便(うんち)は、健康のバロメーターと言われますので、大きさや形、浮いているのか、沈んでいるのかなどをチェックしている人は多いと思います。
でも、正常な便の状態がわかっていなければ、毎回の便のチェックも無駄になってしまいますね。
そこで今回は、便の平均的な重さや、いい状態の便の形、浮き沈みなどについて解説していきます。
この記事の目次
便の平均的な重さってあるの?
日本人が1回にする便の平均的な重さは、150g~200gだと言われています。
150g~200gといえば、小さめのりんごや、大きめのバナナくらいの重さです。
水の重さが150㏄で150gなので、空のペットボトルに150㏄入れてみれば、150gの感覚がわかると思います。
便が重そうだったら異常なの?
便の重さは、食べるものや食べる量により、かなりの個人差がありますので、平均よりも重そうだったり、軽そうだったりしても異常ということではありません。
便の平均的な重さは、国によってもかなりの違いがあり、ケニアやマレーシアの人たちでは500g前後、ウガンダの女性にいたっては、1kgもあるそうです。
逆に、アメリカ人は150gくらい、イギリスの女性は100g以下です。
便の平均的な大きさ(量)ってどのくらい?
平均的な便の大きさは、やはり大きめのバナナ1本分くらいです。
長さでいうと20~30センチくらいですね。
便の大きさや重さは食物繊維の摂取量による
便の大きさや重さは、食物繊維の摂取量に関係しており、食物繊維を多く含むものを食べるほど、便は一般的に大きくなります。
先ほどのケニアやマレーシアの人たち、ウガンダの女性はやはり、毎日の食事でとる食物繊維の量が多いことがわかっています。
反対に、アメリカ人やイギリスの女性では、食物繊維の摂取量が少なく、それにともなって、便が腸を通り過ぎる時間が長くなります。
日本人の平均が24~72時間なのに対し、イギリスの女性では76~96時間かかると言われています。
便の形状で何がわかるの?
出典:Wikimedia
便の形状にもいろいろありますよね。
便の形状は、便の硬さを知る大切な手掛かりになりますし、便秘で病院にいったときにも、問診できかれることが多いところです。
便はかたいほど水分が少なく、小さくなる傾向にあります。
上の画像の一番上に載っている便は、よくコロコロ便と言われ、小さいかたまりがたくさんできる便です。便の中では一番硬く、腸の中にも長くとどまっている便だと判断されます。
次に硬い便は、コロコロ便がバラバラになる前の便です。
コロコロ便ができてしまう理由などについては、こちらでくわしく解説していますので、参考にしていただければと思います。
ちなみに、上の画像は「ブリストルスケール」と呼ばれる、世界共通で使用される便の性状を表わしたものです。
上から4番目の形状が、理想的な便だと言われており、下に行くほど、下痢便を表わしています。
便は浮く方がいいの?沈むのはダメ?
便はたいていの場合、水に沈んでいると思いますが、まれに浮くこともありますよね。便が水に浮く理由には、次のようなことがあると考えられています。
- 便にガスが多く含まれている
- 便に栄養素が多く残っている
- 便に脂肪分が多く混じっている
それぞれについて少し解説します。
便にガスが多く含まれている
便にガスが多く含まれるのは、ガスを発生させやすい食べ物を多く食べたときなどです。糖質を多く含む食べ物はガスを発生させやすいと言われています。
便に栄養素が多く残っている
便に栄養素が多く残るのは、腸でうまく栄養が吸収できない場合などにおこります。
腸を素早く内容物が通り過ぎてしまう下痢便などは、浮くことがありますよね。栄養素もそのまま出て行ってしまうことが多いです。
また、腸になんらかの異常が生じて、栄養素を吸収する力が低下することもあると言われています。
便に脂肪分が多く混じっている
便に脂肪分が多く混じっている場合にも、便は浮きやすくなると言われています。
脂肪分が多く混じる便は、脂肪分の多い食べ物を食べたときや、消化に関わる臓器が炎症を起こしている場合などに、見られると言われています。
便がいつも浮いている場合は要注意?
下痢便とは違い、まとまって出てくるけれど、水分もしっかり含まれている、という健康的な便の場合は、水の中でパラリとほぐれて水に浮く、ということもあります。
ですが、便がいつも浮いて気になる、ということが続いているようなら、念のため医師の診察を受けられるのがいいかもしれませんね。
医療機関に行かれる際は、便の臭いや色などもおぼえておかれるといいと思います。
便の臭いに関しては、こちらでくわしく解説していますので、参考にしていただければと思います。
便は何でできているの?
ところで、便は何からできているのでしょう。
便は、食べ物の残りカスだけではありませんし、むしろ食べ物の残りカスは割合的に少ないのですよ。
健康的な便はほとんどが水分
健康的な便の場合、75~80%が水分です。
残りの20~25%のうち、1/3がはがれた腸の粘膜、1/3が腸内細菌、そして残りの1/3が食べ物の残りカスで、おもに食物繊維です。
便全体から言えば7~8%くらいが、食べ物の残りカスだということですね。
便の重さが平均的な200gあったとすると、食べ物の残りは13~16.5gくらいということになります。
15gの重さといえば、CDやDVD1枚分の重さと同じくらいです。
大きい便を出しましょう
戦前の日本人は、1日に400gの便をしていたと言われていますが、だんだん小さくなってきています。
便の大きさは、腸内細菌の数や健康に影響し、腸内細菌の健康は、私たちのからだ全体の健康に影響をおよぼします。
腸内細菌は、腸で消化を助けたり、ビタミンBやビタミンCを作ったり、病原菌をやっつけたり、幸せ物質と呼ばれる「セロトニン」の元になる物質を作ったりしてくれていることがわかっています。
便が小さくなるということは、食物繊維の摂取量が減っているということで、それに比例して腸内細菌が減っていくのです。
健康的な大きな便は、腸を刺激して動きを活性化し、便秘の解消にもつながります。
なるべく多くの食物繊維をとって、大きな便をすることが私たちの健康を増進すると言われています。
まとめ
今回は、便の重さや形状、浮き沈みなどについて見てきましたが、いかがでしたか。
便のことは、仲のいい友達などにも言いにくいことかもしれませんが、とっても気になりますよね。
私たちのお腹の中を物語ってくれていますので、いつもいい状態で、出てきてほしいものです。
便の観察は大切ですので、続けてくださいね ^^)