唾液が少ないことで生じる問題には、口臭や口の痛みのほかに、舌や味覚に現れる異常や、口のただれなど、様々なものがあります。
唾液が少ない原因も、病気によるものからストレスによるもの、心因性のものまで色々あります。
今回は、「唾液が少ない」という症状について、引き起こされるほかの問題や原因などを解説していきます。
この記事の目次
唾液が少ないとは?原因は…
唾液が少ないことを「口腔乾燥症(こうくうかんそうしょう)」や「ドライマウス」と言って、日本では約800万~3000万の人が発症している、と推定されています。
唾液が少ないとどうなるの?
唾液には、口の中の浄化や保護、食べ物の消化や味覚など、じつにたくさんの働きがありますので、少なくなることで様々な問題がでてくることがあります。
唾液が少なくなることで起こる症状には、次のようなものがあると言われています。
- 喉(のど)がかわく
- 唾液がネバネバする
- 口の中や唇に痛みが生じる
- 味覚異常が起こる
- 乾いた食べ物を飲み込むのが困難になる
- 虫歯が増える
- 歯周病が増える
- 歯や義歯が汚染される
- 舌の表面にある小さな突起がなくなり、舌がツルツルになる(平滑舌:へいかつぜつ)
- 舌にいくつもの溝ができる(溝状舌:こうじょうぜつ)
- 口臭がする
- 口の中の粘膜が赤くなる
- 口角がただれる
- 舌苔(ぜったい)が増える
- 舌に毛が生えたような状態になる(毛舌:もうぜつ)
これらの症状が出てしまう、唾液が少ない原因には何があるのでしょうか
唾液が少ない原因は?
唾液が少ない、という症状は、大きく分けて次の3つの原因があると言われています。
- 唾液がでる唾液腺(だえきせん)の機能が障害されている
- ストレスや薬物による
- 全身的な病気による
それぞれについて詳しく解説していきます。
唾液腺(だえきせん)が障害されて唾液が少ない!?
唾液腺は、あごの下や耳の下、舌の下に大きなものがあり、そのほかにも小さなものがいくつかあります。
それらの唾液腺が、機能を低下させてしまう原因には、次のような病気があると言われています。
- 免疫機能の乱れが原因と考えられている、シェーグレン症候群
- 口の周りに放射線治療を受けたことで発症する、放射線性口腔乾燥症
- 加齢による、加齢性口腔乾燥症
- 臓器移植によっておこる、移植片対宿主病(いしょくへんたいしゅくしゅびょう:GVHD)
- 唾液腺に肉の塊のようなものができる、サルコイドーシス
- 免疫力が低下して、様々な症状を引き起こす、後天性免疫不全症候群
- 白血球の一種であるリンパ球がガン化する、悪性リンパ腫
- 原因が特定できないとされる、突発性口腔乾燥症
シェーグレン症候群は、女性に多い病気で、唾液のほかに涙が少なくなることもあり、唾液が少なくなる原因の代表的な病気だと言われています。
ストレスや薬物が原因で唾液が少ない!?
ストレスや抑うつなどの精神状態が、唾液の分泌に悪影響を及ぼすことがあります。
また、それにともなう抗不安薬や抗うつ薬、降圧剤などの服用も、唾液の少ない原因のひとつだと言われています。
緊張すると、喉がカラカラに乾いた、という経験のある人も多いでしょう。
じつは、 唾液の分泌が少ない原因として一番多いと言われているのが、ストレスや薬物の服用によるものなのです。
唾液の分泌をつかさどる神経(副交感神経)が、抑えつけられることが原因だと考えられています。
全身性の病気が原因で唾液が少ない!?
唾液が少なくなる全身性の病気には、代謝に関わる次のようなものがあります。
- 体全体の水分が不足する、脱水症
- 血液内のブドウ糖が多い糖尿病の症状に、口の乾きがあります
- 腎臓の機能が低下する、腎臓病でも代謝異常が引き起こされ、唾液が少なくなることがあります。
- 鉄分の不足が原因の貧血では、自律神経に乱れが生じ、唾液の分泌が少なくなることがあります。
水分の蒸発も!
体からの水分蒸発が多いために、唾液が少ないと感じることもあります。また、唾液の分泌が正常で、口の中の乾燥もないのに、唾液が少ない、と思い込んでいる歯科心身症であることも、少なくないと言われています。
水分が蒸発しやすい原因は、口呼吸や過呼吸、口を開けていることなどがあります。
唾液が少ない!を改善するために
唾液が少ない原因には、さまざまなものがあり、病気が隠れている場合にはその病気を治療することが先決ですね。
ストレスが原因になっているものは、ストレスを取り除くだけで改善する場合もあるでしょうし、ストレスを減らすとともに、唾液腺の機能を向上させることで改善することもあるでしょう。
加齢によるものでも、唾液腺を活性化させることで、改善することもあります。
唾液を増やす具体的な方法は?
唾液腺の機能を向上させるためには、唾液腺のマッサージやツボの刺激、キシリトール配合ガムをかむ、漢方薬を用いる、食事の際にしっかりかむ、などいろいろな方法があります。
具体的な方法はこちらで解説していますので、参考にしていただければと思います。
まとめ
唾液が少ない原因や、少ないことで生じる問題について見てきました。
唾液が少ない原因で一番多いのが、ストレスによるものだと言われています。
ストレスは体を正常に保つ働きのある自律神経を乱す大きな原因になっています。
働き過ぎていたり、睡眠不足を続けていたり、暴飲暴食を続けたりはしていませんか。
働くことと、リラックスすることをバランスよく行うことで、自律神経のバランスも保たれます。
体にいい水分もまめにとって、体も心もかわかないようにしましょう。
口臭が気になるときは、ミネラルウォーターなどを飲んで、リラックスしてくださいね ^^)