インフルエンザの検査には、いくつかの方法があり、私たちが比較的簡単に受けることができるものと、そうでないものがあります。
受けやすい検査といっても、受けるタイミングやいくつかの条件の違いにより、結果が異なることもあります。
今回は、インフルエンザ検査の、やり方やタイミング、値段、結果などについて解説していきます。
この記事の目次
インフルエンザを調べる検査
インフルエンザに感染しているかどうかを調べる検査には、大きく分けて次の2つの方法があります
- インフルエンザウイルスが、体内にいるかどうかを調べる検査
- インフルエンザウイルスに対する抗体(異物を排除しようとする物質)ができているかどうかを調べる検査
インフルエンザウイルスがいるかどうかを調べる検査
体の中から採取した鼻水などに、インフルエンザウイルスがいるかどうかを調べる検査には、迅速診断キット(じんそくしんだんきっと)を使用して行う、インフルエンザウイルス抗原検出法(こうげんけんしゅつほう)があり、現在広く一般的に行われています。
迅速診断キットは、じつは海外ではそれほど評価は高くないと言われていますが、日本では、抗ウイルス薬を適切に使ったり、ほかの検査を減らしたり、リスクを予測したり、感染対策をスムーズに実施したり、流行を調査したりすることにおいて、貢献していると考えられています。
インフルエンザ検査にかかる時間は?
迅速診断キットを用いた検査にかかる時間は、大人が座って受ける場合には、数分で済み、反応が出るまでにかかる時間も、1分~15分くらいです。
インフルエンザ検査の感度は?
迅速診断キットを使った検査の感度は、液体を採取した場所や取り方、タイミングにより、違いが出ると言われています。
採取する場所は、咽頭(いんとう)と呼ばれるのどの奥か、鼻腔(びくう)と呼ばれる、鼻の穴の奥などです
鼻腔にある液体を、吸引でとった場合の感度が最も高いとされています。
感度が悪くなる条件には、次のようなことがあります。
- インフルエンザA型よりB型に感染している場合
- 子供より大人
- 発熱の程度が低い場合
- 鼻汁が少ない場合
- ワクチンを接種している人
- タイミングが悪い場合
などです。
インフルエンザ検査のタイミング
迅速診断キットを使用した検査の感度には、タイミングも関わってきます。
通常,発熱などの症状がでた当日や、症状がでて4~5日たった後では、検査結果が陰性になることが多いと言われています。
もし、この期間でも陽性と出た場合には、インフルエンザにかかっていると考えられることが多いですが、陰性と出た場合でも、 インフルエンザの可能性は否定できない、と言われています。
検査の具体的なタイミングとしては、発症後7時間~12時間経過してからが望ましいと言われています。
インフルエンザ検査は綿棒で?痛みはないの?
検査に必要な液体を取る方法には、次の3つがあります。
- 綿棒でぬぐい取る方法
- 吸引して集める方法
- 鼻をかんでとる方法
綿棒でぬぐい取る場合には、鼻の中などに綿棒を入れて、回転させながら数回ぬぐいます。液体の量が少ない場合などは、痛みを感じることがあるかもしれません。
吸引して集める方法は、吸引装置を鼻に入れ吸い取るので、多くの液体を集めることができますが、手間や費用は綿棒でとるよりもかかってしまいます。
かんだ鼻汁での検査も、精度が上がっているようですので、今後は増えていくかもしれません。
インフルエンザ検査の値段は?
インフルエンザの検査を迅速診断キットで行った場合の費用は、3割負担の保険適用の場合で、1700円程度だと言われています。
実際に医療機関に支払う料金は、それに初診料や薬代などの料金が加わります。
インフルエンザA型、B型
迅速診断キットには、インフルエンザA 型と B 型両方を検出するキットや,A 型と B 型を鑑別できるキットなどがあります。
迅速診断キット以外の検査
インフルエンザウイルスが体内にいるかどうかを調べる検査には、迅速診断キットを使う方法以外に、次のようなものがあります。
ウイルス分離検査
液体が微量でも検査でき、感度が高く、ウイルスの分析や薬の有効性の確認なども行えると言われていますが、判定までに、3日~10日くらい必要です。
遺伝子検出法
いくつかの方法があり、インフルエンザA型、B型の区別や、さらに香港型、新型などの区別をすることも可能だと言われています。
3時間以内に結果が出るものもありますが、専門の機関での実施がほとんどです。
抗体ができているかどうかを調べる検査
インフルエンザにかかっているかどうか調べる検査のうち、抗体(こうたい)ができているかどうかを調べる方法には、血液を調べる「血清抗体検査」があります。
「血清抗体検査」は、症状がでてから7日以内に1回、回復した頃に1回と、計2回の採血が必要で、結果が出るまでに2週間以上かかります。
現在「血清抗体検査」は、あまり行われていません。
まとめ
インフルエンザの検査について見てきましたが、いかがでしたか。
現在日本で一般的に実施されている検査は、迅速診断キットを使った方法です。
迅速というだけあって、ほかの検査とは段違いの速さで、検査結果を知ることができます。
ただし、検査結果は100%ではありませんので、陰性と出た場合でも、高熱があり、喉の痛みがあり、全身症状があったりする場合、または身近にインフルエンザにかかっている人がいたりする場合には、注意が必要です。
インフルエンザの検査も、日々改良され、進化しています ^^)