「丸」と「円」はどちらも「まる」と読むので、使い方に迷うことってありますよね。
しかも 「まる」って日常、比較的よく出てくる言葉です。
子供さんがいらっしゃる方は、特にそうかもしれません。
地球はどっちで、先生からもらう「まる」はどっち? なんて。
「丸」と「円」のそれぞれの 意味や違いを、「丸い」と「円い」の意味も合わせて見ていきましょう。
この記事の目次
「丸」(丸い)と「円」(円い)の違いはなに?
「丸」または、 「丸い」は、本来、
球形(立体)、または粒状のもの、という意味と、
「丸のままかじる」にみるように、全部とか完全という意味、また、
「丸く収める」にみるように、角がない、などの意味があります。
それに対して
「円」または 「円い」は、
平面的な円の形という意味と、
「円満」にみるように、おだやかな様子、
という意味もあります。
「丸」(丸い)と「円」(円い)の違いを、さらに例を見ながら確認していきましょう。
「丸」(丸い)の意味と、使い方
「丸」や「丸い」は、 球形の意味がある、とご説明しましたが、「丸」を使った例に、次のようなものがあります。
● 地球は丸い
● 丸い卵
● 背を丸くする
● 丸薬(がんやく:小さく丸めた薬)
● 弾丸(だんがん)
また、 全部、完全という意味で使うときは、
● 丸洗い
● 丸暗記
● 丸写し
● 丸一日
● 丸裸
● 丸儲け
● 丸を付ける
などがあります。
子供さんが先生からもらう丸には、 形以上のものがある、ということではないでしょうか。
大いに褒めてあげてください ^^
そして、「丸」にあるもう一つの、角がない、という意味では
● 人柄が丸い
などがあります。
「円」(円い)の意味、使い方
「円」や「円い」は、 平面的に円の形という意味で使い、次のような例があげられます。
● 円窓(まるまど)
● 円屋根(まるやね)
● 円天井(まるてんじょう)
● 板を円く削る
● 円い筒
● 円い柱
● 円く輪になる
などがあります。
円い筒や円い柱は、円形をもとに作られたもの、という風に理解するのも、一つだと思います。
円のもう一つの意味に、穏やかなもの、がありましたね。
たとえば、
● 人柄が円い
● 円く収まる
などがあります。
あれっ!?
とお思いになった方がいらっしゃるでしょう。
先ほどの「丸い」のところでも、「人柄が丸い」や「丸く収める」をご紹介したからですよね。
そうなんです。
「円」と、「丸」はどちらを使って書きあらわしてもいい、というものがたくさんあります。
下の表は、平成26年に文化庁から出た 「文化審議会国語分科会」の資料ですが、こちらにも 『円形のものに対しても、「丸」を当てることが多い。』と記されています。
「丸」と「円」のどちらも使われる例を、示しておきましょう。
● 丸/円顔
● 丸/円い窓
● 丸/円い屋根
● 丸/円い天井
● 丸/円がんな
● 丸/円いお月さま
● 丸/円く輪になる
● 人柄が丸/円い
● 丸/円く収める
などがあります。
どちらを使ってもいい、といわれると、どちらを使おうかって、迷ってしまうかもしれませんね。
「丸」と「円」に対する感覚は、個人差もありますし、好きな方を使っていいと思います。
また、通常「丸」が用いられるものには、次のようなものがあります。
● 日の丸
● 丸印
● 二重丸
● 丸太
● 丸帯
などです。
まとめ
いかがでしたか。
結局のところ使い分けがはっきりしなかった、という感じに終わりそうですが、
一般的に、 球形は丸、平面的な形状は円を使う。
でも、この両者、はっきりと区別ができるか、と言われれば、とてもむつかしいものがありますよね。
球形も割ってみれば、断面は円ですからね。
屋根や天井が「丸」なのか、「円」なのか決められない、というのが本当のところではないでしょうか。
「超える」と「越える」の違いは何でしょう?
「対象」と「対照」、「対称」の違い、使い分けは?
「形」と「型」の違いと使い分け
「形と型の違いは?」
今回は、丸く/円く収まったのか、収まらなかったのか(;´・ω・)
これに懲りずにまた、よろしくお願いします ^^