唾液を増やす方法には様々なものがあり、食事の時についでにできるものや、毎日1、2分の時間をとって行うもの、食べ物や飲み物を使うものなど、たくさんあります。
唾液には、じつにたくさんの大切な働きがありますので、少ないと困ることもあります。
また、今は普通に出ていたとしても、年齢と共に減ってくることがありますで、日ごろからしっかり出すようにしたいものです。
今回は、唾液を増やすための11の方法をご紹介します。
この記事の目次
唾液を増やす方法って?
唾液を増やすためには、次の11の方法があります。
- 食べ物をよく噛んで食べる
- 舌をよく動かす
- 唾液腺(だえきせん)をマッサージする
- うま味成分の入った飲み物を飲む
- キシリトール入りガムをかむ
- ストレスを減らしてリラックスする
- 玉ねぎを利用する
- ツボを刺激する
- こまめな水分補給をする
- 漢方薬を用いる
- 薬を用いる
それぞれについて、くわしく解説していきます。
食べ物をよく噛んで唾液を増やす!
唾液には、食べ物を消化する、という大切な働きがありますので、食べ物が口に入ってくると分泌量が増え、私たちが噛むほどに、ますます出てきます。
私たちがしっかり噛むことで、唾液の分泌量を増やすことができます。
一口で30回を目標に
食べ物を口に入れたら、30回を目標にかむようにしましょう。
始めから30回ずつかむのが難しい、という場合は、10回ずつくらいから初めて、少しずつ増やしていくようにするといいでしょう。
舌をよく動かして唾液を増やす!
舌を動かすことも、唾液を増やす方法としては、とても効果的です。舌の筋肉が動くことで唾液を出す唾液腺(だえきせん)が刺激されるのです。
舌を動かす方法
舌を動かす方法は、色々あるのですが、次の動画が参考になるでしょう。
舌の先を、口の中で唇の周りを押すように、ゆっくり回します。大きく回すのがコツですね。
喉が乾いたら、ミネラルウォーターなどで水分補給も忘れずに行ってくださいね。
唾液腺(だえきせん)のマッサージで唾液を増やす!
唾液腺へのマッサージは、唾液を増やす効果があります
唾液を作る唾液腺は、耳の前やあごの周り、舌の下などにあります。(舌の画像のピンクのところです)
やり方をご紹介します。
マッサージの方法、1つ目です。
① 両手の親指を、両あごの下の、骨の内側のやわらかい部分に当てて、軽く押したり、円を描くようにマッサージします。
マッサージの方法2つ目です。
② 耳の前からあごにかけての部分に、両手の指の腹を押し当てて、くるくる円を描くようにマッサージします。
キシリトール入りガムで唾液を増やす!
キシリトールが入っているガムをかむと、虫歯を予防する効果がある、ということはご存知かもしれませんが、キシリトールには、唾液を増やす効果もあると言われています。
ほかの糖アルコールと同様に、口に入れると味覚が刺激されるため唾液分泌を促進します。
ストレスを減らして唾液を増やす!
唾液は自律神経によって調節されており、唾液の多くを占める水分の分泌に関係しているのは、自律神経の副交感神経です。
副交感神経は、リラックスしているときに働く神経で、血流や唾液の分泌を増やします。
人前で話した時に緊張して、口の中がカラカラに乾いた経験がある方も多いでしょう。緊張やストレスは交感神経を働かせ、副交感神経をおさえてしまうので、唾液の分泌が減ってしまうのです。
精神的なストレスだけではなく、身体的なストレスも影響しますので注意しましょう。
自律神経については、こちらで分かりやすく解説しています。
玉ねぎのお茶が唾液を増やす!
玉ねぎに多く含まれる「ケルセチン」という物質に、唾液を増やす効果があることが分かっています。
ケルセチンは玉ねぎ本体より、皮に20倍も多く含まれていますので、煮だしたお茶を飲み物として摂るのがおすすめです。
玉ねぎ茶の作り方と飲み方
玉ねぎ茶の作り方と飲み方をご紹介します。
玉ねぎ茶の作り方。
- 皮をきれいに洗います。
- 鍋などにお湯を沸かし、玉ねぎの皮を入れて、5分くらいかけて煮出します。
これで出来上がりです。
玉ねぎ茶は見た目ほど味がありませんので、お好みで蜂蜜などを入れて飲んでもOKです。
筆者は、お茶っ葉を入れる袋に、洗った玉ねぎの皮を入れて、お料理のだしとしてよく利用しています。カレーを作る時も、野菜をたくときに一緒に入れたりしています。
うま味成分の入った飲み物で唾液を増やす!
うま味成分と呼ばれる「グルタミン酸」にも、唾液を増やす働きがあることがわかっています。
「グルタミン酸」が味を感じる「味蕾(みらい)」とよばれる細胞に到達することで、唾液を分泌させる効果があるのです。
「グルタミン酸」を含む食べ物は色々あるのですが、味蕾細胞を刺激するためには、液体としてしばらく口の中に入れておくのが効果的で、昆布が利用しやすいでしょう。
昆布で唾液を増やす!
昆布からだし汁を作ったり、粉末の昆布茶を利用したりします。
口の中に、作っただし汁か昆布茶を、30秒~1分くらい入れておくだけです。毎食前など、1日に3回くらいするといいと言われています。
口に入れた昆布だしや昆布茶は、吐き出しても飲み込んでもOKです。
ツボの刺激で唾液を増やす!
唾液を増やす効果のあるツボは、唾液腺のマッサージや舌の運動のところでお伝えした箇所にたくさんあるのですが、ほかにもあります。
唾液を増やす効果のあるツボ翳風(えいふう)
耳たぶの裏で、耳の付け根付近の、へこんでいるところに翳風(えいふう)というツボがあり、唾液を増やす効果があります。
左右両方の翳風(えいふう)を同時に軽く押しましょう。3秒ほどおして、1秒離す、を繰り返し行ってください。
こまめに水分補給して唾液を増やす!
体全体の水分が不足してしまうと、唾液の量にも影響してしまいます。唾液は一般的に、1日に1~1.5ℓ出ると言われています。
水分の補給は、それよりも多い1.5~2ℓが必要だと言われており、不足すると唾液の不足以外にも色々な症状が出てきてしまいます。
水を飲むのが苦手な人は、炭酸水を試してみられるといいと思います。ただし、お腹の弱い方は、やめておいてください。
漢方薬で唾液を増やす!
唾液を増やすために、医師の判断で漢方薬が用いられることもあります。
口の乾燥を改善するための漢方薬は、約30種類あり、患者の体質や症状などによって、用いられるものに違いがあります。
漢方薬については、こちらが参考になります。
薬を用いて唾液を増やす!
唾液を増やすための薬に「サリグレン」というものがあります。
ただしこれは、薬剤の長期間の服用や、放射線治療などが原因でおこる唾液の減少改善に用いられるもので、医師や薬剤師の指示のもとに処方されます。
医師の診察を受けましょう
唾液は私たちの体を健康に保つために、たくさんの働きをしているものですので、唾液が少ないのを放っておくのは、いいことではありませんね。
ご紹介した方法で唾液の分泌が増えない場合は、早めに医師の診察を受けられることをおすすめします。
保険適用される漢方薬もありますので、相談されるのもいいと思います。唾液のこと(ドライマウス)に詳しい歯科や口腔内科(こうくうないか)、口腔外科(こうくうげか)の受診をおすすめします。
まとめ
唾液を増やす方法を色々とご紹介しましたが、いかがでしたか。
舌を回したり、マッサージしたり、ツボを刺激するのは、すぐにでもできますので、早速やってみてくださいね。
毎回の食事では、忘れずによく噛んで食べるようにしてください。
キシリトール入りのガムを噛んで、リラックスを心がける、というのもいいでしょう。
面倒でなければ、昆布茶や昆布だしを作って口の中をうるおしたり、玉ねぎ茶を作って、飲んだりしてみてくださいね。
水分補給も忘れないでくださいね。(^^)