インフルエンザの予防や、ほかの人にうつさないための対策に、マスクをつけることは効果があります。
ただし、効果の範囲には限界があり、自分にあったマスクをつけていなかったり、目的の異なるマスクをつけていたりすると、さらに効果は低いものになってしまいます。
今回は、インフルエンザ対策のためのマスクの種類や効果などについて解説していきます。
この記事の目次
インフルエンザにマスクって効果あるの?
インフルエンザ対策でマスクに効果があるのは、おもに飛沫感染(ひまつかんせん)を防ぐ場合です。
インフルエンザの主な感染経路は咳やくしゃみの際に口から発生される小さな水滴(飛沫)による飛沫感染です。したがって、飛沫を浴びないようにすればインフルエンザに感染する機会は大きく減少します。
普段から皆が「咳エチケット」*を心掛け、 咳やくしゃみが出るときはできるだけマスクをすること
マスクに、インフルエンザの飛沫感染を防ぐ効果があるとはいえ、何でもいいということではありません。
インフルエンザの飛沫感染を防ぐマスク
鼻や口から出る、インフルエンザウイルスが混ざっている水滴の大きさは、5マイクロメートルほどだと言われています。
飛沫感染を防ぐためには、市販されているマスクのうち、フィルターが5マイクロメートル未満に設計されている不織布(ふしょくふ)のマスクを選ぶ必要があります。
ただし、インフルエンザウイルスがマスクの横から侵入しないように、注意する必要があります。
インフルエンザ対策には、自分に合った大きさのものを。
飛沫感染を防ぐ効果のある不織布のマスクも、マスクのふちがぴったりと肌にくっついていなくては、ふきまから空気が通り抜けてしまい効果は低くなります。
マスクは、自分の顔に合った大きさのものを選ぶ必要があります。
インフルエンザ|マスクの選び方
マスクを選ぶときは、耳の上側の付け根と、目と目の間から1cm下の点を結んだ長さを目安にするといい、と言われています。
ただし製品によって、これに当てはまらないこともあります。
はかり方は、手を下の画像のような形にして、人差し指と親指の先をそれぞれ、耳の上の付け根と、目と目の間から1cm下の点にあて、親指の先から人差し指の先までの長さをはかります。
この長さが、12cm~14.5cmの場合は、普通サイズのマスク。
14cm以上あるなら、大きめサイズのマスク。
10.5cm~12.5cmなら小さめサイズ
9cm~11cmは子供用のサイズが適していると言われています。
耳が痛い場合は、マスクの大きさを変更してみては。
マスクをすることで、耳が痛くなるという場合は、マスクが顔に対して小さいのかもしれません。
耳が痛いようでは、マスクをしていてもストレスになってしまいますよね。今のものより大きめのものを試してみるといいでしょう。
備蓄するときもよく確認を
マスクを日常的によく使うため、備蓄しておこうという場合にも、顔とマスクの大きさがあっているもの、耳の痛くないものなどを確認してから備蓄するようにしましょう。
インフルエンザ対策に効果のあるもう1つのマスク
インフルエンザの対策に、効果のあるマスクがもう一つあります。それはガーゼのマスクです。
マスクには、材料の繊維に熱や力、接着剤などを加え、繊維をからませたり接合させたりして作る、不織布のマスクのほかに、綿を織って作るガーゼのマスクもあります。
ガーゼマスクの網目は、約数十マイクロメートルなので、ウイルスを遮断することはできませんが、保湿力や保温力は不織布のマスクよりも優れています。
ガーゼマスクのメリット
ガーゼのマスクには、乾燥した空気からのどや鼻を守り、冷えをやわらげてくれる効果があります。
ガーザのマスクは、不織布のマスクのように使い捨てではないので、洗って繰り返し使うことができるというメリットもあります。
マスクの扱い方には注意が必要です。
手で触らないように!
不織布のように飛沫ウイルスを通さない目的でマスクを使う場合、使っているうちにたくさんのウイルスが、マスクについてしまいます。
予防のために使っている人であればマスクの外側に、人にうつさないために使っている人であればマスクの内側に、ウイルスがたくさんついていると考えることができます。
マスクを外すときは、それらの面を 手で触らないように、注意する必要があります。
プリーツ型マスクはあごまで包む
マスクには、プリーツ型といって、いくつかのひだがあるものがあります。
プリーツ型マスクは、ひだが下向きになるように顔につけ、ひだを伸ばしてあごをしっかり包むようにして使いましょう。
マスクの裏表はどっち?
マスクの裏表で迷ったときは、ゴムが接着されている面を外側にして、ゴムでマスクのはしを肌にフィットさせるようにつけましょう。
鼻の部分に細いワイヤーの入っているマスクを使う場合は、ワイヤーを鼻の形にしっかりフィットさせましょう。
インフルエンザの感染経路は3つ
不織布マスクが、飛沫感染にある程度の効果があることがわかりました。
しかし、インフルエンザの感染の仕方はほかに、空気感染と接触感染もあります。
空気感染ってなに?
空気感染は、インフルエンザウイルスを持っている人がせきなどをして、空気中にしぶきを飛ばした後、空気の乾燥により水分が蒸発し、ウイルスだけが残って、空気中を浮遊することで起きてしまいます。
インフルエンザウイルスの大きさは、約0.1マイクロメートルだと言われています。
空気の温度が低く、乾燥している場合には、ウイルスがより長く感染性をもち続けてしまいます。空気感染を予防するためには、このような条件のところに長くとどまらないか、換気や温度・湿度を調整することが大切になります。
接触感染ってなに?
接触感染とは、せきやくしゃみなどで、インフルエンザウイルスの混ざった水滴が物につき、それを手で触ることで感染することを言います。
手に付いたウイルスを目や鼻、口などにもっていくことで、粘膜からウイルスが侵入してしまうことがあります。
まとめ
インフルエンザ対策のためのマスクについてみてきましたが、いかがでしたか。
マスクは、使用目的や作り方の違いで、期待できる効果が異なります。
つけているうちに使用感のいいものや、よくないものもでてくるでしょう。
マスクの正しい使い方も大切になってきますね。
インフルエンザウイルス対策のマスクは、効果的に使いましょう^^)