財布の紐は「固い」?それとも「硬い」?もしかして「堅い」!?
こんな風に、「かたい」の字の使い方で迷うことってありますよね。
「かたい」という言葉は、また、案外色んなところでよく使います。
今回は、「固い」と「硬い」と「堅い」の違いについて解説していきます。
「かたい絆」は、どの字を使うのでしょうね。
この記事の目次
「固い」と「硬い」と「堅い」の違いは?
「固い」と「硬い」と「堅い」の違いは、それぞれの意味と使い方を確認することで、理解できるでしょう。
「固い」の意味は?
「固い」の意味は、
- 一定の形ができあがっていて、形が変わらない様子。例⇒ 固体、固形など。
- 強くて外からの力に負けない様子。例⇒ 守りが固い、口が固いなど。
です。
「硬い」の意味は?
「硬い」の意味は、
- 鉱物の硬い様子。例⇒ 硬い石、硬い合金など。
- 石のように張りつめている、こわばっている様子。例⇒ 硬い表情、体が硬いなど。
です。
「堅い」の意味は?
「堅い」の意味は
- 確かで危なげない様子。例⇒ 合格は堅い、堅い商売など。
- 質がしまって壊れにくい様子。例⇒ 堅い材木、織り目がつまって硬いなど。
です。
では、「かたい氷」はどれでしょう。
「かたい氷」はどれを使うの?
「かたい氷」の「かたい」の意味は、
「固い」の①、 「一定の形ができあがっていて、形が変わらない様子。」でしょうか。
それとも「堅い」の②、「質がしまって壊れにくい様子」でしょうか。
実は、答えは2つとも正解です。
「固い氷」という場合は、固体としての状態をさします。
「固」には、「固(かた)まる」とか「固(かた)める」という意味がありますので、水が固まった状態のものを言います。
一方、「堅い氷」は氷の中でも、カチコチに固まっている氷のことをさすのです。
厚く、かたい氷のことを「堅氷(けんぴょう)」と言います。
「かたい餅」も「固い餅」と「堅い餅」、それぞれに微妙に意味の違いがあって、どちらも使えます。
「かたい守り」はどのかたい?
それでは「かたい守り」はどうでしょうか。
「固い」の②の意味で、「強くて外からの力に負けない様子。」でしょうか。
それとも、「堅い」の①の意味で、「確かで危なげない様子。」でしょうか。
こちらも答えは「固い」と「堅い」の両方が正解です。
「固い」の場合は、しっかりしていて揺るがない状態という意味です。「固い守りの城壁」など、と使います。
一方「堅い」は、手堅く堅実(けんじつ)というように、人の性質や特徴を表します。「堅い守りの内野陣」などのように使います。
さらに、それぞれの使い方例を見て、理解を深めましょう。
「固い」の使い方例
「固い」の使い方の例は
- 練り固める
- 地盤が固い(堅い)
- 口を固く閉ざす
- ひもを固く結ぶ
- 財布の紐が固い
- 固い約束
- 固く信ずる
- 頭が固い
などがあります。
「硬い」の使い方例
「硬い」の使い方の例には
- 硬い土(固い)
- 硬い肉(固い)
- 硬めに煮る
- 表情が硬い
- 文章が硬い
- 身のこなしが硬い
- 緊張して硬くなる
- 手触りが硬い
などがあります。
「堅い」の使い方例
最後に「堅い」の使い方の例も見てみましょう。
- 義理堅い
- 口が堅い
- 優勝は堅い
- 堅苦しい
- 堅物(かたぶつ)
- 物堅い(ものがたい)(行いが慎み深いという意)
などです。
反対語がヒントになることも
どの漢字を使うのか分からないときは、それぞれの反対語がヒントになることもありますよ。
「固い」の反対語は、「ゆるい」です。
「硬い」の反対語は、「やわらかい」です。
「堅い」の反対語は、「もろい」です。
参考になりましたか。
まとめ
「固い」と「硬い」と「堅い」、それぞれの意味や違い、例などをご紹介しましたが、いかがでしたか。
もう一度おさらいすると、
「固い」は、
- 形が変わらない様子
- 強くて外からの力に負けない
という意味。
「硬い」は、
- 鉱物の硬い様子
- 石のように張りつめている、こわばっている。
という意味。
「堅い」は、
- 確かで危なげがない
- 質がしまって壊れにくい
という意味です。
絆はやはり「固い」のがいいですね(^^)