運動もしていないのに起こる筋肉痛には、さまざまな原因があり、それほど心配でないものもありますが、ちょっと心配なものもあります。
風邪を引いたときに起こる筋肉痛などは、風邪が治れば、自然に治るでしょう。そのほかの場合は、注意が必要なこともあります。
今回は、筋肉痛を引き起こす原因や、病気などについて解説していきます。
突然、筋肉痛になると、びっくりしますよね。
この記事の目次
筋肉痛の原因はなに?
筋肉痛を引き起こす病気や原因には、次のようなものがあると言われています。
- 感染症が原因の筋肉痛
- 膠原病(こうげんびょう)関係の病気が原因の筋肉痛
- 血管障害による病気が原因の筋肉痛
- ホルモンの異常が原因の筋肉痛
- 薬の副作用として現れる筋肉痛
などです。
それぞれについて詳しく解説していきます。
感染症が原因の筋肉痛ってなに?
感染症を発症したことが原因で、筋肉痛を起こすことがあります。筋肉痛を起こす感染症には、
- ウイルス感染症
- 寄生虫感染
- レプトスピラ症(ワイル病)
などがあります。
ウイルス感染症
インフルエンザやコクサッキーウイルス感染と呼ばれる感染症にかかると、筋肉痛を引き起こすことがあると言われています。
寄生虫感染
加熱が十分にされていないイノシシやクマ、馬肉などを食べたときに、せん毛虫に感染して、筋肉痛を引き起こすことがあります。
発熱や目の周りがはれる、といった症状が出ると言われています。
レプトスピラ症(ワイル病)
レプトスピという細菌に感染すると、筋肉痛以外に、風邪のような症状や、重症になると黄疸をともなう肝障害、腎障害を起こすことがあると言われています。
レプトスピ菌は、野生動物が宿主とされ、下水道工事や畜産の仕事、ウォータースポーツなどを通じて感染することが知られています。
膠原病(こうげんびょう)関係の病気ってなに?
膠原病が原因で、筋肉痛を起こすことがあります。筋肉痛を起こす膠原病には、
- リウマチ性多発筋痛症(たはつきんつうしょう)
- 多発性筋炎(たはつせいきんえん)
- 皮膚筋炎(ひふきんえん)
- 繊維性筋痛症候群(せんいせいきんつうしょうこうぐん)
などがあります。
リウマチ性多発筋痛症(たはつきんつうしょう)
発熱に始まり、腕や首、おしり、太ももなどの筋肉に比較的強い痛みやこわばりなどが現れると言われているのが、リウマチ性多発筋痛症です。
こめかみあたりの動脈に炎症が起きることもあり、頭痛や圧痛を感じることががあります。
多発性筋炎(たはつせいきんえん)
筋肉が炎症を起こしたり、細胞や組織が障害を受けてしまうと、太ももや腕に筋肉痛が生じることがあります。
これを多発性筋炎と言い、疲労感、脱力感をともなうことが多いと言われています。
皮膚筋炎(ひふきんえん)
多発性筋炎のうち、皮膚に症状が現れるものを皮膚筋炎と呼びます。
皮膚の特徴的な症状には、手の甲側の関節あたりの皮がむけて青あざなようなものができたり、まぶたが腫れて青紫色になったりします。
繊維性筋痛症候群(せんいせいきんつうしょうこうぐん)
全身や広い範囲で圧迫されているような筋肉痛が起こる、と言われているのが繊維性筋痛症候群(せんいせいきんつうしょうこうぐん)です。
痛みの程度は、軽い場合も激痛の場合もあり、こわばりをともなうこともあります。
原因は不明で、検査をしても異常がなく、睡眠障害や疲労感、不安感、過敏性腸症候群、便秘、下痢、腹痛、倦怠感、頭痛など、いろんな症状をともなうこともあると言われています。
血管障害による病気ってなに?
血管障害による病気が原因で、筋肉痛を起こすことがあります。筋肉痛を起こす病気には、
- 閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)
- バージャー病
などがあります。
閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)
おもに手や足の血管が固くなることが原因で、血液をめぐらせる能力が下がり、さまざまな症状が起きてしまう病気が、閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)です。
閉塞性動脈硬化症では、筋肉痛のほかに、手足に冷えやしびれ、動作がしにくいなどの症状が出ると言われています。
バージャー病
バージャー病とは、おもに末梢の血管がふさがってしまう病気で、喫煙が原因だと言われています。
筋肉痛のほかに、手足がしびれたり、冷たくなったり、青白くなったり、長く歩くことができなかったりすると言われています。
ホルモンの異常ってなに?
ホルモンの異常が原因で、筋肉痛を起こすことがあります。筋肉痛を起こすホルモン異常には、
- 甲状腺機能異常(こうじょうせんきのういじょう)
- クッシング症候群
などがあります。
甲状腺機能異常(こうじょうせんきのういじょう)
甲状腺という、のどにある小さな臓器の機能が低下したり、活発になりすぎることが原因で、筋肉痛を起こすことがあります。
甲状腺とは、代謝のためのホルモンを分泌している機関で、機能が正常に働かないことで、汗が出すぎたり、たくさん食べているのにやせてきたり、急に太ってきたり、肌が乾燥したり、疲れやすかったりと、全身に様々な症状を引き起こします。
クッシング症候群
クッシング症候群とは、副腎と言われる、腎臓の上にある臓器から分泌されるホルモンが多すぎて、胴回りや顔にたくさんの脂肪がついてしまうもので、筋肉痛を引き起こすことがあると言われています。
胴回りに比べて、手足が細いのが特徴です。
薬の副作用として現れる筋肉痛
薬の副作用として、筋肉痛がひきおこされることがあり、高コレステロール治療薬などにみられると言われています。
まとめ
運動などをしていないのに、筋肉痛になると心配ですよね。
感染症が治ったら一緒に治る場合もありますし、何らかの病気を示すサインである場合もあります。気になるときは早めに医師の診察を受けるようにしてくださいね。
15歳までの子供の場合は、小児科を受診されるといいでしょう。
大人の場合は、おもに内科などで、皮膚に症状が出ている場合は、皮膚科などを受診して、筋肉痛が出ていることも忘れずに医師に伝えましょう。
リウマチの場合はリウマチを専門としている医療機関などがよく、関節も痛い場合は、整形外科を受診するのもいいでしょう。
薬の副作用が気になる方は、医師に相談してみてくださいね。
カルシウムが不足すると、寝ている間に筋肉がけいれんする、いわゆる足がつった状態になりますので、気を付けてくださいね ^^