便の臭い(におい)がきついときは、お腹の中の環境が悪化しているか、お腹の中で何らかの病気が発生しているか、などが考えられます。
また、食べ物に含まれる臭い(におい)成分が、便を臭くしていることもあります。
「便の臭いが気になる。」ということはお腹からのサインに気づいた!ということかもしれませんね。
今回は、便の臭いの原因や、改善方法などを解説していきます。
この記事の目次
便が臭い(くさい)理由ってなに?
便に臭いをつけるもの、便を臭く(くさく)するものには、次のようなものがあります。
- 腸内細菌の一種、「悪玉菌」が出す物質
- 強い臭い成分を含む食べ物や、臭い成分を発生させる食べ物
- お腹の中の出血
などです。
それぞれについて解説していきますね。
腸内細菌の悪玉菌が便を臭くする!?
腸内細菌には、からだに良い働きをする「善玉菌」と、からだに悪い働きをする「悪玉菌」、優勢な方になびく「日和見菌(ひよりみきん)」がいることはご存知だと思います。
悪玉菌の悪い働きのひとつに、腸の中にある食べものの残りかすを腐らせて、有害物質を発生させる、ということがあります。
悪玉菌が多いお腹から出てくる便は、悪臭をただよわせています。
悪玉菌が発生させる臭い(くさい)においの種類
悪玉菌が発生させる臭い(におい)成分には次のようなものがあります。
- 鼻にツンとくる刺激臭のする、アンモニア
- 大便臭と言われる臭いがする、インドール
- 糞尿の臭いと言われる、スカトール
- 腐った卵ような臭い、花火の火薬の臭い、温泉の臭い、火山の臭い、硫黄(いおう)の臭い、などと例えられる、硫化水素(りゅうかすいそ)
- 腐った玉ねぎのような臭い、腐ったキャベツのような臭い、などと例えられる、メタンチオール(メチルメルカプタン)
などです。
臭い(におい)成分を含む食べ物が便を臭くする!?
強い臭い(におい)成分を含む食べ物を食べたときにも、便が臭くなる傾向にあります。
にんにくが、便を臭くする!?
にんにくなどがわかりやすいですね。にんにくは、切ったり焼いたり食べたりすることで、強い臭いを出す「アリシン」という成分が作られ、体臭や口臭、便臭の原因になります。
にんにくほどではありませんが、アリシンが原因で便が臭くなる食べ物にはほかに、ニラ、ねぎ、玉ねぎ、あさつき、らっきょうなどがあります。
チーズが便を臭くする!?
チーズの中には、「カルボン酸」という強い臭い成分の含まれたものがあります。
カルボン酸の臭いは、足の裏の臭いとか、生臭いニオイ、動物の臭い、などと例えられることがあります。
タンパク質を多く含む食べ物が便を臭くする!?
タンパク質は、分解されるときに強い臭い成分を発生させますので、タンパク質を多く含む牛肉などをたくさん食べたあとは、便が臭くなると言われています。
タンパク質が分解するときに発生する臭い成分には、アンモニアやアミンという物質があります。アミンは 魚が腐ったときに出る臭いの成分でもあり、精液に含まれる臭いの成分でもあります。
タンパク質に偏っている食事は悪玉菌も増える
タンパク質を多く含む食べ物などをよく食べ、食物繊維をあまり食べないという食習慣が続いている場合は、悪玉菌も増えやすいので、便がさらに臭くなりやすい、と言えます。
特に脂肪分の多いお肉などは、悪玉菌のエサになりますので、悪玉菌の量を増やします。
便からの異常な臭いは、出血が原因のことも
口から肛門までの消化管のどこかで出血をしている場合にも、血の臭いが原因で便が臭くなります。
出血がある場合には、便がドロっとしたり、便の色が黒くなったり、赤くなったりすることもあると言われれています。
見た目の異常さはなくても気になる場合は、医師の診察を受けられることをおすすめします。
酸っぱい臭いの便は異常?
健康な腸から出る便は、ほとんど無臭だと言われていますが、酸っぱい臭いのする便もまた、健康的な便だと言われています。
酸っぱい臭いには、乳酸菌が関係していると考えられているためです。
便の臭いは、健康度をはかるための研究対象になっており、さまざまな科学的分析が続けられています。
便の臭いを改善する対策は?
便の臭いを何とか改善したい、という方もいらっしゃるでしょう。消化管の出血などの病気でない場合には、食べ物を変えることで便の臭いが改善していきます。
善玉菌を増やしましょう
悪玉菌は、食物繊維の摂取が少なく、動物性脂肪の多い食事などを続けていることで増えてしまいます。
悪玉菌を減らし善玉菌を増やしていくことは、便の臭いだけではなく、便秘などの改善にも有効です。
いきなり、好きなお肉を減らす、というやり方では続かないかもしれませんね。
おすすめの方法は、
- お肉を食べる前には、たっぷりの食物繊維を含む野菜や海藻などを食べる
- 乳酸菌を含んだ味噌汁や納豆、キムチなどの発酵食品を毎日食べる
- おやつにはヨーグルトや果物を食べる
などです。
お腹の中に悪玉菌が多い場合は、免疫力も低下して、病気になりやすいとも言われています。ぜひ腸の中で、善玉菌を大切に育てるようなつもりで、増やしていただければと思います。
食物繊維を多く含む食べ物は、こちらでご紹介しています。
臭いの強い食べ物を減らす
臭いの強い食べ物を好んで食べていたなぁ、と感じられた方は、ちょっと食べるのを止めてみることで、便の臭いが改善してくるでしょう。
ただ、にんにくなどは抗酸化作用があり、免疫力を強化する食べ物だと言われていますので、まったく食べないでいるのはもったいないですね。
タンパク質も大切な栄養素です。ほかの栄養素とバランスをとって上手に摂取してくださいね。
まとめ
便の臭いについて見てきましたが、いかがでしたか。
臭いってすごく気になりますよね。
できれば自分の体や、体からでるものは、いい臭いであってほしいです。
でも、便の臭いなどは、自分の体の状態を知る大切な手掛かりになります。
体にとっていい食べ物を選ぶようにして、体をいい状態に保ちたいですね ^^)