喘息の発作を予防するためには、原因を知って、取り除くことが最も有効だと言われていますが、積極的な方法で効果のあるものもたくさんあります。
気管支の粘膜に作用してたんを切りやすくする食べ物の摂取や、自分の体を客観的に見る方法、適度な運動、今の治療があっているかのチェックなど、様々なものがあります。
今回は、喘息を予防する方法について、解説していきます。
この記事の目次
喘息を予防する!
喘息を予防するために大切な、次の項目について解説していきます。
- たんを切りやすくする食べ物や、喘息の妙薬と言われている食べ物
- 喘息の原因を特定し、避ける
- 治療があっているか、確認する方法
- 喘息日記をつける
- 運動や運動するときの注意
喘息を予防する食べ物ってなに?
ふきは喘息の妙薬!?
毎日食べ続けることで、発作の起きにくい体質になる、「喘息の妙薬」と言われているのが、ふきやふきのとうです。
ふきには、アレルギー症状を引き起こす原因になっている、活性酸素を除去する効果のあるファイトケミカルという成分が含まれています。
黒豆のお茶が咳を止める!?
乾燥した黒豆を水に入れて、長時間煮だしたお汁をお茶代わりに飲むと、咳がでなくなり、喘息を予防する効果があると言われています。
黒豆茶には、アレルギー症状を抑える不飽和脂肪酸や、粘膜を強くするビタミンB12やレシチンなどが含まれているからですね。
煮だしたままでは飲みにくい、という方は、黒砂糖を少し混ぜてもいいですよ。
にんにくがたんを切る!?
気管支の粘膜に作用して、たんを切る働きがあると言われているのが、にんにくです。
にんにくは、免疫力の王様とも呼ばれているのですよ。
にんにくの効果については、こちらで詳しく解説しています。
ぎんなんも、たんの切れをよくする
漢方薬として用いられているぎんなんにも、たんの切れをよくする作用があると言われています。ぎんなんには、活性酸素を抑えるカロチンやビタミンCが含まれていますので、毎日食べることで喘息を予防する効果があります。
新鮮なぎんなんを、大豆油かなたね油に3カ月ほど漬けて作るぎんなんの油漬けや、煮物にして食べるといいでしょう。
喘息の原因を特定し、避ける
喘息の発作を予防するためには、原因となっているものを避けることが必要ですよね。
下の図は厚生労働科学研究班が提供している資料で、喘息を引き起こしたり、悪化させる原因となるものを示した図です。
何が喘息を引き起こしているのかを特定するためには、医療機関での受診が必要ですが、この表を参考に、思い当たるものがある場合には、なるべく避けるようにしましょう。
アトピー型喘息はダニに注意!
アトピー型喘息の原因で最も多いのが、ダニだと言われています。
ダニは、気温が20℃前後、湿度は70~80%の環境を好みますので、6~8月ごろに最も多く発生し、ダニの死骸やふんが増える秋口に、喘息の発作が出やすくなると言われています。
ダニの数は、ホコリやごみの量に比例していますので、ホコリをためないようにこまめに掃除をすることが、喘息の予防につながります。
タバコはやめましょう
たばこは、煙に有害物質が含まれているだけでなく、紙の表面にも有害物質が添付されています。
自分ではやめるのが困難、という方は、禁煙外来などを受診するのもいいですね。
親のどちらかがタバコを吸っている場合、子供が小児ぜんそくにかかる率が高まるという研究結果もあります。
過労やストレスを減らしましょう
喘息を予防するために、過労やストレスはなるべく避けましょう。日本人には、ついついがんばっちゃう、という人が多いですので、力を抜くところはしっかり抜く癖をつけるのが、喘息を予防するためには大切です。
禁酒もしましょう
アルコール誘発喘息(ゆうはつぜんそく)という喘息があるくらい、飲酒によって喘息の症状が悪化する、という人が、喘息患者さんの6割もいると言われています。
アルコールは肝臓で分解処理されるときに、有害物質を発生させ、気道粘膜を収縮させてしまうのです。
ビールを飲みたくなったら、炭酸水を冷やさずに飲んでみてくださいね。
治療があっているかの確認をする
下の表は、子ども向けに書かれた、喘息の治療がその人にあっているか、判断の目安にするためのものです。
治療が適切である場合は、医師と相談して徐々に薬を減らしていくことができますが、そうでない場合は、医師と相談したり、より専門の医療機関を受診したりすることも検討しましょう。
喘息を予防するための自己管理方法
喘息日記をつける
喘息を予防するためには、積極的なアクションも必要です。有効な手段として、厚生労働省でも勧めている喘息日記があります。
喘息日記とは、毎日の体の状態や発作時の状況、用いた薬、天候、ピークフロー値などを書き込むためのもので、表になっているものがありますので、簡単に記録することができます。
喘息日記で大切なことは、自分の体を客観的に見つめる、ということです。初めは難しいと感じるかもしれませんが、続けているうちに客観的に見ることができるようになります。
客観的に見ることは、喘息の予防にとても有効ですし、診察を受ける時に持参すれば、より詳しくあなたの状態を医師にわかってもらうことができます。
適度な運動で強い体づくり
運動によって喘息発作が引き起こされる、ということがありますので、すべての運動を避けたい気持ちがあるかもしれません。
でも、薬物療法などによってしっかりと体調がコントロールできていて、医師の許可もあれば、運動は喘息の予防に役立ちます。
運動には、心拍機能を高めたり、筋肉を強くする効果があるだけでなく、脳から出る物質によって、脳や気分をいい状態にし、ストレスを緩和する効果もあるのですよ。
運動の効果は、こちらで詳しく解説しています。
筋肉を伸ばすストレッチや、ウォーキングなどから始められることをおすすめします。
運動するときの注意点
運動するときに注意した方がいいことは、
- 徐々に体を温め、筋肉をほぐしてから、始めましょう。
- 気温が低いときは、やめておくか、マスクをつけましょう。
- 「毎日やる」と決めていたとしても、体調が悪いときはやめておきましょう。
- 食事が終わって、1時間以上たってから始めましょう。
- 無理をしないようにしましょう。
- 念のため、始める前に医師から処方された薬を吸入しましょう。
などです。
無理をする癖のある人は、筋肉を硬くしたり、気管支を緊張させたりして、運動をしても逆効果になる恐れがありますので、リラックスを心がけてくださいね。
まとめ
喘息を予防する効果のある食べ物や、避ける方がいいもの、喘息日記、状態のチェック方法、運動などについて解説してきましたが、いかがでしたか。
食べ物では、ふきや黒豆茶、にんにく、ぎんなんのほかに、なんてんを黒焼きにして粉末にしたもの、中国伝来の妙薬と言われているオニユリ、キカラスウリなども、喘息を予防する効果のあるものとして、知られています。
ダニやたばこ、お酒、ストレスはなるべく避けることが大切です。
自分の体に注意を向け、客観的に見つめる喘息日記にも効果がありますよ。
運動をするときは、強い体になった自分をイメージして、無理なく行うのが効果的です。
背筋を伸ばして、ゆっくりとお腹を出したりへこましたりする腹式呼吸もやってみてくださいね ^^)