感染性胃腸炎といっても、ウイルスの違いによって、症状や対処のしかたが異なります。
下痢になっても、下痢止めを飲まない方がいいものもあります。
今回は、ウイルスによる感染性胃腸炎の種類や症状、注意したいことなどをご紹介します。
特にお子さんをお持ちの方は、脱水症にはくれぐれも気をつけてあげてください。
この記事の目次
感染性胃腸炎のウイルスには何があるの?
ロタウイルス感染症
誰でも一度は感染するといわれているロタウイルスは、非常に感染力が強く、5才になるまでに、ほぼ全員が感染しています。
大人が感染しても症状が出ることは、あまりありません。
このウイルスに注意が必要なのは、乳幼児です。
ロタウイルスは便の中に大量すぎる数が含まれています。
便に含まれるウイルスの量が多いことで知られているノロウイルスと比べても、その100万倍ものウイルス量です。
(厚生労働省)
感染性胃腸炎の症状
主な症状は激しい下痢です。
便の色が白いのが特徴です。
ウィルスの影響で便に色をつける胆汁がうまく分泌されないために、米のとぎ汁のような便が大量に、1日に何度も出ます。
また、もう一つの症状がこれも激しい嘔吐です。
こうなると、当然脱水症を心配しなくてはなりません。
脱水症って、進行するととても危険なものだということは、ご存知ですか。
けいれんや肝機能異常などの合併症を引き起こすこともあります。
5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち、40~50%前後はロタウイルスが原因です。
(厚生労働省)
家でできること
今のところ、ウイルスを退治する薬はありません。
下痢止めは、おなかの中のウイルスを追い出せなくなってしまって、症状を長引かせることになります。
服用しないほうがいいでしょう。
脱水により体内の電解質バランス(体内のナトリウムやカリウムの濃度)が崩れます。
電解質を補える経口補水液などを温めて、水で割ったものを飲ませてあげるといいでしょう。
〇 なければ湯冷ましなどでもいいですので、とにかく水分補給が大切です。
少しずつマメにとるのがポイントです。
〇 子どもの様子がおかしかったり、心配な時は迷わす医師の診察を受けてください。
意識の低下やけいれん等の症状が見られたら、速やかに、近くの医療機関を受診しましょう。
(厚生労働省)
〇 下痢が続くとお尻が荒れますので、赤ちゃんのお尻はお湯でやさしく洗ってあげてください。
ワクチンも
ウイルスを退治する薬はありませんが、予防するワクチンはあります。
ただし、抵抗力の弱い乳児に限られています。
日本では、2種類のロタウイルスのワクチン(単価と5価)が承認されていて、任意で接種を受けることができます。対象者はいずれのワクチンも乳児であり、具体的な接種期間は、単価ロタウイルスワクチン(2回接種)の場合は生後6~24週の間、5価ロタウイルスワクチン(3回接種)の場合は生後6~32週の間です。ただし、どちらのワクチンも1回目の接種は14週6日までが推奨されます。詳細については、医療機関でご相談ください。
(厚生労働省)
ノロウイルス感染症
ノロウイルスも感染力が強く、大人でも感染し、症状が現れることがあります。
健康であれば、症状も軽いですが、体調不良の時や、抵抗力が弱いお年寄りや子どもの場合は注意が必要です。
感染性胃腸炎の症状
主な症状はおう吐、下痢、腹痛です。
症状が1~2日続いたあと、治癒し、後遺症もありません。
感染性胃腸炎を予防しましょう
ノロウイルスのワクチンはありません。
そういう意味でも、しっかりと予防しましょう。
〇 手洗いを徹底しましょう。
外から帰った時やトイレに行った後だけではなく、食前、食後にも必ず手を洗いましょう。
おやつを食べる時にもです。
〇 二枚貝などを食べる時は、充分に加熱しましょう。
また、それらの食品を調理した後のまな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上、加熱することで、殺菌することができます。
または、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤を使用してもいいでしょう。
取り扱い時には、「使用上の注意」をよく読んでくださいね。
〇 下痢や嘔吐がある時は、食品を調理するなどの作業をしないようにしましょう。
〇 嘔吐物や便などはきちんと処理して、感染を広げないようにしましょう。
12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて、感染が起きた事例も知られており、時間が経っても、患者の吐ぶつ、ふん便やそれらにより汚染された床や手袋などには、感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。このため、これら感染源となるものは必ず処理をしましょう。
(厚生労働省)
こちらも、下痢止めの薬は服用しない方がいいでしょう。
RSウイルス感染症
RSウイルス感染症は、RSウイルスの感染による呼吸器の疾患があらわれます。
生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼ全員がRSウイルスに1度は感染するといわれています。
感染性胃腸炎の症状
発熱や鼻水が数日続きます。
多くは軽症ですみますが、進行すると、咳がひどくなったり、呼吸困難、細気管支炎、肺炎などになることもあります。
注意すること
大人が感染していても、それとは気が付かないことが多く、乳幼児にうつしてしまうことがあります。
〇 咳などの症状が出ているときには、マスクを着用しましょう。
〇 子どもたちが日常的に触れるおもちゃや手すりなどは、こまめにアルコールや塩素系の消毒剤などで、消毒しましょう。
〇 手洗いうがいも忘れずにしてください。
ライノウイルス感染症
大人の風邪の1/2から1/3はライノウイルスによる感染が原因だといわれています。
感染性胃腸炎の症状
鼻やのどに炎症を起こしますので、のどの痛み、鼻詰まりをはじめ、くしゃみや頭痛、咳が出ることもあります。
通常、発熱はありません。
症状は、1~2週間以内におさまります。
注意すること
ひき始めの鼻かぜの時に、人にうつしてしまうことが多いので、鼻をかんだ後のティッシュの廃棄には充分注意しましょう。
また、鼻をかんだ後には手を洗うことも忘れないようにしてください。
そのような症状の人が近くにいる時は、手洗いをマメにやりましょう。
インフルエンザ
インフルエンザのウイルスって、いろんな種類がありますよね。
今のところ、季節性インフルエンザのウイルスには、A(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型(香港型と言われるもの)、B型の3つの種類があります。
種類によって、流行しやすい年齢層も違ってきます。
注意すること
受験生をお持ちの親御さんは特に、予防には細心の注意を払っていらっしゃることでしょう。
〇 鼻をかんだ後のティッシュなどの廃棄はすばやく確実にしてください。
〇 咳やくしゃみが出る方はマスクを着用しましょう。
薬局やコンビニ等で市販されている不織布(ふしょくふ)製マスクがオススメです。
不織布製マスクとは「ガーゼマスク」とは違い、使い捨てが原則です。
不織布とは、繊維や糸を織らずに、熱や化学的な作用によって布にしたモノのことです。
粒子の小さいウイルスを、捉えることができるものもあり、フィルターの性能が高いように作られています。
マスクがキチンと顔にフィットしていることが大切です。
マスクがないときはハンカチやティッシュで口をおさえましょう。
正しいマスクの着用の仕方
マスクの正しいつけ方をご紹介します。
1. マスクの表面に手が触れないように、耳に紐かゴムをかけます。
2. 鼻と、口、あごがしっかり入るようにマスクをあわせます。
3. 鼻の形に、しっかりピッタリ合わせます。
〇 使用中やマスクを外す時は、表面を触らないようにしてください。
〇 マスクを外した時は、石鹸で手を洗い、アルコール消毒などをしましょう。
まとめ
いろんなタイプのウイルスをご紹介しましたが、いかがでしたか。
ある程度の情報があると、もしもウイルスに感染しても、それほど慌てなくてすみますよね。
どんなに予防をしていも、感染力が強くては、うつってしまう時がありますからね。
症状を長引かせたり、重症にしないために、普段から健康的な生活を心がけることも大切ですよね。
運動もしましょう。
ご飯はおいしく食べましょう。
色んな栄養素をまんべんなく身体に取り入れましょう。
クヨクヨしないようにしましょう。
身体とはいつもいい関係でいきましょうね。
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普段から、ミネラルウォーターなどでしっかり水分を補給しておいて下さいね(^^)