「充分」と「十分」、日本語にはこのように、意味が似ていて、読み方が同じ、というまぎらわしい言葉がありますよね。
どっちを使えばいいのやら、なんて迷ってしまいますね。
今回は、この「充分」と「十分」について解説していきます。
「十分」には「10分」という意味もありますね。
「充分」と「十分」の違い?
結論から言うと、一般的、本来的に「満ち足りて何の不足もないさま」という意味で使う場合の「じゅうぶん」には、「十分」が用いられます。
分量が満ち足りている場合も、数量が満ち足りている場合も、考えや心に対して使う場合も、この「十分」を使っておけば、間違いありません。
「充分」はどこから来た?
「充」の字を使う言葉には、現在の常用漢字表に載っているように「充実(じゅうじつ)」や「充電(じゅうでん)」「補充(ほじゅう)」などがあります。
出典:文部科学省(常用漢字表)
「充実」には、「内容が満ち満ちて豊かなこと」
「充電」には、「蓄電池や蓄電器に、電気をたくわえること。」または、「活力を蓄えること」
「補充」には、「不足しているものを補う」
という意味があります。
「 充分」は、このような背景から、いつからか使われるようになった、と考えられています。
「十分」には「10分」という意味も
「十分」には「10分」という意味合いを持たせることもありますよね。
「十分煮る」という場合に、困ることがあるかもしれません。
このような場合は、
「十分に煮る」というように、助詞の「に」を使って「不足のないように煮る」という意味を表したり、
「十分間煮る」というように、「間」を補うことで時間を表すようにすると、誤解は避けられるでしょう。
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「十分」の使い方例
最後に「十分」の使い方例をご紹介します。
〇 十分に堪能した
〇 まだ十分に要領を飲み込んでいない
〇 十分な余裕をとる
〇 必要にして十分な要件を満たす
〇 これだけあれば十分だ
などです。
まとめ
いかがでしたか。
今回は「充分」と「十分」についてでしたが、一般的には「十分」を使う、ということでした。
でも、「充分」もよく見かけますし、「充分」の方がよりたくさんある、というイメージを持っているのは、筆者だけでしょうか。
日本語には今回の「充分」と「十分」のほかに、まだまだこのような紛らわしい言葉がたくさんありますよね。
外国の方に日本語について尋ねられる機会が増えた、という方もいらっしゃるでしょう。
しっかりと、把握しておきたいですね。
「すいません」と「すみません」の違い?
「固い」と「硬い」と「堅い」の違い?
「見る」と「観る」の違い?
今回の内容は、十分にご満足いただけましたか(^^)