きのこは、私たちにとって有効に働く様々な成分が含まれた食べ物で、栄養価がとても高いのです。
長年にわたり、薬用として用いられているものもあるのですよ。
今では、いろんな種類のきのこがあって求めやすくなりましたので、毎日でもとり入れたい食材です。
今回は、きのこの栄養や効果・効能、分類などについて解説していきます。
「きのこって、栄養ないんじゃないの?」なんて思っている方もぜひ、ご覧くださいね。
この記事の目次
きのこの栄養成分には何があるの?
きのこの主な成分は、おおむね次のようになっています。
- 炭水化物 4.9% (うち食物繊維は3.5%)
- タンパク質 3.0%
- 脂質 0.4%
- その他 0.7%
- 残りの91%は水分です。
「その他」の中には、ビタミンB群やミネラル、エルゴステロールと呼ばれる、紫外線にあたると、ビタミンDに変化する成分などが含まれています。
乾燥させたきのこでは、食物繊維の含量が、40~60%になり、ビタミンDも生のきのこより多くなります。
きのこのカロリーは高い?
生のきのこのカロリーは100gあたり、わずか18kcalと低いです。
乾燥しいたけや、乾燥まいたけでは、100gあたり180kcal、きくらげでは167kcalになります。
きのこに含まれる栄養素にはどんな効果・効能があるの?
きのこに含まれる栄養成分には、特別な働きをするものも少なくありません。
それぞれの栄養素について、少し見ていきましょう。
きのこの栄養:炭水化物(多糖類)
きのこに含まれる炭水化物の多糖類には、免疫力を高める効果のあるβ(べーた)‐グルカンやチキン・キトサンなどがあります。
これらの多糖類には、ウイルスや細菌を攻撃する免疫細胞の「マクロファージ」や「白血球」などを、活性化させる作用があるからです。
多糖類とは、単糖が多く結びついたもので、結びつき方によって、それぞれに異なる名前が付けられ、機能も異なります。
β‐グルカンは、がんの治療に役立てられることがある成分です。
きのこの栄養:炭水化物(オリゴ糖)
きのこには、炭水化物(オリゴ糖)の一種であるトレハロースが含まれています。
トレハロースには、保湿効果がありますので、化粧品に用いられることがあります。
またオリゴ糖には、便秘を解消する効果があると言われています。オリゴ糖に、大腸に届いて水分の調節をする作用や、腸内細菌の善玉菌を増やす作用などがあるためです。
オリゴ糖の便秘解消効果については、こちらでくわしく解説しています。
きのこの栄養:食物繊維
きのこに含まれる豊富な食物繊維は、体内に入ってきたコレステロールを、腸管の中で吸着し、体外に排出する、という作用があります。
きのこの食物繊維には、コレステロールが増えるのを防ぐ効果があると言われています。
きのこの栄養:タンパク質
きのこのタンパク質には、さまざまな働きのあるアミノ酸が含まれています。
コレステロールを排出する、エリタデニン
シイタケに含まれるアミノ酸の一種エリタデニンにも、コレステロールの体内への吸収を抑えて、排出する作用があり、高血圧や動脈硬化を予防する効果があると言われています。
毒のレクチン?
きのこに含まれるレクチンというたんぱく質には、昆虫などから身を守るためとされる毒性があります。
レクチンの含まれるきのこは、 生で大量に食べると、下痢を起こすことがあると言われています。
レクチンは、加熱することで毒性がなくなりますので、生でない限りは安心していいでしょう。
きのこの分類と比較
きのこには、食用のものと薬用のものがあり、薬用のものはこれまで、漢方医学の生薬として用いられてきました。
薬用きのこの種類には何があるの?
薬用きのこには、次のようなものがあります。
霊芝(れいし)
出典:wikipedia
霊芝は別名を、マンネンタケといい、中国語で「最高のきのこ」という意味を持っています。
霊芝にはがん細胞をおさえこんだり、生活習慣病を予防したりする効果が期待されています。
冬虫夏草(とうちゅうかそう)
出典:玉川酒造株式会社
昆虫に寄生するという珍しいきのこです。
冬虫夏草の中でも、ノムシタケ属に属するものに、不老長寿に効果があるとして、古くから滋養強壮の薬として、用いられているきのこがあります。
メシマコブ
出典:健康・野草茶センター
メシマコブは、桑黄(そうおう)と呼ばれるきのこの種類のひとつで、採取も栽培も難しいことから、大変貴重なものとされています。
メシマコブは、免疫力を強化したり、アレルギーを抑える効果があるものとして、利用されています。
抗がん剤と併用することで、抗がん剤の副作用を抑える働きもある、と言われています。
食用きのこの種類には何があるの?
食用のきのこにもさまざまな種類があり、いろんな健康効果が期待されています。
アガリクス
元々日本にはなかったアガリクスですが、昭和40年にブラジルから移入され、今では人工的に栽培されています。
免疫力の活性化、がん細胞をおさえる作用が期待されています。
マウスを使った実験では、アガリクスから抽出された成分により、がん細胞の増殖を90%以上の確率で阻害することができ、できてしまったがんを治癒させることも高い確率でできた、という報告があります。
マイタケ
人工栽培されるようになって、スーパーでもよく見かけるようになりましたが、昔は貴重なものでした。
マイタケには、免疫力の活性化、抗腫瘍の効果のほかに、チロシナーゼと呼ばれるシミやそばかすを作る酵素を、阻害する作用もあると言われています。
シイタケ
一時、少し高価になっていましたが、この頃はまた比較的、求めやすくなりましたね。
しいたけには免疫力の活性化、抗腫瘍のほかに、コレステロールを下げる効果があると言われています。
干しシイタケで作るだし汁には、グアニル酸といううまみ成分が多く含まれています。
グアニル酸は、RNA(リボ核酸)が酵素によって分解されてでき、高温にしたときに良く働きます。つまりしいたけは、乾燥させることで傷ついた細胞膜にうま味が生じ、水で戻した後、加熱することでさらにうま味が出る、というきのこなのです。
干しシイタケは、レンチオニンという香り成分も生み出します。
グアニル酸はグルタミン酸などのアミノ酸系のうま味を合わせると、相乗効果でうま味が増すとも言われています。
しめじ
しめじには、食欲を抑える効果があると言われていますので、ダイエットきのこと呼ばれていたこともありました。
ヤマブシタケ
出典:wikipedia
ヤマブシタケには、脳の機能を改善し、痴呆症を予防する効果があると言われています。
まとめ
いかがでしたか。
きのこには、さまざまな栄養があり、色々な効果が期待され、研究も続けられています。
きのこはカロリーが低いということもあり、普段の食事に積極的に取り入れたい食べ物ですよね。
きのこは全世界で6万種以上、日本では5000~6000種はあると言われているのですよ。そのうちの約200種が食用とされています。
これからも、新しくておいしい色んなきのこが出てくるのでしょうね ^^)