「形」と「型」、読み方は同じ「かた」で、字のかたちが似ていて、意味も近いですよね。
この2語は、どう使い分けをすればいいのでしょうか。使い分けの簡単な定義のようなものはあるのでしょうか。
今回は、この「形」と「型」の違いや使い分けについて、解説していきます。
柔道のカタは、「形」?それとも「型」?
この記事の目次
「形」と「型」の使い分け、違いとは?
「形」と「型」の違いをまとめて一言でいうなら、 「形をつくりだすものが型」ということになります。
「形」とは、線によってあらわされるもので、「型」は、その「形」を作り出す元になるものです。
「型」には、洋服という形あるものを作り出すための「型紙(かたがみ)」や、鋳物(いもの)を作り出すための「鋳型(いがた)」などがあります。
「型」に流して作るものといえば、ほかにたい焼きやワッフルなどがあります。
出来上がったたい焼きや、ワッフルの姿が「形」です。
さらに、例を見ながら、それぞれについて詳しく解説します。
「形」の意味はなに?
1語で使う例
「形」はそれ1語で使うことが、それほど多くありません。
● 道に足の形をつける
や
● 洋服の形がくずれる
などがありますが、「かたち」と読んでもOKです。
ただし、
● 借金の形
という場合には、「かたち」とは読みません。
2語で使う例
2語で使う例としては
● 弓形に曲がる
● 卵形の顔
● コの字形
● ピラミッド形
などで、「がた」と濁ることが多いです。
線で表せないものも
「形」には、線によってあらわされるもの、という意味のほかに、物のもっている姿・かたち、という意味があります。
たとえば、
● 女形
● 跡形もなく消える
● 優形(やさがた)の男性
などです。
「型」の意味はなに?
「型」には、ものの形の元になるもの、という意味のほかに、
① 規範、または習慣としての一定の形式
② 同類で多数のものに共通する形や形式
という意味もあります。
②は、「type(タイプ)」といった方がわかりやすいでしょうか。
規範、または習慣としての一定の形式
①の「規範、または習慣としての一定の形式」の例には、
● 一定の型をもった詩
● 古い型を破る
● 型にはまる
などがあります。
同類で多数のものに共通する形や形式
② の「同類で多数のものに共通する形や形式」の例には、
● 肥満型・やせ型
● 夜型の人間
● 血液型
などがありますね。
どちらの「かた」も使える?
基本的には「型」を使い、「形」と書くこともできるものに、次のようなものがあります。
● 柔道の型/形
● 100メートル自由型/自由形
● やせ型/やせ形
などです。
「~のかたち(をした)」と言い換えることができるものが、この部類に入ります。
意味に違いがあり、使い分けが必要なもの
また、同じようでいて、微妙に意味が異なり、使い分けが必要なものもあります。
たとえば、
① 小形の犬/小型犬
② 髪形を整える/流行の髪型
などがそうです。
①の「小形」は、単に小さい、という意味で使いますが、「小型」は、「大型・中型」などと対比させて、タイプを表すときに、使います。
②の「髪形」は、単に髪のかたちを表しますが、「髪型」は、もう少し意味を広くとって、ヘアスタイルといった意味で使います。
まとめ
いかがでしたか。
「形」と「型」の違いや使い分けは、明確になりましたか。
基本的なところでいうと、最初にお伝えしたように、 「形をつくりだすものが型」です。
そして、姿・かたちをあらわしたものが 「形」、タイプや形式は 「型」を使います。
どちらの意味合いも含んでいるもの、たとえば「柔道の形/型」などは、どちらを使ってもOKです。
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外がパリッとしていて、あんこの美味しいたい焼きは、最高ですよね ^^