ごま(胡麻)は古くから、滋養強壮の漢方薬としても用いられ、「 不老長寿をかなえる神秘的な食品」などと呼ばれ、その栄養価が高く評価されてきました。
ごまには、さまざまな栄養成分が含まれており、たくさんの効果や効能がありますので、それを知れば驚くかもしれません。
でも実はごまにも、とりすぎない方がいい理由もあります。
今回は、ごまの栄養や効果・効能、摂る時の注意、色のちがい(白・黒・金)などについて解説していきます。
この記事の目次
ごまに含まれる栄養素には何があるの?
ごまに含まれる栄養成分には、次のようなものがあります。
- 活性酸素をおさえる、ゴマリグナン
- 牛乳の11倍!?カルシウム
- ビタミンB1,B2、ビタミンE
- 良質のタンパク質
- 必須脂肪酸の、リノール酸とオレイン酸
- 活性酸素を分解する、マンガン
- サツマイモより多い!?食物繊維
などです。
ごまに含まれるそれぞれの栄養成分について、さらにくわしく見ていきましょう。
ごまの効果・効能ってなに?
ごまには、活性酸素を抑えこむ「ゴマリグナン」という成分が豊富に含まれています。
ゴマリグナンは、多くの成分の総称で、セサミン、セサモリン、セサミノール、セサモール、エピセサミン等で構成されています。
ごまに含まれるゴマリグナンの効果・効能
セサミンやセサミノールなど、ごまに含まれるゴマリグナンの抗酸化力は、他の抗酸化力のある物質とちょっと違います。
通常、抗酸化力のある物質は、体内に入るとすぐに、活性酸素を除去するように働きます。これはこれでありがたいのですが、活性酸素の80%が発生していると言われる肝臓に届く前に、その力がなくなってしまう、ということでもあります。
一方ゴマリグナンは、消化管とつながっている門脈という血管を通り 肝臓にとどいて初めて、抗酸化力を発揮する、という特徴を持っているのです。
ゴマリグナンの抗酸化力は、美肌など老化防止に効果があるだけでなく、コレステロール濃度を下げ、肝機能を向上させる効果もあると言われています。
セサミンはアルコールの分解を助ける
セサミンはまた、アルコール酔いをやわらげる効果があることも知られています。
セサミンには、アルコールを分解する酵素の働きを促す作用があることがわかっています。
ごまに含まれるカルシウム
ごまがカルシウムの宝庫、ということはご存知ですか。ごまには10g中に 120mgものカルシウムが含まれていおり、これは牛乳のなんと 約11倍の量になります。
ごまにはカルシウムのほかに、鉄分やリン、セレン、マグネシウムなどのミネラルの栄養素も豊富に含まれています。
カルシウムなどミネラルの効果・効能については、こちらでくわしく解説していますので、参考にしていただければと思います。
ごまに含まれるビタミンの効果・効能
ごまは、ビタミンB1、B2、ビタミンE、ナイアシンなどのビタミン類も豊富で、ごまに含まれるビタミンには、ゴマリグナンの抗酸化作用をさらに強化する働きがあることが認められています。
ごまに含まれるたんぱく質の効果・効能
ごまには約20%のタンパク質が含まれており、構成しているアミノ酸が豊富なのです。
ごまに含まれているタンパク質のうち、メチオニンやシステイン、アルギニン、トリプトファンなど、8種のアミノ酸においては、大豆たんぱく質よりも優れていると言われるほど、良質の植物性タンパク質であることがわかっています。
良質なたんぱく質とは、私たちの体内のたんぱく質と構造が似ているため、体内で効率よく合成することができるタンパク質のことです。
私たちの体の約15%がタンパク質で、水分に次いで多い成分です。
ごまに含まれるリノール酸の効果・効能
ごまにはリノール酸、オレイン酸といった不飽和脂肪酸が豊富で、ごまの約半分はこれら油脂の栄養分で占められています。
リノール酸は人間の体に必要な必須脂肪酸で、中性脂肪値を下げる働きがあるのですが、とりすぎると体内で過酸化脂質を発生させ、肥満をまねく恐れがあります。
ごま10gに含まれるリノール酸の量は、約2gで、ごま油だと約4g(10g)あります。
ごまに含まれるマンガンの効果・効能
マンガンは、糖質や脂質、タンパク質を代謝したり、活性酸素を分解するSOD酵素の構成成分で、健康を維持するためには欠かせない栄養成分です。
ごま10gに約0.22mgのマンガンが含まれています。
ごまに含まれる食物繊維
ごまに含まれる食物繊維の量は、乾燥ごまで10g中1.08gと、同じ10gのさつまいもと比べると、 約5倍の量になります。
ちなみに、いりごまでは10g中1.26g、むきごまで1.3g、ねりごまでは1.27gといずれも食物繊維が豊富に含まれています。
ごまは実はカロリーも高い!
栄養価が高いごまですが、じつはカロリーもけっこう高いのです。ごま10g(大さじ1杯強)中 59.9kcalあります。食べすぎには注意が必要ですね。
ごまの一日の摂取量は、大さじ2杯くらいまでを目安にしましょう。
一度にたくさん食べるより、大さじ1杯ずつでも、毎日食べることでごまの栄養効果が高まりますね。
白ごまと黒ごま、金ごまで栄養に違いがあるの?
ごまには、白ごま、黒ごま、金(茶)ごまなどがあり、栄養的にはそれほど違いはありませんが、脂質やタンパク質の量、色素に若干の違いがあります。
白ごまの栄養成分は?
白ごまは黒ごまに比べて脂質が多めで、ゴマ油にも利用されています。
黒ごまの栄養成分は?
黒ごまは皮が少し厚い分、カルシウムが多めです。
黒ごまに含まれるアントシアニンという色素は抗酸化物質で、目の機能を向上させる栄養成分として注目されています。
また、黒ごまには、私たちの肌表面に潤いを持たせるセラミドが多く含まれています。そして、セラミドを肌表面に届ける働きのある食べ物が白ごまです。
金ごまの栄養成分は?
金ごまは、白ごまや黒ごまよりも脂質やタンパク質が多く、香りが豊かです。
ごまの効果的な食べ方
栄養満点なごまなのですが、ごまの殻は意外とかたく、そのまま食べると消化・吸収があまりよくありません。
ごまは、いるか、するかして食べられることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか。
ごまは栄養が豊富なうえ、小さい食べ物なので、毎日でも食べることができそうですよね。ごはんにかけて毎日食べている方もいらっしゃいますよ。
ごまに含まれる栄養素をおさらいすると、
- 抗酸化力の強いゴマリグナン
- 日本人が不足しがちなカルシウムやマンガンなどのミネラル
- ビタミン類
- 良質のタンパク質
- 必須脂肪酸のリノール酸やオレイン酸
- 食物繊維
などです。
ごまは、冷凍保存しておくと、香りが長持ちしますよ(^^)