便秘にともなって吐き気がする場合には、いくつかの原因が考えられます。
便秘が重症化していたり、ほかの病気による症状であったり、吐き気を起こす神経に異常があらわれていたりと、さまざまなものがあります。
今回は、便秘と吐き気について解説していきます。
便秘、吐き気のほかに、めまいや腹痛などの症状がないかも、注意してみる必要があります。
この記事の目次
便秘に吐き気をともなう原因はなに?
腸に便がつまりすぎて便秘が重症になると、食べたものが逆流したり、胃が圧迫されたりして、吐き気をもよおすことがあります。
便秘が重症化する原因はなに?
吐き気がするほど便秘が重症になる原因には、次のような病気が隠れていることもありますので注意が必要です。
- 腹痛をともなうこともある、腸閉塞(ちょうへいそく)
- 発熱することもある、大腸憩室炎(だいちょうけいしつえん)
- めまいをともなうこともある、過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)
それぞれについて、ほかの症状などもみていきましょう。
腸内がふさがってしまう腸閉塞(ちょうへいそく)
便が先に進めず腸がふさがった状態になるのが、腸閉塞(ちょうへいそく)で、イレウスとも呼ばれています。
腸閉塞の便秘・吐き気以外の症状は?
腸閉塞になると、ガスと液体がたまることで腸管が広がり、腹痛やお腹の張り、嘔吐(おうと)などを発症することもあります。
急激でいつまでも続く腹痛がある場合は、腸閉塞の疑いがあり、血行不良がおきてしまうと、腸管の壁が障害されてしまうこともありますので、特に注意が必要です。
腸閉塞の症状については、こちらでも詳しく解説しています。
腸閉塞になる原因は?
便秘や吐き気をおこす腸閉塞になる原因には、次のようなものがあります。
- 腸がねじれる、腸管軸捻転(ちょうかんじくねんてん)を起こしている
- 腸管の一部が、重なってしまう腸重積(ちょうじゅうせき)を起こしている
- 開腹手術の後にみられる癒着(ゆちゃく)をおこし、腸内の一部が細くなってしまう
- 便を先に送るための蠕動運動(ぜんどううんどう)が停止している
- 腸管がけいれんを起こしている
などです。
腸閉塞は、開腹手術をした人に多くみられると言われています。
大腸憩室炎(だいちょうけいしつえん)
大腸憩室炎とは、大腸にできたくぼみ(憩室:けいしつ)に炎症がおきることで、便秘と吐き気の症状が出ることがあると言われています。
大腸憩室炎の便秘・吐き気以外の症状は?
大腸憩室炎になると、便秘や吐き気のほかに、次のような症状が出ることがあります。
- 下痢
- 腹部膨満感
- 嘔吐
- 腹痛
- 発熱
- 下血・血便
などです。
大腸憩室炎の原因は?
大腸憩室ができる原因には、次のようなことがあると言われています。
- 蠕動運動の強い人が食物繊維の摂取が少ない食生活を続けることで、腸管内の圧力が上昇し、腸管の壁が外へ押し出される
- 便秘や強いいきみ
- 腸管の緊張によるこわばり
- 加齢による腸管壁のおとろえ
などです。
大腸憩室ができることは珍しいことではありませんが、そこに炎症がおきると病気が発生してしまいます。
大腸憩室炎については、こちらでも詳しく解説しています。
過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)
過敏性腸症候群は、腸管が敏感になりけいれんを起こすことで、便秘などの排便異常が起きる病気で、吐き気をともなうことがあります。
過敏性腸症候群の便秘・吐き気以外の症状は?
過敏性腸症候群になると、便秘や吐き気のほかに次のような症状がでることがあります。
- 数カ月以上続く慢性的な腹痛やお腹の不快感
- 下痢
- 頭痛
- 動悸
- めまい
- 不眠
- やる気の低下
などです。
過敏性腸症候群の原因は?
過敏性腸症候群の明確な原因は不明ですが、ストレスや腸内細菌が関わっていると言われています。
過敏性腸症候群の原因については、こちらで詳しく解説していますので、参考にしていただければと思います。
腸には神経細胞がたくさんあって、「第二の脳」と言われています。
ストレス状態が続くと腸の働きや自律神経が乱れ、吐き気やめまい、頭痛、動悸などの自律神経失調症状や、不眠、やる気の低下などの精神症状が出ることがあるのです。
自己判断で対処しないことが大切です。
便秘にともなって吐き気がおこる原因などについて解説してきましたが、あなたの吐き気は便秘とは無関係かもしれません。
いつまでも続く不快な症状や痛みがある場合は、早めに医師の診察を受けられることをおすすめします。
まとめ
吐き気をともなう便秘や、便秘が悪化する原因について見てきましたが、いかがでしたか。
腸はデリケートなところで、体全体の免疫をつかさどっているところでもあります。
気になる症状が悪化しないように、早めに医師の診察を受けてくださいね ^^)