背中のしびれは、内臓の病気が原因で生じることがあります。また、背中には背骨があり、中を神経が通っていますので、背骨に異常がある場合などでも、背中のしびれとして現れることがあります。
背中と言っても広いですから、左側、右側、あるいは真ん中の、どの辺りでしびれが発生しているのかによっても、考えられる原因は異なります
今回は、背中のしびれの原因について解説していきます。
しびれとともに出やすい症状なども載せていますので、何科を受診するのがいいか、と考える時の参考になればと思います。
この記事の目次
背中の左側のしびれ、原因はなに?
背中のしびれは心臓病?
心臓病がある場合は、おもに胸に症状が現れますが、背中の左側あたりに違和感をおぼえることもあります。
もし、心臓に異常が起きているとしたら、背中のしびれだけではなく、次のような症状、感じをともなうことが多いと言われています。
- 心臓の鼓動、脈に違和感を感じたことがある。
- 一瞬、気が遠くなったことがある。
- 胸がなんとなくおかしいと感じる。
- 寝ている時に、胸が苦しくて、起きたことがある。
- 喉やあご、歯に違和感がある。
- 最近、体力が落ちたように感じる。
- 最近、足がむくむ
などです。
背中のしびれはすい臓の病気?
胃の裏側にあるすい臓には、栄養素の分解や血糖値を調節するなどの働きがあります。
栄養素の分解、消化にはすい臓で作られる、膵酵素(すいこうそ)が使われますが、この膵酵素が糖尿病、自律神経の乱れ、ストレスなどが原因で、すう臓自体を消化してしまうことがあります。
その結果、すい臓に炎症がおきたり、がんが発生することもあります。
すい臓病の症状は?
すい臓に異変が起きたときの症状は、背中の左側にしびれや痛みが生じるほかに、次のような症状をともなうことが多いと言われています。
- みぞおちから、わき腹付近が痛む
- 吐き気
- 食欲・体重の低下
- 発熱
- 黄疸
などです。
アルコールの摂取や喫煙、肥満などが原因で起こることが多いと考えられています。
背中のしびれは胃の病気?
胃に異常が起きる原因は、ストレス、ピロリ菌の感染、長期の服薬、喫煙、塩分の摂り過ぎなどです。
胃に異常が起きたときは、背中のしびれのほかに、
- 胃のあたりの痛み
- 吐き気
- 胸焼け
- 食欲減退
- ゲップがすっぱい
などの症状をともなうことが多いと言われています。
背中の右側のしびれ、原因はなに?
背中のしびれは肝臓の病気?
肝臓はアルコールやコレステロールの分解などを行う、ウエストの右側あたりにある比較的大きな臓器で、様々な原因によって負担をかけられると、炎症をおこしたり、がんが発生したりします。
肝臓に負担をかけるもの
肝臓に負担をかけるものには、アルコール、ウイルス、薬剤などがあり、免疫細胞が異常な行動をおこすこともあると言われています。
肝臓に異常が起きたときに、背中の右側にしびれや痛みが生じることがあると言われています。
背中の真ん中のしびれ、原因はなに?
背中のしびれは変形性頸椎症(へんけいせいせきついしょう)?
変形性頸椎症の頸椎(けいつい)とは、首の骨のことで、7つの骨で構成されています。
首の骨がすり減ったり、小さなとげ状のものができたりという、変形が原因でおこる症状が、変形性頸椎症(へんけいせいせきついしょう)です。
頸椎の中に脊髄(せきずい)という神経が通っていますので、脊髄が圧迫されるなどが原因で、背中の真ん中あたりや手足がしびれるなどの症状がでます。
頸椎の変形は、年齢と共に、誰にでも起こることで、高齢になるとほとんどすべての人に見られると言われています。生活に支障がない場合は、特に治療を行わないこともあります。
ですが、手足のしびれが出てきたり、首の痛みが出てきたりすると、他の病気が隠れている場合もあるので、注意が必要なんです。
背中のしびれは胸椎椎間関節症(きょうついついかんかんせつしょう)?
頸椎(けいつい)の下には、胸椎(きょうつい)という12個の骨がつながり、胸椎の一つ一つを椎間関節(ついかんかんせつ)という関節がつないでいます。
この関節が変形などを起こすことによって、神経が圧迫され、背中のしびれとなって表われることがあります。
椎間関節が変形を起こす原因は、おもに体の歪みだと言われています。
- いつも同じ肩にカバンをかける
- いつも決まった向きで寝る
- いつも、うつぶせ寝をしている
- 座っている時の姿勢や、立っているときの姿勢が悪い
など、日頃のくせで、椎間関節の変形が生じます。
筋肉の疲れがしびれの原因?
あなたに、特に無理な体勢をしたおぼえがなくても、筋肉は疲れていることがあります。
筋肉は使いすぎたり、筋力以上の負担をかけると、筋肉の中の細い束が損傷して、 酸素が行き届かなくなり、痛みやしびれとなって現れることがあるのです。
また、筋肉は使わなさ過ぎると、老廃物がたまって硬くなり、やはり酸素や栄養が行き届かなくなるので、痛みやしびれ、またはだるさとなって現れることがあります。
放散痛(ほうさんつう)ってなに?
放散痛というものをご存知ですか。
放散痛とは、たとえば心臓に異変が起きていたとしても、その症状が、必ず心臓に現れるというのではなく、その周りにあるあごや肩、歯、 背中などに出る症状のことです。
原因部位とはかけ離れたところに、症状が出ることがある、ということなのです。
まとめ
いかがでしたか。
気になる症状があるときは、自己判断は避けて、早めに診察を受けたほうがいいですね。 神経内科や整形外科、内科などを受診して、症状を詳しく伝える事が大切です。
先ほどもお伝えしましたが、しびれや痛みはその周辺臓器や器官だけではなく、少し離れたところで起きている異常という事も考えられます。
そんなことも視野に入れておくといいでしょう。また、自覚のない筋肉疲労ということも考えられますね。
酸素と栄養を全身に届けることを、忘れないでくださいね(^^)