皮膚に異常がなく、全身どこにも異常がないのに、ものすごく体が痒い!ということがあります。そのかゆみは、ストレスサインかもしれません。
ストレスは、からだにかゆみを引き起こすことがあるのです。
今回は、ストレスによる体のかゆみや、ストレスを起こす要因について解説していきます。
かゆみがストレス性のものかどうかを見分ける方法もありますので、参考にしていただければと思います。
この記事の目次
体がかゆい原因はなに?
ストレスがかかると体はどうなるの?
ストレスは、私たちの体を守っている免疫(めんえき)細胞たちを狂わせて、ホコリやダニなどの異物が、体に入りこんできやすい状態をつくってしまいます。
また、本来ならわずかにからだの中にあるはずのIgE抗体(こうたい)という物質が、ストレスにより数を増やしてしまうことがわかっています。
IgE抗体は、ホコリやダニと結合し、かゆみや炎症を引き起こす「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」と呼ばれる化学伝達物質を、肥満細胞(マスト細胞)と呼ばれる細胞から、たくさん放出するのです。
体内に増えた異物と、増えたIgE抗体により、体にかゆみを起こしていた、というわけなのです。
ストレスが起こって、免疫機能が低下する具体的な様子は、こちらで解説しています。
ストレスは体の膜を破壊する!?
肌が健康な状態にある時は、からだを外敵から守り、からだの中の水分の蒸発を防ぐ、細胞間脂質(さいぼうかんししつ)や皮脂膜(ひしまく)という膜が、しっかり体をおおっています。
ですが、日常的にストレスを抱えていると、自律神経の乱れにより、体を覆っている膜が薄く弱くなってしまいます。
薄く弱くなった体の膜では、体にかゆみを引き起こす、いろんな刺激物に対し、敏感になってしまうというわけなのです。
膜の機能低下もまた「 IgE抗体」を異常に増やす原因になっていると言われています。
ストレス性かゆみの見分け方
ストレス性のかゆみの場合、気のまぎれる日中はかゆくならないのに、 夜、布団に入ってから、かゆみがでたり、かゆみが強くなったりすることが多い、と言われています。
ストレスが原因で起こるかゆみのうち、リラックスしているときに働く、副交感神経が優位になるとかゆみを感じやすい、というケースです。
また、かいている本人は気が付いていない、ということも多いようですが、イライラしているときに体がかゆくなる、ということもあります。
これは、交感神経が優位になって、かゆみを感じやすくなるケースです。
どちらにしろ、心が自律神経に影響をおよぼし、肌に何らかの変化を起こさせ、かゆみを引き起こす、ということは珍しいことではありません。
体にストレスをもたらすもの
「ストレス」は、精神的なものだけではありません。からだが受けるダメージも、りっぱなストレスです。
体にストレスをもたらすものは、肌を守るための細胞間脂質(さいぼうかんししつ)や皮脂膜(ひしまく)、角質細胞(かくしつさいぼう)を壊すことがあり、次のようなものがあります。
- 塩素
- 合成界面活性剤入りのシャンプー
- ナイロンタオル
- 活性酸素
ひとつずつ見ていきましょう。
塩素が体のかゆみの原因?
塩素と言えば、水道水に含まれていますよね。
塩素は元々、水に含まれる細菌を破壊するためのものですが、角質細胞にも影響し、細胞間脂質の減少を招くことがあると言われています。
合成界面活性剤入りのシャンプーが体のかゆみの原因?
合成界面活性剤入りのシャンプーも、皮脂膜や細胞間脂質を余分に取ってしまうことがあります。
フケの原因のひとつにもなっています。
ナイロンタオルが体のかゆみの原因?
ナイロンタオルで強くゴシゴシからだをこするのは、肌表面をいため、細胞間脂質の流出を招きますので、注意が必要です。
活性酸素が体のかゆみの原因?
活性酸素は、細胞間脂質を酸化させ、悪玉コレステロールと呼ばれる過酸化脂質を生みだしてしまいます。
過酸化脂質は、角質細胞膜を破壊し、保湿機能を低下させるので、外敵に敏感になり、かゆみの原因となるのです。
体をかくことで、さらにかゆい!
そんなこんなで、かゆくなった皮膚を、「かくと気持ちいい」からと、かいていては、さらに皮膚の状態を悪化させ、悪循環に陥ってしまうことになるので注意しましょう。
体をかきたくなるわけや、対処法はこちらで解説していますので、参考にしていただければと思います。
精神的ストレスに対する対処法
精神的ストレスが原因のかゆみを止めるには、ストレスの原因となっているものを、取り除く必要がありますが、自律神経を整える様々な方法が、ストレス緩和に役立つこともありますよ。
こちらでいろいろな自律神経を整える方法をご紹介していますので、参考にしていただければと思います。
身体的ストレスに対する対処法
体へのストレスを減らす方法に、
- 肌にやさしい天然素材の衣類を身につける、
- 体を洗う時は、綿などの素材でやさしく洗う
- 痒みがひどいときは、お湯だけで汚れを落とす
などの方法がありますよ。
肌を乾燥させないことも、すごく大切ですよね。保湿剤を塗るのは効果的です。
細胞間脂質の原料となる、「セラミド」を含む食べ物をしっかり摂ることも、有効です。
セラミドを含む食べ物や効果は、こちらで解説しています。
部屋も乾燥させないように、注意してくださいね。
まとめ
いかがでしたか。
あなたの精神的なストレスも、身体的なストレスも、からだのかゆみとなって現れることがあります。
皮膚のバリア機能を低下させたり、免疫機能を狂わせたりするためです。
なるべくストレスになるものをさけ、栄養のあるものをバランスよくとって、体を元気に保ちたいですね。
質のいい睡眠も大切です。寝ている間に体の不調を整えてくれるからです。
ストレス発散! とか言って、暴飲暴食したりはしないでくださいね(^^)