耳にツボがあることをご存知の方は多いですが、しっかり活用できている方は、少ないかもしれません。
食事の前に、耳のツボを少しもむだけで、食欲が抑えられたり、耳たぶをさするだけで、目の疲れが緩和したり、頭痛や歯痛をやわらげたりするツボもあります。
今回は、耳のツボを見込める効果別に、図解でご紹介します。
耳全体のマッサージ方法も参考にしてくださいね。
この記事の目次
耳のツボ図解
耳のツボを次のような効果別にご紹介します。
- 難聴の改善
- 頭痛の緩和
- ダイエット
- 疲れ目の緩和
- 禁煙したい時
難聴の改善に効果のあるツボ
耳門・聴宮・聴会の位置
「耳門」(じもん)は 「耳珠(じじゅ)」と呼ばれる、耳の穴の入り口にある出っ張りの前で、斜め上にあります。
耳門の下にあって、耳珠のちょうど前あたりにあるのが 「聴宮」(ちょうきゅう)です。
「聴会」(ちょうえ)は、聴宮の下で、耳珠の斜め下にあって、口をあけたときに、へこむところです。
耳門・聴宮・聴会のマッサージ方法
3つのツボはそれぞれに、人差し指の腹で、軽く押しましょう。3秒ずつくらいで押したり離しなりしてくださいね。
はじめはやさしく、様子を見ながら押してください。
また、この3つのツボを同時に押さえ、円を描くようにマッサージしても効果があります。
耳門・聴宮・聴会の効果
このツボは3つとも、 耳鳴りにも効果があります。
また、この3つのツボは、それぞれに別の 経絡(けいらく)という血と気の通り道の途中にあるツボなので、それぞれ別の効果を得ることもできるのです。
耳門を通っている経絡は、 三焦経 (さんしょうけい)で、体の 水分調整と老廃物の排除を行います。顔の水分代謝を促し、 むくみ解消に効果があります。
耳門は、そのほかに、顔の くすみやたるみをとり、美白やリフトアップに効果的です。
聴宮を通っているのは、 小腸経 (しょうちょうけい)で、首や肩、肩甲骨まわりの調整に重要な経絡です。喉やあごの 痛み、 肩こりの緩和に効果があります。
聴会を通っているのは、 胆経 (たんけい)といい、足の先まで続いている経絡です。 頭痛から脇の痛み、腰痛、膝の痛み、足の薬指の 痛みを緩和する効果があります。
難聴には、頭のてっぺんにある 「百会(ひゃくえ)」や、首の後ろにある 「風池(ふうち」)というツボも効果があるのですよ。
関連記事⇒「百会はどこにあるの?」
頭痛の緩和に効果のあるツボ
神門(しんもん)の位置
神門(しんもん)は、図のように耳のくぼみの中にあります。
神門のマッサージ方法
神門を耳と同じ方の、手の親指と人差し指で挟み(親指は耳の裏に)、円を描くようにマッサージしたあと、外側、斜め上に向けて引っ張ります。
神門の効果
神門は「神・宇宙につながるツボ」と言われていて、 自律神経を整える、重要なツボです。
頭痛などの解消のほか、体の緊張や興奮、 イライラを沈める効果もあります。
神門の刺激は、脳全体が活性化し、潜在能力が発揮されるとも言われています。
アスリートや歌手の中に、このツボマッサージを習慣にしている人がいらっしゃいます。
額(がく)の位置
額は、図に示すように、軟骨の出っ張っているところです。
額(がく)のマッサージ方法
耳と同じほうの手の親指と人差し指の先で、出っ張っている 額を挟み、3秒押して、3秒はなす、を数回繰り返します。
このとき、額のあたりに意識をもっていくと、あなたに一番効果のある場所が分かるでしょう。
ツボを押すときに息を吐いて、はなしたときに息を吸う、というように、 呼吸に合わせてマッサージすると効果的です。
額(がく)の効果
額のマッサージは、耳の周辺の血流を改善するとともに、顔や頭全体に影響し、視力や味覚、聴覚などの回復・改善のほか、歯痛や不眠症の解消などに効果的なのです。
ダイエットに効果のあるツボ
ダイエットに効果のある耳のツボは「飢点」(きてん)と、図に示したように、耳の中のくぼんだところにもたくさんあります。
飢点の位置
飢点は、耳珠の真ん中にあります。
飢点や耳のくぼみ、マッサージ方法
飢点を耳と同じほうの親指と人差し指ではさみ、圧力を加えていきます。
3秒ずつ、挟んではなして、というように繰り返し行います。呼吸も忘れないようにしてくださいね。
力を入れるときに、息を吐きます。緩める時は息を吸います。
食事の30分前にマッサージするのが効果的ですよ。
耳のくぼみは、人差し指で押し気味に、全体をなぞるようにさすっていきます。ゆっくりとした呼吸と共に行ってください。
押して気分が悪くなる箇所があったら、無理に圧力をかける必要はありません。
飢点の効果
飢点(きてん)は、食欲を抑える効果があります。
また、耳のくぼみのたくさんのツボは、ホルモンのバランスを整えて、女性の月経不調を改善するほか、 脂肪の燃焼促進、 花粉症や呼吸器疾患の改善にも効果があります。
やけ食いをしそうな時は、頭痛の解消でご紹介した 神門の刺激が効果的です。
関連記事⇒「自転車ダイエットでは脂肪が燃えます」
疲れ目に効果のあるツボ
疲れ目を解消する効果のあるツボは、「眼(め)」というツボです。
眼の位置
眼(め)の位置は、耳たぶのちょうど真ん中あたりです。
眼のマッサージ方法
耳たぶを親指と人差し指ではさみ、数秒間もみほぐすようにマッサージしてください。
痛くなったら止めて、様子を見ながら行ってくださいね。
眼の効果
眼は、目に関する不調を改善するツボで、 近視や乱視のほか、白内障、結膜炎、ものもらいの改善にも効果があります。
関連記事⇒「目の疲れを取るツボのご紹介です」
禁煙に効果のあるツボ
禁煙に効果のあるツボは、頭痛の緩和のところでもご紹介した「神門」(しんもん)と、「口」と「肺」のツボです。
口、肺の位置
「口」は、耳の穴のすぐ近くで軟骨の下にあります。
「肺」は、口の斜め下にあります。
口、肺のマッサージ方法
タバコが吸いたくなったときは、この口と肺、または神門の位置に綿棒などを当てて、軽く刺激してください。綿棒がないときは、指でもOKです。左右同時に押すと効果があります。
押されている耳の部分に意識を持っていき、深い呼吸をしましょう。
肺が綺麗になっていく、というイメージでするとなおいいですね。
耳を全体にマッサージして、さらに効果を高めましょう
最後に、耳の全体をマッサージする方法をご紹介します。
〇 耳全体を、指先や指の横、関節などを使って、軽くマッサージしてください。
〇 耳を持って、図のようにいろんな方向に引っ張ってください。
〇 耳の 付け根まわりを指先で軽く押してください。
ツボを見つけるコツ
ツボの位置は、人によって微妙に異なります。
ツボを探す手がかりとして、以下のことを参考にしてください。
① 押して違和感や痛みを感じる
② かすかなしこりのようなものを感じる
③ くぼんでいる
④ 押すと気持ちいい
などです。
耳のツボ刺激、注意点
以下に該当する場合は、ツボの刺激を行わないでくださいね。
- 妊娠中
- お酒を飲んだ後
- 耳を怪我している時
- 熱がある時
耳ツボへの刺激は、左右の耳を同時にするのが効果的です。
同時にするのがやりづらい場合には、片方ずつを同じように刺激するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。
耳ツボの刺激を行うと、すぐに耳が暖かくなるのを感じると思います。
耳は、冬になると、とても冷たくなる場所でもありますから、マッサージして血行をよくすることが大切ですね。
耳のツボ刺激の効果は、体験してみると実感できますので、体の変化に気をつけながら行ってみてください。
すぐに体験できなくても、続けることで効果を実感できることもありますよ。
自律神経を整える、とっておきのツボもありますので、ぜひ活用してくださいね(^^)