何をしても改善しない肌荒れは、便秘が原因になっていることが少なくありません。
腸は、私たちの肌を健康に保つ重要な器官で、便秘によって腸内が荒らされると、いろいろと困った症状が出てしまうのです。
また、あることが原因で、肌荒れと便秘の両方を引き起こしてしまうこともあります。
今回は、便秘と肌荒れについて解説していきます。
この記事の目次
便秘が肌荒れを起こすメカニズムや原因は?
便秘が肌荒れを起こすメカニズムには、次の3つのことがあると言われています。
- 腸内に悪玉菌が増えて、毒素や有害物質が発生する
- 毒素や有害物質が原因で、活性酸素が発生する
- 悪玉菌が、からだの免疫力を低下させ、ターンオーバーも狂わせる
それぞれについて詳しく解説していきます。
肌荒れの原因は、便秘による悪玉菌の増加!?
便秘が続いている腸の中は便の腐敗が進み、悪玉菌が増えてしまいます。
悪玉菌は、毒素や有害物質を発生させますので、便でふさがれた腸の中は、毒素や有害物質でいっぱいになっています。
毒素や有害物質が、血液に混ざって皮膚に届く
毒素や有害物質は、栄養などと一緒に腸から血管に吸収され、血液に混ざって全身に運ばれます。
やがて皮膚にも届きダメージを与える、というわけなのです。
ビタミンなどの栄養成分なら、皮膚を健康に美しく保つ作用がありますが、毒素や有害物質は逆に、皮膚の色をくすませたり、カサカサさせたりと、肌荒れを起こしてしまうことになるのです。
毒素や有害物質は、ニキビや吹き出物に!
さらに毒素や有害物質は、体から追い出されるときに、ニキビや吹き出物といった症状となってあらわれることもあります。
汗や吐く息、髪の毛、爪に混ざって、毒素や有害物質が排出されることもあります。
毒素や有害物質が原因で、活性酸素が発生する
体内に発生した毒素や有害物質を、白血球が退治しようとするときに、大量の活性酸素を発生させます。
ニキビなどの肌荒れの原因には、この活性酸素が大きく関わっていることがわかってきているのです。
ニキビと活性酸素については、こちらで詳しく解説していますので、参考にしていただければと思います。
悪玉菌が、皮膚の免疫力を低下させる
腸には腸管免疫(ちょうかんめんえき)という、私たちの体を外敵から守るシステムの大部分をつかさどっていると言われる免疫機能があります。
腸管免疫は、腸内細菌のバランスが保たれているときにうまく作用すると言われていますので、便秘で悪玉菌が増えてしまった腸では、免疫機能がうまく働かず、皮膚の 免疫能力の低下にもつながってしまいます。
皮膚の免疫機能が低下すると、細菌や異物が肌から侵入しやすくなり、肌荒れを起こしてしまうというわけなのです。
便秘と肌荒れ、両方を生じさせやすい食べ物!?
消化の悪い脂肪分の多い肉類は、腸の中で腐敗便になりやすい上に、悪玉菌のエサになってしまうと言われています。
また、脂肪の摂りすぎは、ニキビや肌荒れの原因になる皮脂の分泌過剰を引き起こすことにもなります。
肌荒れと便秘を改善するためには、脂肪分の多い肉類は、控えた方が良さそうですね。
便秘と肌荒れを同時に起こす原因とは。
便秘と肌荒れを同時に起こしている原因に、ストレスがあります。
ストレスは便秘の原因に!
ストレスがかかると、胃酸の分泌をコントロールしている自律神経の働きが低下してしまいます。胃で十分に消化されなかった内容物が腸で腐敗が進み、悪玉菌が増えてしまう、ということになるのです。
ストレスは肌荒れの原因に!
ニキビなどの肌荒れの原因のひとつに、ストレスも大きく関わっていると言われています。
ストレスはやはり、肌の免疫機能をコントロールしている自律神経の働きを低下させてしまいますので、細菌や異物が肌に侵入しやすく肌荒れを起こりやすくしてしまうのです。
便秘で肌荒れを起こさない改善方法は?
肌荒れを起こさないためには、便秘を解消することが基本的に大切なことなのですが、お腹の中に毒素や有害物質をなるべくとりこまないようにすることも重要です。
食べ物を選ぶときに注意することで、とりこむ毒素や有害物質を減らすことが可能です。
毒素や有害物質を、からだに入れないようにしよう!
毒素や有害物質は、食品添加物や農薬という形で体内に入ってくることが多いですので、肌荒れが気になる方は特に、食材や食品を購入するときに、食品添加物や農薬がなるべく含まれていないものを選ぶことが肝心です。
具体的には、次のことに気を付けてみてください。
- 野菜は、無農薬のものを選ぶ。
- 添加物の少ない調味料やドレッシングを選ぶ。
- ファストフードや、加工食品はさける。
などです。
保存料は、腸内の菌にも影響が!
保存料などに含まれるソルビン酸には、食品を長持ちさせるため、菌の繁殖を抑える効果がありますが、腸内の善玉菌を含む腸内細菌の繁殖も抑えてしまう恐れがあると言われています。
腸内細菌は、便秘のない健康な体を保つために欠かせないものであると同時に、からだにとって大切な、ビタミンやミネラルを合成するという大切な働きもあるのです。
食品添加物や農薬は、なるべく体に摂り入れないようにしたいですね。
肌荒れを起こす便秘に効果のある漢方薬!?
肌の乾燥、またはアトピー性皮膚炎をともなう便秘に、「麻子仁丸(ましにんがん)」や「潤腸湯(じゅんちょうとう)」という漢方薬が効果を発揮することがあると言われています。
「麻子仁丸(ましにんがん)」と「潤腸湯(じゅんちょうとう)」には、水分を保持する働きのある「麻子仁(マシニン)」や「杏仁(キョウニン」)、腸の運動を促進する「大黄(ダイオウ)」などが含まれています。
「麻子仁丸」と「潤腸湯」は、便秘解消の薬として病院などで保険適用となっていますので、気になる方はかかりつけの医師や薬剤師さんに相談してみてくださいね。
漢方薬にも副作用がでることがありますので、服用には注意が必要です。
まとめ
便秘と肌荒れについて見てきましたが、いかがでしたか。
腸と肌にはつながりがあり、腸の環境が悪いと肌にそれがあらわれる、ということですね。
肌荒れがある時は、便秘がちになっていないか、腸の中は健康か、ということを考えてみることは大切ですね。
ストレスをためないようにすることも、大切ですね ^^)