便秘なのに、突然下痢になったり、便秘と下痢を交互に繰り返したりする原因には、いくつかのことが考えられます。
便秘と下痢以外の症状が、原因をさぐる上で参考になることもあります。
便秘は便秘でつらいのに、そこに下痢が加わると、悲しくなることもありますよね。
今回は、便秘と下痢について、原因や対処方法などを解説していきます。
この記事の目次
便秘なのに下痢に!?原因は
便秘だったのに突然下痢になったり、便秘と下痢を交互に繰り返したりする原因には、次のようなことがあると言われています。
- 腸の形が変形して、便が通りづらくなっている。
- 腸の動きが激しくなっている。
- 大腸にポリープや腫瘍(しゅよう)ができている。
- ウイルスなどに感染した。
- 内臓に炎症がおきている。
- 食生活が変わった。
などです。
それぞれについて詳しく解説します。
便秘と下痢を交互に繰り返す原因は?
便秘と下痢を繰り返す、またはほぼ同時に便秘と下痢になってしまう原因のひとつに、腸がねじれていたり、折れ曲がっていたり、下に落ち込んでいたりなどして、便が腸の中を通りにくいなっていることがあると言われています。
腸がねじれているところで便がつまりますが、つまって硬くなってしまった便を押し出そうとして、腸は活発に動き、水分を引き込んできます。そのため、硬い便秘便が出たあとに、やわらかい下痢便がでる、というわけなのです。
腹痛や吐き気をともなうことも
大腸の形に問題がある場合、腸が便を押し出そうとするときに、腹痛をともなうことがあります。
また、大腸が便でつまっているために、食べて消化されたものが逆流してしまい、吐き気がしたり、胃がもたれたり、胸やけがしたり、ということが起こることもあります。
便秘薬(下剤)の使用には、注意が必要です。
腸の形が原因になっている便秘の場合は、腸の動きが低下しているわけではないので、下剤を使うことで、便秘解消の逆効果になることがあります。
ねじれたり折れ曲がったりしている腸を、下剤で動かそうとすると、さらにねじれなどの状態がひどくなることがあるのです。
おう吐や激しい腹痛が出てしまうこともありますので、下剤で腹痛が出たことのある方は、腸の形に原因がある便秘のおそれがありますので、下剤の使用には特に注意が必要です。
便秘と下痢を繰り返さないために
腸が下に落ち込んだり、ねじれたりする原因には、運動不足や生活の変化などがあるので、なるべく体を動かしたほうがいいと言われています。
お腹をやさしく下から上に、マッサージすることも効果的です。
ただし、お腹に腫瘍(しゅよう)などがある、妊娠している、腰が悪いなどの場合は、マッサージが悪影響をおよぼすこともありますので、主治医に相談したり、きちんと医師の診察をうけたりした上で、実施するようにしてくださいね。
便秘と下痢を引き起こすのは、腸の激しい動きが原因?
腸の動きが激しくなることで、便秘になったり下痢になったりすることもあります。
腸の激しい運動が便秘を引き起こすとき
腸の激しい動きが便秘を引き起こすのは、腸が収縮や拡張を繰り返すことが原因です。
腸は、収縮や拡張を繰り返すことで、便を押し出す運動ができず、便を同じ場所にとどまらせます。そのため硬くてコロコロした便が出来上がり、排泄がスムーズにできなくなる、というわけなのです。このような便秘を「けいれん性便秘」と言ったりします。
けいれん性便秘については、こちらで詳しく解説していますので、参考にしていただければと思います。
腸の激しい運動が下痢を引き起こすとき
腸の激しい動きが下痢を引き起こすのは、便秘の時とは違い、便を出口へと運ぶ動きが、強くなることが原因です。
腸のひだが便を先へ押しやろうと、激しく動くのです。
便秘でも下痢でも、腸が激しく動くときは、腹痛をともなうことがあります。
腸が激しく動く原因はなに?
腸が激しい動きをする原因には、ストレスが大いに関係していると言われています。
ストレスのほかには、
- 自律神経の機能低下
- 胃腸炎を起こした後の免疫機能の低下
- 中枢(ちゅうすう)神経の感覚機能の低下
- 消化管の運動機能の低下や感覚の異常
などが原因になっていることもあります。
過敏性腸症候群の疑いも
便秘や下痢の原因になる病気がなく、症状が長く続いている場合には、「過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)」と診断されることがあります。
「過敏性腸症候群」では、自律神経の不調が関係していることが多いので、吐き気やめまいなどの神経症状をともなうことがあります。
大腸にポリープや腫瘍ができている
大腸にポリープやがんができている場合には、大腸の通り道が狭くなるので、便秘や下痢になることがあります。
50歳を超えている方や、血縁者に大腸の病気経験者がいる方などは、特に注意が必要です。
ウイルスや細菌などが原因の下痢
便秘がちだったのに、急に下痢になったのは、ウイルスや細菌の感染が原因かもしれません。
Oー157などの病原性大腸菌やノロウイルスなどがよく知られています。
ウイルスや細菌の感染が原因の場合は、激しい下痢とおう吐などをともなうことが多いと言われています。
内臓に炎症がおきている
内臓に炎症があると、消化に必要な消化液が十分に分泌されないために、消化不良をおこし下痢になることがあります。
膵臓に炎症がおきると、吐き気やおう吐、腹痛、発熱、背中の痛みなどの症状がでると言われています。
腸に炎症がおきると、発熱や血便、体重の減少などが起こることが多いです。
食生活の変化で下痢になることも
食生活の変化で、便秘がちなのに下痢にもなる、ということがあります。
からいものや脂っこいもの、牛乳などを食べたり飲んだりすると、下痢を起こしやすくなることがあります。
年齢が進むにつれて、牛乳に含まれている乳糖を分解するための消化酵素が少なくなると言われています。
アルコールやコーヒーなどの飲み過ぎで、腸の運動が激しくなり下痢になることもあります。
アルコールや、コーヒーなどに含まれるカフェインのような利尿作用があるものは、体の水分不足を招き、便秘の原因になることもあります。
便秘と水分の関係については、こちらで詳しく解説しています。
自己判断で対処しないことが大切です。
便秘や下痢の原因は、その人の体質や腸内環境などが大きく関係していると言われています。
ここで解説した症状なども、一般的なものにすぎません。
心配なことがある時は、自己判断せずに早めに医師の診察を受けられることをおすすめします。
最近では、便秘外来などもあります。近くになければ、内科や消化器内科、胃腸科などがいいでしょう。
まとめ
便秘や下痢の原因などについて解説してきましたが、いかがでしたか。
交互に繰り返す便秘と下痢は、腸の形に問題があることが多いと言われていますが、重大な病気が隠れていることもあります。
また、まじめな人ほどお腹に不快な症状が出やすいとも言われています。
ストレスを上手に発散する方法も、見つけてくださいね ^^)