ニキビがかゆい場合には、毛穴にアクネ菌とは異なる菌が増殖していることが、原因になっていることがあります。
いつもとは違う場所にできたニキビがかゆかったり、いつまでも治らないニキビがかゆい場合には、その可能性が大きいと言えます。
今回は、ニキビがかゆい原因について解説していきます。
この記事の目次
ニキビがかゆい原因は、マラセチア菌！？
ニキビがたまらなくかゆい、という場合には、毛穴にマラセチアという真菌（カビの一種）が増殖しているおそれがあります。
マラセチア菌ってなに？
マラセチア菌とは、誰の皮膚にもいる常在真菌のひとつで、全身に分布しており、特に、顔や頭、胸、背中などに多く分布していることがわかっています。
マラセチア菌が何らかの原因で、その数を増やしたときに、感染症や炎症、かゆみといった症状がでます。
かゆいのは、マラセチア菌のニキビ？
マラセチア菌による皮膚の炎症のひとつに、マラセチア毛包炎（もうほうえん）という皮膚疾患があります。
じつは、マラセチア菌の増殖によるかゆみは、ニキビではなく、このマラセチア毛包炎によるもので、発症は珍しいことではないと言われています。
マラセチア毛包炎の特徴
ニキビとマラセチア毛包炎は、よく似た症状を示すので、ほとんど見分けがつかないと言われていますが、マラセチア毛包炎には、ニキビの特徴である「面皰（めんぽう）」がない、と言われることがあります。
マラセチア毛包炎の見た目の特徴は、上の画像のように赤くドーム状（半球）に盛り上がっていることで、黄ニキビのように膿の袋ができることもあります。
かゆみは、マラセチア毛包炎のもう一つの特徴です。
ニキビとマラセチア毛包炎の違い
ニキビとマラセチア毛包炎の違いは、面皰がないことですが、皮膚科でも見た目で区別することは、難しいと言われています。
マラセチア毛包炎は、検査で明らかにすることもできますが、外来診療でそこまでされることはあまりありません。
ニキビ治療薬を用いてもなかなか治らない、また、 いつもとは違う場所にニキビができた、といった場合に、ニキビではなくマラセチア毛包炎である疑いがでてきます。
マラセチア菌が増殖しやすいところ
マラセチア菌は高温多湿や、汗の多い場所、衣類や油脂で毛穴がおおわれているところに増殖しやすいと言われています。
暑い季節や日焼けの後に、急にできた赤いぶつぶつは、ニキビではなくマラセチア毛包炎である可能性があるということです。
マラセチア毛包炎が多く発症する時期
マラセチア毛包炎の多くは、春から夏にかけて発症し、熱帯地方では発症する人が多いとも言われています。
日光に当たった後に発症することも知られています。
マラセチア毛包炎の原因
マラセチア毛包炎は、ステロイドや抗生物質の使用により、肌の正常な常在菌のバランスがくずれ、マラセチア菌が増殖することによって、発症することもあります。
マラセチア毛包炎のできやすいところ
マラセチア毛包炎のできやすいところは、あごや頬、フェイスライン、おでこといった顔の部分と、背中、胸、肩、二の腕、わき腹などです。
マラセチア毛包炎の治療
マラセチア毛包炎の治療には、菌の増殖を抑えるぬり薬や飲み薬が用いられることが多いです。
マラセチア菌による皮膚の疾患には、
マラセチア菌による皮膚の疾患には、マラセチア毛包炎のほかに、「フケ症」や「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」、「アトピー性皮膚炎」、「尋常性乾癬（じんじょうせいかんせん）」、「癜風（でんぷう）」などがあります。
マラセチア菌は現在で、14菌種が認められています。
自己判断で対処しないことが大切です。
ニキビとマラセチア毛包炎は、私たちが見てもほとんど見分けがつかないと言われています。
ニキビのかゆみの原因が、皮膚の乾燥によるものかもしれませんし、じつはマラセチア菌の増殖であるかもしれません。
原因が違えば、当然治療も違ってくるでしょう。
いつまでもかゆみが続くときは、つらいですし、かいてしまわないためにも、悪化させないためにも、早めに医師の診察を受けられることをおすすめします。
まとめ
ニキビのようなものがかゆい原因について見てきましたが、いかがでしたか。
かゆみの原因がどんな菌であれ、でる症状は、炎症がおき、赤く腫れたり、膿がでたり、とよく似ていますね。
睡眠をよくとり、水分不足もないようにして、すぐに治ってくれるといいのですが、悪化することもあります。
かゆみがともなう時はとくに、早めに医師の診察を受けられる方がいいですね。
ニキビに関するこちらの記事も、よかったら参考にしてくださいね。皮膚はかかないように、くれぐれも注意してくださいね ^^
