口内炎が起きる原因は、はっきりとはわかっていないのですが、大きな要因だと考えられていることはあります。
口内炎は、その大きな要因に、日常生活で起こるさまざまな口への刺激や栄養不足などが加わり、繰り返し起こることがあります。
今回は、口内炎の原因について解説していきます。
この記事の目次
口内炎の原因ってなに?
口内炎の原因だと考えられている大きな要因に、次の2つがあります。
- 体のビタミン不足などを引き起こす、内臓機能の低下
- 口の乾燥などをまねく、自律神経の不調
それぞれについて、詳しく解説していきます。
内臓機能の低下が口内炎の原因?
口内炎を起こすと考えられている内臓の機能低下には、次のようなものがあります。
腎機能の低下
腎臓の機能が低下すると、きれいな尿を作ることができなくなり、老廃物が体の中にたまってしまうことがあります。老廃物の中の毒素は、体の中のビタミン類を破壊してしまいます。
ビタミ類は、口の中にある粘膜にとって欠かせない栄養素で、不足すると口内炎ができてしまうことがあるのです。
粘膜にとって必要なビタミンには、以下のようなものがあります。
粘膜の構成物質である、ビタミンA。
粘膜を健康に保つ働きのある、ビタミンB群(ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシンなど)。
胃腸が荒れると口内炎が!
口と胃腸はつながっていますので、胃や腸が荒れたりすると、口の中や口の周りにも症状が出て、口内炎の原因になると言われています。
胃腸が荒れる原因には、暴飲暴食や、刺激物・胃腸に負担をかける辛いもの、油物、アルコールなどの摂取があります。
胃の熱が口内炎の原因!?
中国の伝統医学では、胃で発生した熱が口内炎を引き起こす、と考えられています。
胃で熱が発生すると、その熱がどんどん上へと上っていき、口の中に熱をこもらせるために、口内炎の原因になる、というわけなのです。
胃に熱が発生するのは、砂糖や糖質を過剰に摂取したときや、アルコールを摂取したとき、香辛料などの刺激物を摂ったとき、ストレスがあるとき、体の水分が不足しているときなどと言われています。
口の乾燥が菌を増やす!?
口の中に熱がこもると、口の中が乾燥してしまいますので、さらに口内炎ができやすくなると言われています。
乾燥は、抗菌作用のある唾液(だえき)が不足している状態ですので、菌が繁殖しやすい、というわけなのです。
口の中がネバネバしていると感じたら、乾燥しているかもしれません。
自律神経の不調が口内炎の原因?
自律神経の不調は、正常な免疫機能の働きを狂わせてしまうことがあります。
免疫機能が狂うと、ある種の免疫細胞が暴走し、外敵だけではなく、自らの体を攻撃することがありますので、口内炎の原因になっている、と言われています。
ストレスや緊張が長時間続いたりすると、自律神経の交感神経が常に働いていることになり、免疫細胞のひとつである「顆粒球(かりゅうきゅう)」を暴走させることになります。
口内炎の種類
口内炎の原因には、内臓の機能低下や自律神経の不調があるとお伝えしましたが、次のような種類に分けることができます。
カタル性口内炎
口の粘膜が傷ついたところに、菌が繁殖してできるのが、カタル性口内炎です。
カタル性口内炎は、赤く腫れたり、水疱ができたりすることがあると言われています。
カタル性口内炎の原因になる傷は、頬の内側や舌を、噛んでしまったり、やけどをしたりしたときにもできることがあります。
ウイルス性口内炎
粘膜が傷ついたところに、ウイルスが侵入してできる口内炎が、ウイルス性口内炎です。
ウイルス性口内炎には、次のような種類があります。
- 単純ヘルペスウイルスの感染が原因の「ヘルペス性口内炎(口唇へルペス)」。
- カビ(真菌)の一種であるカンジダ菌が増えてできる、「カンジダ性口内炎」。
- 梅毒・淋病・クラミジアなど、性行為感染症(STD)が原因の口内炎。
ウイルス性口内炎は、赤くただれたり、小さなみずぶくれが沢山できたりすることがあると言われています。
アレルギー性口内炎
特定の食べ物や薬物、金属に対してアレルギー反応を起こしてできるのが、アレルギー性口内炎です。
アレルギーは、金属アレルギーのように直接、金属が口に当たらなくても発症する場合や、時間がたってから発症する場合などがあります。
ニコチン性口内炎
煙草の煙が口の中を熱して乾燥させ、できた口内炎をニコチン性口内炎と言います。
ニコチン性口内炎は白斑(はくはん)といって、皮膚の色が抜け落ちて、白くなるという症状がでたりします。癌になる恐れもあるものです。
アフタ性口内炎
睡眠不足や栄養不足などが原因で引き起こされる、と言われているのがアフタ性口内炎です。
アフタ性口内炎は、2、3個が同時にできることもあります。
口内炎の予防と治し方は?
ここからは、口内炎ができないようにするための対策や治し方をご紹介します。
ビタミンをしっかりマメにとる
失われやすい栄養素であるビタミンは、毎日まめにとりましょう。
ビタミンB2を多く含む食べ物
ビタミンB2を多く含む食べ物には、
- モロヘイヤ、しそ、あしたば、パセリ、切り干し大根、芽キャベツ、アスパラガス、枝豆
- いくら、たらこ、うに、ほたて、しじみ、かに、あさり、かき
- レバー
- 納豆
- のり
- 卵
- 乳製品
などがあります。
ビタミンB6を多く含む食べ物
ビタミンB6を多く含む食べ物には、
- バナナ
- サバ、カツオ、マグロ、鮭、サンマ
- 牛レバー、鶏レバー、鶏ささみ
- にんにく
- 酒粕
- ピスタチオ
- 黒さとう
- ごま
などがあります。
充分な睡眠を取りましょう。
人間の身体は寝ているあいだに、病気に対する免疫力を高めますし、睡眠は、自律神経を整えるためにも重要です。
小さく軽いうちの口内炎は、寝ている間の自然治癒力によって治る、ということもありますので、充分な睡眠を心がけましょう。
口の中を清潔に保つ
菌やウイルスの繁殖を防ぐために、口の中を清潔に保つことも大切です。食べたら歯を磨くか、うがいなどをする習慣をつけましょう。
唾液には菌の増殖を抑える働きがあり、増やすことも可能です。
唾液を増やす方法は、こちらでご紹介していますので、よかったら参考にしてくださいね。
口の中を傷つけないように気をつける
歯磨きの時や、熱いもの、固いものを食べる時は注意して、口の中に傷を作らないようにしましょう。
ストレスを減らす
テストステロンというホルモンを増やせば、ストレスを減やすことも可能です。
女性にもある、このホルモンのことはこちらでご紹介しています。
自己判断で対処しないことが大切です。
はじめにも書きましたが、口内炎はさまざまな要因が重なって起きることがありますし、原因がはっきりと解明されているわけでもありませんが、病気が隠れていることもあります。
いつまでも治らなかったり、しょっちゅうできてしまうような場合は、悪化させないためにも、 早めに医師の診察を受けられることをおすすめします。
まとめ
口内炎の根本原因には、内臓の機能低下や自律神経の不調があると言われています。さらに、次のようなことが原因で、炎症を引き起こすこともあります。
- 口の中にできた傷に、菌が繁殖
- ウイルスに口の中が感染する
- アレルギー反応
- たばこの煙
- 栄養不足、体調不良
予防策や治す方法には、
- ビタミン類をはじめ、栄養をバランスよく摂る
- 睡眠をしっかりとる
- たばこを控える
- 口の中を清潔にする
- 唾液を増やす
- 口の中を傷つけないように注意する
- ストレスを減らす
などがありますが、生活を改善しても変化がないようであれば、早めに医師の診察を受けてくださいね。
口内炎ができると、ほんと痛いですよね^^