウコンの摂取目安
それでは、ウコンはどれくらいをとるのがいいのでしょうか。
一般的には1日に2~3gもとれば十分だと言われています。
ウコンは薬ではないので、効果がすぐに出る、ということはないでしょう。体に変化があるとすれば、それを感じるのは、3カ月以上たったころからだと言われています。
健康食品の正しい利用法
厚生労働省医薬食品局食品安全部が発行している「健康食品の正しい利用法」には、次のような記述があります。
たとえば「ウコン抽出物」としか表示されていない場合、「どれくらいの量のウコンから」「どのような抽出方法で」「何を抽出したのか」分かりません。何が入っているのか分からなければ、その製品が有効とも安全ともいえないのです。
これは、たまたまウコンを例にあげている文章ですが、健康を目的にいろいろな成分を利用しようとするとき、何にでも言えることですね。
また、このようなことも書かれています。
宣伝文句に「天然」「自然」のことばが入っているとイメージだけで「安全」を連想して安心していませんか。天然・自然由来成分を原料とする製品でもアレルギーの原因となり、因果関係が明確でない報告も含め、被害報告が多数あります(三七人参、ローヤルゼリー、コリアンダー、ウコン、エキナウコン、エキナセア、コロハ、ザクロ、スピルリナ、ゼラチン、プロポリスなど)。
アレルギーは全ての人に起こるものではありませんが、誰に起こるかもよく分かりません。特に天然・自然由来の成分を使った製品は、アレルギーを起こすことがありますので気をつけましょう。
体質によっては、こうゆうこともあるかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか。
ウコンの効果・効能が、人を対象にした試験では、まだ証明されていないとはいえ、いろいろと期待できますよね。
疲れたときにはカレーが食べたくなる、ということも言われていますので、体がクルクミンに助けをもとめているのかもしれません。
食べたくなるものには、体に足りていない成分や、必要な成分が含まれていて、体が自然に求めている、ということってあると思います。
もしもウコンがなぜか気になる、ということでしたら、そういうことなのかもしれませんね。
ウコンのサプリやお茶を購入するときは、品質のいいものを選んでくださいね ^^)