筋肉痛が起こらないようにするためには、原因を知ることが重要です。
筋肉痛になれば、「日ごろの運動不足がたたった。」なんて言ったりしますが、運動不足がどうして筋肉痛を引き起こすのでしょう。
同じように運動しても、筋肉痛のでるタイミングが、遅い人もいます。
「年をとったから?」というのは、本当なのでしょうか。
今回は、筋肉痛になる原因や、痛くなるタイミング、治し方のご紹介です。
筋肉痛の原因はなに?
筋繊維に傷が生じる
日常、充分に伸びたり縮んだりという動作が充分に行われている筋肉は、動きもしなやかで、柔軟です。
ですが、普段あまり使われない筋肉は、硬い体と同じように、しなやかさがなく、動かせる範囲も限られてきてしまいます。
そのようになっている筋肉が、いつも以上に使われたりすると、筋肉の中の筋繊維に、傷が付いてしまいます。
筋肉は筋繊維と呼ばれる細い線維がたくさん集まって構成されています。
この筋繊維が傷ついてしまうのが、筋肉痛の原因と考えられています。
白血球が刺激物質を放出
筋繊維が傷つくと、傷ついた場所を修復するために、白血球が集まってきます。
その白血球が、痛みの素となる刺激物質を放出します。
刺激物質が筋膜に到達
ですが、すぐに痛みを感じないのは、痛みを伝える感覚中枢が、筋繊維を束ねている筋膜にあるからなのです。
刺激物質が筋膜に到達するまでに、ある程度の時間がかかるので、次の日に痛くなったりする、というわけです。
筋肉痛になりやすいとき
山登りなどをしたときに、登り坂よりも、下り坂の方が足が疲れる、なんて感じたことはありませんか。
また、筋肉痛真っ只中の時に、階段を上がるときよりも、降りる時に感じる痛みの方が大きい、と感じたことは?
筋肉って、伸ばすよりも縮める方が得意で、縮めている時に力を入れるよりも、伸ばした状態で力を入れる方が苦手で、負荷も大きくなります。
つまり、重たい物を持ち上げる時よりも、降ろす時の方が負担が大きい、ということです。
エキセントリック・コントラクション
この伸ばした状態で力を入れることを「エキセントリック・コントラクション」と言います。
エキセントリックには、「風変わりな」とか「変わった」などの意味があります。
コントラクションは、「収縮」とか「負荷が生じる」などです。
普段あまり、腕を伸ばすストレッチなどをしない人が、ボーリングなどをすると、筋肉痛になりやすいといえるでしょう。
コンセントリック・コントラクション
ちなみに、筋肉を縮める方向で力を加えることを「コンセントリック・コントラクション」と言います。
鉄棒の懸垂(けんすい)で体を上に上げるときなどがこれに当たります。
アイソメトリック・コントラクション
また、伸び縮みがない状態で、筋肉に力を加えることを「アイソメトリック・コントラクション」といいます。
腕相撲で両者が互角の戦いをしてるとき、腕が動かない状態のとき、などがこれに当たりますね。
年をとると筋肉痛が遅くなる、といわれるわけ。
毛細血管の発達
ほかの人と同じように運動しているのに、人より遅く筋肉痛になったりする人が、いますよね。
普段、よく使っている筋肉の周りには、毛細血管もよく発達しています。
筋肉に栄養を運んだりしなければならないからです。
ですが、あまり使わなくなった筋肉の周りには、それほど毛細血管が発達していません。
白血球は血液に乗ってやってくる
筋繊維が傷ついた時に駆けつける白血球は、血管の中にありますよね。
血管がしっかり筋肉まで伸びていれば、白血球が、傷ついた筋繊維のところに集合するのも早いのです。
血管が発達していなければ、到達するのに時間がかかってしまいます。
まるで、交通機関が発達している都市と、そうでない都市のようです。
痛みの出る速さは、毛細血管の発達の具合によって変わる、ということです。
筋肉痛の予防
日ごろのストレッチが有効
筋肉痛を予防するためには、日ごろから筋肉をよく伸ばしておくことが、有効です。
今の私たちの生活は、心理的・身体的なストレスにさらされていることも多いですから、筋肉が硬く緊張しやすい状態になっています。
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2週間前からストレッチ
普段からストレッチなどを習慣にしていることがいいのですが、それができないという方でも、筋肉痛になりそうな活動をする、2週間前くらいから、筋肉を伸ばしておくことで、筋肉痛を予防することができます。
でも、筋肉痛って知らない間になるんですよね(^^)
筋肉痛の治し方
なってしまった筋肉痛を治すためには、一旦、痛みのあるところを冷やしましょう。
冷やすことで、炎症を早く沈めることができます。
そして、痛みが治まったあとは、温めましょう。
温めることによって、血行を促し、回復を早めることができます。
まとめ
いかがでしたか。
筋肉は使わなければ、段々硬くなって柔軟性が失われてきます。
筋肉痛はそのサインだと言ってもいいでしょう。
筋肉が硬くなると、筋肉痛になるだけではなく、血行が悪くなって、体の隅々に栄養を届けたりすることができなくなってきます。
また、筋肉の中には神経やリンパ管も通っています。
硬くなると、むくんだり、神経痛になってしまうこともあります。
時々、手を組んで、上や前や横に伸ばしたり、足の後ろを伸ばしたり、腰を回したりするといいでしょう。
ちょっとした隙間時間に実践することで、筋肉の柔軟さが保てますので、ぜひやってくださいね。
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今日から歯磨きは、足のうしろを伸ばしながらやってくださいませ(^^)