「~で」か「~に」か、どっちを使えばいいのかなぁ、なんて迷ったことはありませんか。そんなとき、最終的にはどうやって決めましたか。「で」にするか「に」にするか。
なんとなく決めたけど、なんかすっきりしない、ということはありませんでしたか。
今回は、格助詞の「で」と「に」の使い分けについて解説していきます。
日本語の助詞の使い分けって、けっこう難しいですよね。
この記事の目次
「に」と「で」の使い分け
「で」と「に」の違いはなに?
「で」や「に」は助詞の中でも、格助詞と呼ばれるもので、
「で」は、何かが行われる場所などを表す場合に用いられ、
「に」は、何かがある場所や、到達地点を示す場合に用いられます。
もう少し、詳しく見ていきましょう。
次の二つの文章のうち、正しいのはどちらでしょう。
「教室に花があります。」
「教室で花があります。」
これは、簡単ですよね。
では、こちらはいかがでしょう。
「教室に試験があります。」
「教室で試験があります。」
これもわかりますよね。
これら2組の文章を見くらべてみたとき、同じように「教室に~があります」なのに、
花がある場合には、「に」を使い、
「試験」がある場合には「で」を使っています。
この違いは何でしょう。
じつはこれらには、
「教室」が、
あるものが存在している場所を示しているのか、
あることを行うために利用されるのか
というところに違いがあるのです。
「場所」+「に/で」+「もの・こと」の場合、
「場所」が「もの・こと」の所在地や目的地を表す場合には「に」を
「場所」が「もの・こと」に利用される場合には「で」を使います。
もう少し、使い分けの例を見てみましょう。
- 公園にブランコがある
- 公園で遊ぶ
- この町に芸能人が来る
- この町で芸能人がコンサートを開く
これは分かりやすいですよね。
「ソファに寝る」?「ソファで寝る」?
それでは、次の二つの文章のうち、正しいのはどちらでしょう。
「ソファに寝る。」
「ソファで寝る。」
いかがですか。
正解は、どちらも正しいです。
この場合、ソファをいつもの就寝場所としている、と言いたい場合には、「に」を使い、
この日たまたま友人が来て、ソファを就寝場所にする、と言いたい場合には、「で」を使います。
これらは、「に/で」に続く語が、「静態」か「動態」かの違いになります。
簡単に言えば、いつもそうか、そうではないか、の違いということなんです。
こんな場合は、使い分けに迷ったりするかもしれませんね。
ですが、
自分がいつも、ソファに寝ていても、ソファで寝ていても、聞き手に対して大きな誤解を与える、ということはないでしょうから、あまり難しく考えるなくていいでしょう。
「で」の使い方
「~で」には、基本的に「~を利用する」という意味があり、「原因・理由」を表す時にも使います。
「~で」の使い方:「利用する」
利用するものには、「場所」「時間」「道具」「範囲・限界」「状態・話題」などがあります。
たとえば、
- 大学で試験が行われます。(場所)
- 運動場で走ります。(場所)
- 1時間で着くことができます。(時間)
- 映画に行くのは月曜日でいいですか。(時間)
- 筆で書いてください。(道具)
- 車で迎えに行きます。(道具)
- ご応募は、今月までで、締め切らせていただきます。(限界)
- みんなでご飯を食べる。(状態)
- 経済問題で議論する。(話題)
などです。
「~で」の使い方:「原因・理由」
「で」は「原因」や「理由」を表すときにも使います。
たとえば、
- 風邪で会社を休む。
- おやつの取り合いでけんかになる。
- 雨で服が濡れた。
などです。
まとめ
いかがでしたか。
「に」と「で」の使い分けは、こうして見てみると、意外と簡単ですよね。
所在地や目的地をあらわすときには、「に」を
利用する場合は、「で」をお使いください。
「で」の基本的な意味は「利用する」です。
「原因・理由」を表すときにも使います。
「すいません?」、「すみません?」正しいのは?
「固い」と「硬い」と「堅い」の違いと使い分けは?
「見る」と「観る」の違いと使い分けは?
日本語の助詞って、まだまだありますよね(^^)