ツボは、体の中に張りめぐらされたエネルギーネットワークにあるスイッチのようなもので、背中にもたくさんあります。
ツボというスイッチを押すことで内臓など、からだの不調が改善されることもあれば、からだの不調がツボにあらわれることもあると言われています。
今回は、背中にある主なツボを図解でご紹介し、それぞれのツボについて解説していきます。
この記事の目次
背中のツボ図解一覧1
上図の①~⑳のツボは、背中の中心線より、左右に親指の巾1つ半分外側にあります。(㉖~㉙はそこからやや内側)
親指の巾1つ半分とは、次の図のようなことを言います。
親指の巾は、(本人の)親指の一番太いところを目安にしていただければと思います。
背中のツボ!効果・効能は?
それぞれのツボについて言われている、効果や効能には次のようなことがあります。
①大杼(だいじょ):咳(せき)、鼻づまり、喉(のど)の痛み、頭痛、肩こり、発熱、倦怠感、腹痛
②風門(ふうもん):咳(せき)、鼻づまり、くしゃみ、頭痛、めまい、肩こり、背中のこり、微熱
③肺兪(はいゆ):咳(せき)、ぜんそく、鼻の病気、のどの痛み、肩こり、寝汗、花粉症、頭痛、動悸、息切れ、糖尿病、全身倦怠、しみ、そばかす
④厥陰兪(けついんゆ):咳(せき)、嘔吐、神経症、イライラ、肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)、冷え性、過敏性腸症候群、歯痛
⑤心兪(しんゆ):不眠、健忘、精神不安、ぜんそく、てんかん、高血圧、動悸、のぼせ、冷え、イライラ、躁うつ病、夜尿症、子供の虚弱体質
⑥督兪(とくゆ):体のかゆみ(皮膚搔痒症:ひふそうようしょう)、咳(せき)、お腹の張り、腹痛、お腹が鳴る(腹鳴:ふくめい)
⑦膈兪(かくゆ):胃酸過多、胃の痛み、胸痛、おう吐、咳(せき)、ぜんそく、しゃっくり、出血、寝汗、肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)
⑧肝兪(かんゆ):肝機能障害、目の病気、イライラ、不安、てんかん、黄疸、腹痛、腰痛、不眠、口内炎、二日酔い、乗り物酔い、立ちくらみ
⑨胆兪(たんゆ):おう吐、のどの痛み、黄疸、口の中が苦い、舌が乾く、げっぷ、胆石症、子供の夜泣き
⑩脾兪(ひゆ):お腹の張り、下痢、消化不良、むくみ、健忘、黄疸、糖尿病
⑪胃兪(いゆ):胃痛、お腹の張り、消化不良、吐き気、嘔吐、お腹がゴロゴロ鳴る、口内炎、口角炎、ダイエット
⑫三焦兪(さんしょうゆ):下痢、お腹の張り、消化不良、むくみ、糖尿病、発汗過多、やせすぎ
⑬腎兪(じんゆ):むくみ、尿量の減少、残尿、難聴、ぜんそく、腰痛、腹痛、生理痛、生理不順、おりもの、不眠症、勃起不全
⑭気海兪(きかいゆ):下痢、消化不良、腰痛、痔(じ)、生理痛
⑮大腸兪(だいちょうゆ):便秘、腹痛、下痢、お腹の張り、お腹がゴロゴロ鳴る、背中の痛み、坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)
⑯関元兪(かんげんゆ):下痢、排尿異常、腹痛、糖尿病、性欲減退、おりもの、生理痛
⑰小腸兪(しょうちょうゆ):便秘、下痢、腹痛、糖尿病、痔、頻尿、生理不順、おりもの
⑱膀胱兪(ぼうこうゆ):膀胱炎、頻尿、残尿感、血尿、夜尿症、冷え性、腰痛、坐骨神経痛、便秘
⑲中膂兪(ちゅうりょゆ):糖尿病、腰痛、坐骨神経痛、前立腺炎、前立腺肥大症、尿道炎、頻尿、残尿感、インポテンツ
⑳白環兪(はっかんゆ):痔、生理不順、おりもの
㉖上髎(じょうりょう):膀胱炎、痔(じ)、下腹部の痛みや張り、むくみ、冷え性、頭痛、便秘、生理不順、おりもの、子宮内膜炎、勃起不全、子供の夜尿症
㉗次髎(じりょう):腰痛、膀胱炎、痔(じ)、鼡径(そけい)ヘルニア、生理痛、生理不順、おりもの、子宮内膜炎、血尿
㉘中髎(ちゅうりょう):便秘、痔、腰痛、排尿異常、膀胱炎、生理不順、おりもの
㉙下髎(げりょう):下痢、便秘、腰痛、腰痛、排尿異常、痔、生理痛
背中のツボ図解一覧2
㉑秉風(へいふう):肩こり、肩関節の炎症、手や腕のしびれ
㉒曲垣(きょくえん):肩こり、肩関節の炎症、背中の痛み、五十肩
㉓天宗(てんそう):五十肩、肩こり、せき、ぜんそく、母乳欠乏症、顔のむくみ
天宗の位置は、秉風と肩甲骨の一番下とを結ぶ線上で、秉風から1/3のところです。
㉔臑兪(じゅゆ):腕の痛み、痰(たん)
㉕肩貞(けんてい):難聴、耳鳴り、痰(たん)
背中のツボを見つけるコツは?
ほかの場所と次のような違いを感じることで、背中のツボを見つけることができることもあります。
- かたい
- へこんでいる
- 膨らんでいる
- 冷たい
- 熱い
- 痛い
- 気持ちいい
- カサカサしている
などです。
またツボに、このようなサインが現れている場合は、つながっている内臓などに、不調がでていることもあると言われています。
背中のツボを押す方法
背中のツボを全部自分で押すのは、難しいですよね。
そんな時は、あお向けに寝て、背中の下にものを置くのも一つの方法です。
「背中のツボ図解一覧1」でご紹介した縦に並ぶ左右のツボの位置に、2本の丸めたバスタオルなどを置くのがいいでしょう。
背中のツボを刺激するでんぐり返り
簡単にできて、効果のある方法にでんぐり返りもあります。でんぐり返りといっても頭から回るのではなく、背中から回ります。
小学校の時にやった体育座りのように、ひざを抱えて座り、後ろにころがります。
→ →
一回転する必要はありませんので、ひざを抱えた形を保ちながら、反動で体を起こし再び座る体制に戻ります。
これを10回くらい繰り返すと、背中のツボが刺激されて、気持ちがいいですよ。
できるだけ体を丸めてやるのがコツです。
ヨガマットなどを敷いて、痛くないところでやってくださいね。
腰が痛い人は、やらない方がいいでしょう。
このような↑ヨガマットがひとつあると、何かと便利ですよ。ちなみにこれは8mm厚さです。
楽天やアマゾンにいろんな種類のヨガマットが出ていますので、ご興味のある方はご覧くださいね。
背中用の便利なツボ押しグッズやお灸などは、こちらです。
背中のツボを刺激するときの注意
子供など、自分以外の人の、背中のツボを押す時には、次のような点に注意して行ってください。
- 皮膚を傷つけないように、爪は短く切っておきましょう。
- 背中に湿疹などがある場合は、ツボの刺激はやめておきましょう。
- 背中がひどくこわばっている場合は、温めたりしてまずは、背中の緊張をとることを心がけ、様子を見ながら進めましょう。
- ツボを強く刺激しないようにしましょう。
- 食後すぐの刺激は避け、30分以上たってからしましょう。
- 薄着になる時は、部屋の温度に注意しましょう。
などです。
原因のわからない病気や急な発熱、痛みなどがある場合は、まず医師の診察を受けるようにしてくださいね。
まとめ
背中のツボについて見てきましたが、いかがでしたか。
背中のツボを押して、お腹がキュルキュル鳴ったり、腸が動くのを感じたことのある方もいらっしゃると思います。
背中の中心線の横に並んでいるツボは、内臓全般の症状改善に効果があると言われています。
肩甲骨のまわりにあるツボは、胃腸が弱っているときや、肩、腕、首のこり・しびれなどがある時に有効だと言われています。
医療機関でもなかなか改善しない症状などに、お役立てくださいね。