蕁麻疹(じんましん)は、皮膚(ひふ)の表面近くにできる一種のむくみで、ある細胞が蕁麻疹の元となる物質を出すことで発症すると言われています。
人それぞれに、蕁麻疹を発症する刺激となるものは異なりますが、最新の研究では、免疫機能の乱れが大きな原因となっていることが明らかにされています。
今回は、蕁麻疹を発症する原因物質などについて、解説していきます。
この記事の目次
蕁麻疹の原因ってなに?
蕁麻疹には、大きく分けて次のようなものがあると言われています。
- 食べたものや薬が原因の蕁麻疹
- 肌に触れたものが原因の蕁麻疹
- 何らかに感染したことが原因の蕁麻疹
- 肌に何かがおさえつけられたり、こすれたりすることが原因の蕁麻疹
- 冷たいものが原因の蕁麻疹
- 汗が原因の蕁麻疹
- 日光が原因の蕁麻疹
- ストレスが原因の蕁麻疹
それぞれについて、さらに見ていきましょう。
食べたものや薬が原因の蕁麻疹
エビやカニ、そばや青魚などを食べたときに蕁麻疹が出ることがあります。子供では、牛乳やたまごも原因になることが多いと言われています。
また、風邪薬などの薬、人工色素、防腐剤、食品添加物などが原因で、蕁麻疹がでることもあります。
アレルギー反応でおこるものと、アレルギーではない蕁麻疹があります。
肌に触れたものが原因の蕁麻疹
花粉やダニ、羽毛が肌に触れた時に、蕁麻疹が出ることもあります。
何らかに感染したことが原因の蕁麻疹
細菌やウイルスに感染したことがきっかけで出る蕁麻疹があります。たいていは風邪が原因だと言われています。
肌に何かがおさえつけられたり、こすれたりすることが原因の蕁麻疹
下着のゴムが肌をおさえつけたり、重たいかごが腕を刺激したり、こすれりすることで蕁麻疹が出ることもあります。
冷たいものが原因の蕁麻疹
冷たいものに触れたり、冷たいものを飲んだり、冷たい風にあたったりした時に蕁麻疹が出ることもあります。
汗が原因の蕁麻疹
汗が刺激となって蕁麻疹が出ることもあります。14歳くらいから25歳くらいまでの、いわゆる青年期と呼ばれる人のうちで、アレルギーを起こしやすい人に多いと言われています。
汗が刺激となる場合には、1~4㎜ほどの小さい蕁麻疹がたくさん出るのが特徴で、運動したときや入浴のとき、感情が高ぶったときなどに出る汗とともにでます。
日光が原因の蕁麻疹
日光にあたったことが原因で、顔や首、手などに、蕁麻疹が出る人もいます。
ストレスが原因の蕁麻疹
ストレスがきっかけとなって、自律神経や免疫機能に影響を与え、蕁麻疹が出ることもあると言われています。
蕁麻疹のようで蕁麻疹ではない病気
蕁麻疹に似ているけれど、蕁麻疹とは区別されるものに次のような疾患があります。
血管性浮腫(けっかんせいふしゅ)
唇やまぶた、のどに突然あらわれる血管性浮腫(けっかんせいふしゅ)は、かゆみのない腫れが2、3日続きます。
厚生労働省では、医薬品を服用するなどしてあらわれた腫れに、注意するように呼び掛けています。
「急に、くちびる、まぶた、舌、口の中、顔、首が大きくはれる」、「のどのつまり」、「息苦しい」、「話しづらい」などの症状がみられる場合であって、医薬品を服用している場合には、緊急に医師・薬剤師に連絡して、すみやかに受診してください。
血管性浮腫は、 蕁麻疹と同時に発症することがあります。
蕁麻疹様血管炎
血管の炎症で発症し、腫れの症状が24時間以上続くと言われているのが、蕁麻疹様血管炎(じんましんようけっかんえん)です。
蕁麻疹様血管炎は、全身性エステマトーテスや膠原病(こうげんびょう)の初期症状として現れることもあります。
全身性エステマトーテスは、抗体が異常に作られて、内臓などがおかされると考えられている病気です。
症状は全身におよび、発熱や疲労感、食欲不振、体重減少などが起こることもあります。20~30代の女性に発症することが多いと言われています。
膠原病(こうげんびょう)は、全身のいろんなところに症状が出る、免疫機能の異常が引き起こす病気の総称です。
まとめ
蕁麻疹は、蚊に刺されたときのようにかゆくて、皮膚が赤くはれ、おさまったかと思ったらまた、かゆくなったり腫れたりを繰り返す特定の皮膚の疾患です。
触ったりかいたりすると広がって、さらにかゆみが増したりします。
蕁麻疹がよく出る人は、蕁麻疹を引き起こすヒスタミンという物質を出す肥満細胞という細胞が、とても不安定な状態にある、と言われています。
蕁麻疹の治療には、ヒスタミンを抑える薬などを服用したり、原因物質をさけたり、皮膚を清潔にしたり、日常生活を改善したり、ということが行われます。
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蕁麻疹の症状を悪化させないためには、皮膚をかかない、ということがとても大切になってきます ^^)